自分磨き

人の言うことを聞かない子ども、本当は何を考えているの?【発達療育コラム】

特別支援学級

のじゃ塾には、発達症、不登校、学力超絶不振、学校で暴力をふるってしまう、などなど、いろんな課題を抱えた子どもたちがやってきます。まるで遊びに来たような感覚で、自宅の一室を使って一対一の授業をします。

「自分の能力の伸ばし方は、実は子どもたち自身が一番よく知っている」というのが、のじゃ塾の芯。

そこでの子どもたち、保護者たちとの関わりから得た気付きやメソッドを紹介いたします。


case1:指示通りに出来ない子~自由すぎる彼の場合

今回は、言われたことと違うことをしてしまう自由すぎるはにやくんのエピソードです。

はにやくんの入った特別支援学級とは、「教育上特別な支援が必要な児童および生徒のために置かれている学級」のこと。最近は発達症の子どもたちも特別支援学級に入ることが増えてきました。

指示通りに出来ない子 指示通りに出来ない子

はにやくん、一緒についてきてくれた大人に「それは違うよ?絵本を探すんだよ」と言われましたが聞き入れませんでした。言われたことを忘れたわけでも、気に入らないわけでもなく、「今、目の前にあるやりたいこと」に心が奪われてしまったのです


はにやくんが戻ってきた時、ママも「先生の指示と違うよ?」と本人の説得を試みました。

この説得はほとんどの場合、むしろ絶対と言ってもいいほど、はにやくんの耳に入りません。(正確には、耳には入りますが脳で処理してもらえません)

この時はにやくんがどうして黒板を持ってきたのか、その後の行動を観察しながら一緒に考えてみましょう。


はにやくん、暗号のようなものを一心不乱に描きました。よく見ると「3」が二回出てきたり、「+」の記号があったり、「6」を反対にしたような文字を描いたりしています。

何かが完成!

算数について、自分の知っている知識を披露してくれていたんですね。


「すごいね!一年生なのに、もうそんなにたくさん数字が書けるの?」と声をかけてみたら、顔を上げ、真っすぐに私の目を見つめてきました。

はにやくん、塾が勉強をするところだということをちゃんと理解していました。そして黒板を見つけた時に、絵本を読むよりいいことを思いついてしまったのです。

黒板に思いのたけを描き終わったあと、はにやくんは彼の好きなウルトラマンセブンの話をしてくれました。私からはのじゃ塾で使うつみきや算数の教材となる絵本などの話をして、授業を終えました。


注意しなくていいの?わがままなコにならない?

「え、注意しなくていいの?」

「ここで注意しないと、わがままな子になるのでは?」

そんな風に思われる方もいるかもしれません。


もちろんそれが、ほかの人に危害を加えたり、自分自身を傷つけるような行為なら、制止します。

けれど、この場合はどうでしょうか?

言っても聞かないから取り上げる、強く叱る、などの対応では、コミュニケーション自体が取れなくなってしまうこともありえます。こうした体験の積み重ねを続けていくと、その子にとっては「わけがわからないが叱られた」出来事として記憶され、必要以上に人との関わりに不安を抱いたり、叱られないためにはどうするか? ということにばかり気を取られてしまい、場当たり的なコミュニケーションに終始してしまう等の「二次障害」を招く場合もあるのです。


肝心なのは、「その場に合わせた対応ができるようになること」ではなく、「互いの考えや気持ちをどうやって理解し合うかということ」なのではないでしょうか。

子どもたちを叱り、行動を矯正しようとする前に、ちょっと深呼吸して子どもたちのありのままの姿を見て、気持ちを共に味わってみませんか


「子どものため」に隠された心の声を聞いてみる

「ちゃんと注意しないと、将来、社会に適応できない子になるのでは?」という気持ちが、わいてくるかもしれません。

一方で、子どものためというその傍らに、「自分自身の子育てがどう思われているかということが気になる…」という気持ちがひそんでいる…そんなことはありませんか? 私も子育て中には、「しつけのできていない親だって思われたらいやだから、つい叱ってしまった」と叱った後に気づくということが度々ありました。

親としてもそうですが、「子どもたちをちゃんとしつけられる、言うことを聞かせられる先生じゃないと、保護者や同僚の講師たちに自分の指導力を認めてもらえないのでは?」という講師としての怖れにも、過去にとらわれていました。


「その時の子どもたちの気持ちを理解し、その瞬間を共に心から楽しむ!」そんなことが十分にできていなかった自分に気づいたのです。その気づきが結果として、「しつけが出来る親・出来ない親、良い親・ダメな親」といった自分自身へのジャッジをやめ、子どもや夫、両親に対して抱いてしまう罪悪感を手放すことにつながりました


「将来のしあわせ」にフォーカスするあまりに、「今この瞬間のしあわせ」が味わえない、というのはあまりにも残念。眠りにつく前のほんのひと時、今日一日を子どもたちは楽しめたかな?と振り返ってみるのもいいのかもしれません。



NEXT

NEXT♯2:子どもに「なんでわかってくれないの? 」って思ってませんか?


のじゃ塾とは?

幼児から大人まで通える療育塾。

発達症、発達症のボーダー、学校や家庭での問題行動全般、不登校、拒食症、統合失調、ダウン症など、子どもたちに同じケースはひとつとしてありません。 自宅の一室で、「語らい」や「遊び」「学び」の中から発見される子どもたちの心の声を聴きながら、ひとりひとりに、オーダーメイドな授業、教育カウンセリングを実践しています。また、のじゃ塾の療育メソッドをもとに、感覚統合を促進させる運動療育チーム「まなまりんManaMarine」を発足。

  • いしづかみほ(学習・療育のじゃ塾塾長/日本子ども虐待防止学会会員/イラストレーター)

    「子どもたちが本来持っている才能を存分に発揮できるよう双方向で作る授業」と「彼らのありのままを理解する教育カウンセリング」を軸とした療育を実践しています。

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