悩む女性

「この人といると自己肯定感が下がる」ならDV・モラハラを疑ってみよう

  • 更新日:2020/02/19

先日、カフェで右隣に座っていた女性が、「夫からDVを受けていた。友達から指摘されて初めて気がついた」という話をしていました。さらに、左隣に座っている男子大学生からは、「彼女からの電話が怖くなっていた。あれは今から考えたらモラハラされていたんだと思う」という話が聞こえてきました。


親しい存在であるはずの恋人や配偶者から、DVやモラハラを受けてしまう人は、残念ながら少なくありません。閉じた関係であるために、長年被害に気がつくことができず、苦しい生活を余儀なくされる人もいます。どうすれば、DVやモラハラの被害に早期に気がつき、対処することができるのでしょうか?


漫画家・細川貂々さんと精神科医・水島広子先生の共著『夫婦・パートナー関係も それでいい。』では、DVやモラハラの特徴として、「自己肯定感の低下」を挙げています。


DV・モラハラと自己肯定感の関係

本書によると、DVやモラハラを受けている人の心理状態は、驚くほど似通っているといいます。


実際にDVやモラハラを受けている人によく見られる心理が、「これはDV・モラハラとは違う。このくらいたいしたことない」というものです。被害に気がつかなければ、被害を受け続けることになります。では、どうすれば、自分が被害にあっている、と認識することができるのでしょうか?


本書では、DVやモラハラを受けていると自分で判断する基準として、「私が悪いんだ。私ってダメな人間だ」など、その人と接すると自分がダメな人間に思える、つまり、自己肯定感が下がっていることを挙げています。


DVの場合、「殴られた→怖い→泣いて謝られる。君がいないとダメだ!→この人は私がいないとダメなんだ→殴られた」というサイクルに入ってしまうことが多いのが曲者です。「君がいないとダメだ!」とすごく優しくて、チヤホヤしてくれる時期があるので、一瞬、自己肯定感が上がったように感じてしまうことも珍しくありません。ですが、このサイクルを繰り返していくうちに、実際はどんどん自己肯定感が下がっていってしまいます。


水島先生は、モラハラ被害者は自己肯定感が下がるものであり、下がったがゆえに、支配構造から逃れられなくなることを指摘しています。

モラハラとは、言葉や態度等によって行われる精神的な虐待で、身近な誰かの非を見つけ、人間的な価値を貶めて加害者の「自分は正しい」という自己愛を満足させるものです。つまり、加害者は「自分は正しい」に基づいた行動をとり、被害者は「私が間違っている」という刷り込みをされていきます。そこには、「正しい加害者」と「ダメである被害者」という支配構造が作られてしまいます。(略)DVにしろ、モラハラにしろ、まさに「本格的」な人ほど、「でも、私の例なんて程度が軽いのではないかしら」とおっしゃいます。それほど自己肯定感が下がってしまっているということなのでしょうね。自己肯定感を下げる人からは、他の人のサポートを得て、離れましょう。(P.65)

「この人と接していると自分がダメな人間に思える」くらいに自己肯定感が下がっていることが認識できたら、まずはその環境から逃げることを考えるべきでしょう。


自己肯定感を上げる方法。自虐&「べき」をやめて、自分自身のパートナーになる

女性自信

次に、下がってしまった自己肯定感を上げるために何ができるのか、についても確認しておきましょう。水島先生は、自虐や「〇〇するべき」という考えを捨てることを推奨しています。

「自虐」は案外重大な問題です。生きづらさを感じている人の多くが、実は誰よりも自分自身が自分を認めていないのです。「人はこんな自分をダメだと思うだろう」と思うときの「人」は、案外自分だけだという場合も多いのです。(略)「こんな事情を抱えながら、よく頑張って生きてきたな」と思えれば、自己肯定感も上がると思います。そしてそう思える自分こそが、「自分のパートナー」と言えるのではないでしょうか。「自分自身のパートナー」として自分の事情を踏まえながら、自分をいたわり、大切にしていけるのです。それを阻むのは、自分に対する「べき」だけです。人間なのだからこうするべき。大人になったのだからこうするべき。この立場においてはこうするべき。「べき」は人を虐待し、人を幸せから遠ざけます。(P.138-139)

さいごに。「一緒にいると自己肯定感が下がる」相手とは距離を取ろう

女性シャボン玉

配偶者や恋人は、「重要な他者」ですよね。そういった重要な他者が、自己肯定感を下げるような相手だった場合、その関係を見直す必要があるでしょう。


『夫婦・パートナー関係も それでいい。』は、配偶者や恋人から趣味や自分自身に至るまで、自分のパートナーとなり得る人やモノとうまく付き合っていくためのヒントが詰まった一冊です。


パートナーとの関係を見直したい、自己肯定感を上げ「自分は自分自身の最良のパートナー」だと感じられるようになりたい、という方におすすめです。


今回ご紹介した本

『夫婦・パートナー関係も それでいい。』

著者:細川貂々・水島広子

出版社:創元社



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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