LGBT

「〇〇くんって、ゲイっぽいよね」って言ったことありますか?

  • 更新日:2019/04/17

近年、メディアで頻繁にLGBT関連の話題が取り上げられることが多くなりました。


ほとんどの人は、「LGBTについてはなんとなく知っている。自分は差別するつもりも、しているつもりもない」と考えているでしょう。


ですが、無意識の発言が相手を傷つけてしまっている場合もあります。


LGBTとストレートでは、差別的な言動に関して認識の差がある

LGBTとストレート

LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの総称で、性的マイノリティを表すときに使用される単語です。(クエッショニングと呼ばれる性的志向や性自認が定まっていない人を追加してLGBTQと表現されることもあります。)


性的マイノリティが存在すること、マイノリティが差別を受けてはならないこと、が表立って語られることが増えてきた昨今、ストレート(異性愛者・性的マイノリティではない人)の多くは、「自分は差別的な言動をしていないし、そういったことをしている人も見かけない」と感じているでしょう。


ですが、LGBT総研が2016年に行なった調査によると、LGBT当事者とストレートとの間には、差別的な言動や行動に対する認識に対して、大きな開きがあるといいます。(※1)


本調査によると、「職場や学校で、性的マイノリティに関する差別的な言動や行動を見聞きしたことがあるか」との問いに対し、LGBT当事者の27.1%が「はい」と答えているのに対し、ストレートはわずか11%しか「はい」と回答していません。


また、「LGBTに対する社会の理解は、誤ったものが多いと感じるか」という問いに対しては、LGBT当事者の59.3%が「あてはまる」と回答しています。


LGBT当事者が差別的な言動だと感じるのはどんなこと?

差別的

差別的な言動を見聞きしたことがあるか否かに関して、LGBT当事者とストレートの間で大きな差があることに関しては、ふたつの理由が考えられます。


ひとつは、ストレートが、LGBT当事者の存在を認識できていないことです。前述の調査によると、LGBTであることを友人に告白したことがある人は13.0%であり、職場でのカミングアウトとなると4.3%にしかすぎません。そのため、職場にLGBT当事者がいることを認識できていない場合がほとんどであり、たとえば、「なんかゲイっぽくない?」とからかうなど、当事者が差別だと感じるような発言を、冗談の範囲だと勘違いしてやってしまっている可能性が考えられます。


ふたつ目の理由は、自分の言動が差別的な言動にあたると気が付いていない人が多いということです。LGBTについてまったく知識がないと「そんなことで傷つけていると知らなかった」ということも往々にして起こり得ます。


ここでは、そういった無自覚な言動をできるだけしないために、LGBT当事者がどういった言動を不快に感じるのかを確認しておきましょう。


LGBT当事者が感じる差別的言動パターン1:間違った認識に基づくもの

現在、テレビでは多数のオネエ系タレントが活躍しています。ゲイの男性からよく聞く「ストレートが無意識にする差別的言動」のひとつが、「ゲイ」イコール「オネエ系」だというものです。


ゲイの男性の中には、オネエ系や女装のゲイタレントばかりフューチャーされることに対して複雑な想いを抱いている人もいます。「ゲイだから女装が好きなんでしょ?」と誤解されたり、女っぽい言動を要求されたりすることにストレスに感じる人も少なくないのです。


LGBT当事者が感じる差別的言動パターン2:「女らしさ・男らしさ」を要求するもの

LGBTのTはトランスジェンダー、つまり、身体的な性と性自認が一致していない人です。(一致している人のことはシスジェンダーと呼びます)。


たとえば、「気持ちは男性なのに、体は女性として生まれてしまった」と認識しているトランスジェンダーの人がいたとします。気持ちは男性なので、男性向けの服を着たり、髪を短く切ったりしているのに、「女らしくない。女の子なんだからもっと可愛い服を着たら」「もっと女性らしく振舞った方がいい。モテないよ」と言われたとしたら、どう思うでしょうか。


シスジェンダーの女性でもこういった「女らしくしろ」という言動はストレスになります。トランスジェンダーの女性の場合、なおさらです。


どのようなルックスの人でも、本人の中で性自認が身体的性別と一致しているかは不明です。ですから、不用意に「男らしさ」「女らしさ」を要求するような言動は避けた方が無難でしょう。


LGBT当事者が感じる差別的言動パターン3:アウティングに関するもの

ストレートの人には想像できないほど、LGBT当事者の中には、自分のセクシュアリティを周囲に知られることを脅威に感じている人もいます。


一橋大学アウティング事件(※2)のように、隠していたセクシュアリティを自分の意思に反して公表されることは、生きるか死ぬかの問題にも発展してしまう事案です。


「なんで結婚しないの?もしかしてレズ?」「〇〇さんってなんだかフェミニンだし、ゲイっぽいよね」。こういった冗談めかして語られる言葉が、本人には深く突き刺さってしまうことも多いのです。


LGBTについて理解を深めることが、すべての人に必要な時代

しいたけの中華麺

これまでLGBT当事者に出会ったことがないと感じている人は、出会ったことがないのではなく、気が付いていないだけです。


同僚、友達、家族を不用意に傷つけてしまわないためにもLGBTに関するリテラシーを高めていくことはすべての人にとって必要なことなのではないか、と感じています。



※1 LGBT総研 2016年度調査


※2 一橋大学アウティング事件

一橋大学の法科大学院に通う男性が、恋愛感情を告白した男性にアウティング(同性愛であることを周囲に公表)され、自死した事件。2016年、学生の遺族が相手側の男性と大学を相手取り、民事訴訟を起こしたことにより広く報道された。



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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