自己肯定感

自己肯定感を下げる「人と比べる癖」をやめるためのヒント

  • 更新日:2020/08/20

他人から見たら羨ましいと思われる生活をしている場合でも、「私なんて、あの人に比べたら全然だめだ」と他人と比較して落ち込んでしまう人は少なくありません。


「自分は友達に比べたら全然かわいくない」

「好きな仕事をしているけど、あの子の方が仕事で成功している」

「幸せな結婚をしたけど、家事に育児にしんどい日々。自分の時間がある友達がうらやましい」

「子どもがいる友達がうらやましい」

「仕事は順調だけど、全然出会いがない。友達はみんなパートナーがいるのに……」

「最近太ってきた。雑誌のモデルさんと比べたら、同じ人間とは思えない」

「あのインスタグラマーは年下なのにお金持ちで成功してる。それに比べて私は……」


などなど、周囲にいる友達と比べる人もいれば、YouTubeやSNSなどを通して知るセレブの生活や容姿、性格などと比較して、落ち込むケースもあります。


こういった比較が、自分の既に持っている幸せを感じにくくさせ、自己肯定感を下げるものであることは一目瞭然です。それにも関わらず、「誰かと比べて、自己肯定感が下がり、不幸を感じる」というサイクルが常態化している人も少なくありません。そういった負のサイクルからは脱したいですよね。ということで今回は、精神科医の香山リカ先生著『くらべない幸せ 「誰か」に振り回されない生き方』を参考に、人と比べずに生きるためのヒントをご紹介していきます。


なぜ私たちは人と比べてしまうのか?

ところで、なぜ私たち人間は、「人は人、自分は自分。他人と比べるのは無意味である」と耳にタコができるくらい聞きながらも、他人と比べることをやめられないのでしょうか?


本書では、人と比べてしまう理由を2つ挙げています。


私たちが、他人との比較をしてしまいがちな理由1 比較してくれないと社会が困る

比較して劣等感を抱いたり、妬んだりするのは、「どこか別のところに幸せがあるはずだ」「あの子が持っている〇〇を手に入れたら幸せになるはずだ」と思い込んでいるからです。


本書では、テレビや雑誌は「今持っているものだけでどうやって満足すればいいか」は伝えようとせず、逆に、「現状に満足せず、もっといいものを手に入れましょう」「もっといいあなたになりましょう」というメッセージにあふれている、と指摘しています。


どうして、「こうしたほうがいい(引用者注:人と比べないほうがいい)」ということはだれもが気づいているのに、「そのためにはこうしなさい」という方法を教えてくれる人がいないのだろう? それには理由があるはずだ。一つの理由はおそらく、誰もが「今の自分で満足」となってしまったら、モノも売れないしエステや美容整形も流行らなくなるし資格取得の学校の生徒も減るし、困る人たちがたくさん出てくるからだろう。市場主義経済の今の日本では、「もっと向上したい!」「もっと自分を磨きたい!」「もっと別の何かを手にいれたい!」とひたむきにがんばる若い女性たちは、なんといっても‘大事なお客さま’なのだ。(P.125-126)


つまり私たちは、経済活動を活発化させるために、社会から「他人と自分を比較しろ」「現状に満足するな」「より多く稼いで使え」といった圧力を知らず知らずのうちに受けている、というわけです。


私たちが、他人との比較をしてしまいがちな理由2 だれも「満足のしかた」を知らない

他人と比べてしまうもうひとつの理由、それは、「どうすれば、現状の自分に満足できるのかを知らない」からでしょう。


「私はこれでいいんだ。あれは手に入ってないけれど、でもいいんだ」と現在の状態に満足する方法を見つけなければならない。でも、だれにもその方法がわからない。(P.128)


他人と比較して自己肯定感を下げないための2つのヒント

笑顔の女性

他人と比較して、「よし、私も〇〇さんみたいになるぞ!」と奮起し、頑張れることもあるでしょう。しかし、「どうせ私なんて……」と落ち込んでしまうことも考えられます。ここでは、他人と比較し、自己肯定感を下げないための2つのヒントをご紹介していきます。


他人と比較して自己肯定感を下げないためのヒント1 自分とは違う価値観に接する

本書では、「現状の自分に満足できる普遍的な方法は誰も知らない」としつつも、比較による苦しさから逃れるための方法として、「自分の比較のモノサシ以外の生き方をしている人」に目を向けることを推奨しています。


たとえば、高収入を稼いでエリートと結婚することが「勝ち」だと考えている人が、キャリアウーマンだったスイス人が仕事も故郷も捨ててマサイ族の男性のもとに押しかけた顛末を描いた『マサイの恋人』(講談社・コリンヌ・ホフマン)を読めば、自分の比較のモノサシがいかに限定的なものであるか、に気がつくことができるでしょう。


いつものコミュニティ内で周囲と比較してしまってしんどい、という方は、別の価値観を共有しているコミュニティを探してみる、というのも一案です。


他人と比較して自己肯定感を下げないためのヒント2 「比べさせられている」ことを意識する

前述したように、私たちは、社会から「比べさせられている」側面があります。たとえば、綺麗なモデルさんのポスターを見て、高級エステに通うとします。そのエステに通うことが癒しであり、幸せな時間なら問題ありません。しかし、自分の体とモデルさんの体を比べて、「あんな体にならないと幸せじゃない」と思い込み、身の丈に合っていない出費をして困窮することになるのは、本末転倒です。


「消費させるために不満足感を与えられているだけかも」と気づくことができれば、「自分はこのままじゃダメなんだ。〇〇みたいにならないと」と思い込むことを避けられます。


「人と比べて不幸になる」をやめる方法は、個々人で異なる

様々な人

現状の自分に満足している人は、人と比べて他人を見下したり、嫉妬して落ち込んだりしません。


つまり、人と比べない人になるためには、現状の自分に満足することが必要なのです。しかし、「自分に満足するための普遍的な方法」は存在しません。


ある人は、「他人と比べるのではなく、過去の自分と比べること」「今ある幸せを噛みしめること」で、現状に満足感を見出すかもしれません。また、「この人といると、自分と比べてしまって苦しい」と感じる人と距離を置くことで、心の平和を取り戻せる場合もあるでしょう。


「他人と比べる」を完全にやめることは困難です。しかし、「他人と比べて、今ある幸せを見逃したり、自己肯定感を下げたりする」頻度は、各々が、「どうすれば現状に満足できるのか」を考えていくことで、大幅に減らすことができるのではないかと思います。


今回ご紹介した本

『くらべない幸せ 「誰か」に振り回されない生き方』

著者:香山リカ

出版社:大和書房


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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