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パワハラに遭ったらどうすればいい?パワハラの対処方法(証拠の集め方)

ノートメモ 弁護士に聞いてみた

前回は、パワハラの意味、パワハラの6つの類型と具体例について解説しました。もしかしたら、あなたが行っている言動や受けている言動が、パワハラに当たるかもしれませんよね。

では、パワハラ被害に遭ってしまった場合、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?

今回は、パワハラ被害に遭った時の対処方法、特に証拠の集め方と有効な証拠についてお話します。


まずは証拠を集めよう!

パワハラは、大勢の人がいる場所ではなく、1対1の状況や密室で行われることも多くあります。そのため、単に「あれはパワハラだ!」と叫んでも、客観的な証拠がなければ「言った言わない」の水掛け論となってしまい、取り合ってもらえない可能性が高くなってしまいます。また、パワハラによって何らかのストレスを感じていたとしても、それだけだと、そもそもパワハラと認めてもらえなかったり、損害として認められなかったりする可能性がありますし、認められたとしても非常に低額な慰謝料にとどまってしまうことも想定されます。

つまり、各種窓口に相談したり、法的に慰謝料などを請求したりしようと思っても、客観的な証拠が揃っていなければ、パワハラと認められるハードルが高くなってしまうのが現状です。

そのため、まずは、以下のような方法で、パワハラの事実と被害の事実を証明するための証拠を集めることが必要となります。


①相手との会話、やり取りなどを録音する

録音

暴言を吐かれるなどのパワハラの場合、その発言内容などを録音した音声データは、有効な証拠となります。最近は、スマホのボイスメモなどを利用すれば、簡単に、しかも、一見録音していることが分からないように録音することができますので(スマホケースで画面を隠しながら録音するなど)、有効な証拠集めの方法といえるでしょう。

例えば、これまでに上司からパワハラを受けたことがある場合には、上司から呼び出されたり掛け合ったりする際、上司に見つからないように、事前にICレコーダーやスマホのボイスメモを準備しておくと良いでしょう。


②メールやLINEなどのSNS上の履歴を保存する

LINE

パワハラの事例の中には、面と向かって暴言を吐かれるケースにとどまらず、メールやLINEなどのSNS上でも暴言を吐かれたり中傷されたりするケースもあります。そのため、メールやLINEなどのSNS上の履歴をしっかり残しておき、何らかの理由で履歴が消えてしまってもよいように、履歴をパソコンに転送したり、プリントアウトしたりするなどして、履歴を保存しておくことが重要といえます。


③診断書や写真を取っておく

診断書

暴力を伴うパワハラにより怪我をした場合には、速やかに病院で診察を受けて、医師に診断書を書いてもらいましょう。また、怪我をした箇所を速やかに写真で撮影しておくことも有効です。ちょっとしたアザ程度ですと、数日で消えてしまうこともありますので、写真に残すのであればすぐに撮影したほうが良いですし、医師には暴行を受けた状況を詳しく説明する必要があります。

また、繰り返し暴言を吐かれて精神的に参ってしまったような場合にも、速やかに病院で診察を受けて、医師に診断書を書いてもらったほうが良いでしょう。


④被害の時期や内容などを詳しく記録する

ノートメモ

パワハラを受けても、その状況を録音・録画することが難しいこともありますし、被害の状況を診断書や写真などで残しておくことも難しい場合もあるでしょう。そういった場合でも、被害に遭った日時と被害の内容・状況などを、手帳や日記などに出来るだけ詳しく書き留めておくことが非常に重要です。そのような日々の記録が積み重なることによって、証拠としての信用性が高まります。ただ、スマホやパソコンにメモするという方法もありますが、そのようなデータの場合、ねつ造や改ざんを疑われることもあり得ますので、出来れば手書きのほうが良いでしょう。

また、記録に残す際には、5W1Hを意識しましょう。「いつ」「どこで」「誰に」「どのような状況で」「どんなことを言われて」「それに対してどう思ったか」などを、鉛筆やシャープペンシルではなくボールペンを使って、はっきりと具体的に記録に残すようにしましょう。


⑤目撃者や味方を増やす

パワハラ

周囲の人は、自分がパワハラの標的にならないように、見て見ぬふりをしていることもありますが、目撃者の証言が重要になる場合もあります。そのため、パワハラ被害に遭っていることを目撃している人や、自分の味方になってくれる人を少しでも増やしたほうが良いでしょう。特に、人間関係からの切り離し型のパワハラの場合には、一人になってしまうと目撃者がいなくなってしまいますので、なるべく一人にならないように行動したほうが良いでしょう。


これだけでは証拠として弱い!

「パワハラに遭った!」と主張しても、パワハラを受けた本人の証言だけだったり、知人や目撃者の証言だけだったりすると、証拠としてはかなり弱いです。なぜなら、これらの証言は客観的なものではなく、人間の記憶には誤りが混在しやすいからです。

また、手帳などにメモを取っていたとしても、事実関係がよく分からない簡単なものである場合には、被害状況の詳細も被害の迫真性も伝わりませんので、やはり決定的な証拠とはなりにくいでしょう。

つまり、上記①〜⑤のような証拠をしっかり準備して、「合わせ技一本」といえるような複数の証拠を集めることが非常に重要です。

相談を受ける弁護士

パワハラ事件の相談を受けたときに、弁護士としてなかなか困ってしまうのは、本人のお話だけで証拠があまりないようなケースです。証拠に乏しいケースですと、外部の相談窓口に相談しても、適切で十分なアドバイスを受けられないこともありますし、弁護士に依頼して慰謝料請求などをしようとしても、うまくいかない可能性が高くなってしまいます。

そのため、パワハラ被害を主張する場合には、証拠集めが非常に重要になるのです。


パワハラの被害に遭っているときは、精神的にかなりキツイ状況に陥っていますし、なかなか周囲に相談も出来ないこともあるでしょう。ですが、状況を改善するためには、このようなコラムを通じて予備知識を得ることも重要ですし、今後のアクションも踏まえて、なるべく冷静に対応して、有効な証拠を集める必要があるといえます。

「パワハラに遭っていてツライ…」という方は、出来るだけ早く弁護士などの専門家に相談して、今できることや今後の対処方法などについて、詳しいアドバイスを受けたほうが良いでしょう。そうすることで、今まで見えなかった途が見えてくるかもしれませんよ。



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  • 田中雅大 (弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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