
「出産したら2年はまともに寝られない」って本当?【#52】
- 更新日:2019/11/25
- 公開日:2019/11/25
出産前、義母に繰り返し言われた「産んだら、2年は寝られないからね!」という言葉。「2年って長くない?!」と半信半疑だった私ですが、果たして実際はどうだったのか?周りのママさんたちの声も合わせて、産後のママの睡眠事情についてご紹介します。
産後の睡眠、我が家のケース

それは長男を深夜に出産した、次の日の夜にはじまりました。出産で疲れ果て、泥のように眠りについたと思ったとたん、看護師さんの「お母さん、赤ちゃんお腹がすいたみたいです~」の笑顔。2時間おきにそれが繰り返されるので、眠ったような、眠っていないような。「こんなにボロボロなのに、容赦ないな(涙)」と思ったものでした。
私が出産した産院は、「母子同室が基本、できるだけ母乳育児を推奨」という方針。産後すぐは「少しでも眠りたい」と、夜は新生児室で預かってもらいましたが、赤ちゃんがお腹をすかせて泣くたびに母親の私が呼ばれました。
今、思えば、初めての出産を経験した私も確かにボロボロでしたが、産まれたばかりで初めて外の世界を体験している我が子は、母親の何倍も不安だったに違いありません。お互いに不安定な心と体を抱えて、一緒に泣きながら寄り添うように母子の新しい生活を始めたような感覚でした。
産後直後から本当に寝られないママも

ただ、我が家のケースはまだいいほうだったようです。産院で一緒になったママさんの中には、「授乳の時間になると出ないおっぱいをずっとくわえていて、1時間くらいかかる。それからおむつを替え、やっと寝たと思ったら、もう次の授乳の時間になって、結局全然寝られない」というママさんも。「産まれた日から、夜はずーっと泣いてる。何しても泣き止まない」と、目の下にクマを作って疲労困憊している人もいました。
「生後9カ月頃から寝られない」人が多数

とはいえ、その状況がずっと続くわけではありません。育児中のママの睡眠事情は、日々成長する子どもに合わせて変化します。産院では、経産婦さんが「9カ月頃から夜泣きで寝られなくなるよ」と言っていました。そして、我が家ではまったくその通り、生後9カ月頃から夜泣きがひどくなった長男につきあって、寝られない夜が続きました。
「ひたすら抱っこする」「テレビのザーザー音を聞かせる」「灯りをつけて一度目を覚まさせる」「外を散歩する」「ドライブに出る」など、あらゆる夜泣き対策を試しました。長男の場合、一番よかったのが、「音楽を聞かせる」という方法。音楽の出るおもちゃを使ったり、大好きな「はたらくくるま」の歌をYouTubeで流したりすると泣き止むことがありました(長男は今でも音楽が大好きでピアノを習っています)。
しかし、夜泣き対策も成長とともに変える必要があり、YouTubeの動画を見たがるようになってからは「はたらくくるま」対策は使えなくなり、大声で泣き叫び、親が近寄ろうとしても全力で蹴ってはねのけようとするため、泣いているのをひたすら見守るしかないという夜もしばしばでした。
「寝られない夜」はいつまで続く!?

いつになったら寝られるんだ……と、悩んだ頃、しょっちゅう他のママさんの声を検索していました。すると、「1歳を過ぎたらぱたっと寝るようになった」「夜間授乳をやめたら夜寝てくれた」「離乳食をしっかり食べるようになったら寝てくれた」など、1、2歳を過ぎたあたりから寝られるようになったというママさんの声が多いようでした。ただ、我が家の長男の場合、夜泣きは頻度こそ減っても、「2年」どころか3、4歳頃までありました。加えて、体調を崩して夜中に咳こんで吐いたり、高熱で泣いたりして、夜泣き以外で眠れないことも……。
一方、下の長女と次男は、夜泣きはほとんどありませんでした。長女に至ってはまったくなく、次男もときどき泣いても、しばらくトントンしていればすぐに泣き止む程度。1歳頃で授乳を終わらせたあとは、起こされることもあまりありません。「寝られない夜」の頻度や長さは、子どもによって天と地ほどに違うものだなと実感しました。長男の場合、少し体が弱く、アレルギーもあったので、体がかゆいとか、鼻がむずむずするとか、何かしら具合が悪くて、それを訴えたくて泣いていたのかな、とも思います。また、日中に新しい経験をしたとき、夜に興奮して泣くこともあったようです。
1歳、4歳、5歳がいる我が家の睡眠事情

さて、1歳、4歳、5歳の子どもがいる現在の睡眠状況はどうでしょう。長男もさすがに5歳になり、夜泣きすることはなくなり、体調を崩すことも減りました。ただ、やはり睡眠は浅いほうなのか、ときどき夜中にむくっと起きて私の布団に入ってきます。4歳の長女と1歳の次男も、夜泣きはしませんが同じようにときどき起きて私の布団に入ってくるので、結果的に私は夜に何度か目を覚ましています。次男が1歳になる前までは、上の子たちにつぶされたりしないか(実際に夜中に次男の体の上に長男の脚が乗ってしまい、次男がぐすぐす泣いていることもありました)、寝ながらいつも警戒していましたが、今では次男も何かあれば大きな声を出して主張してくれるので、安心して寝られるようになりました。
というわけで、「2年」神話の真否は……

1歳児がいてもそこそこ安眠できているので、「出産したら2年は眠れない」というほどではありません。ただ、長男のときは生後9カ月以降、2年以上は眠れない夜が続きました。
産後の母子の睡眠事情は、子どもの個性や体調、住宅事情などによって大きく違います。つまり、まだ出産していない人なら、今から心配してもしかたがないこと。今、まさに夜泣きに悩んでいるという人も、子どもの成長によっていつ状況が変化するかわからないのですから、できれば「いつ終わるんだろう」と一喜一憂せず、ゆったりした気持ちでいられるといいですね。実際に寝られない日々を過ごしている最中は、そんな心の余裕はないのもとてもよくわかりますが、できるだけ「ああ今日も泣いているな」とおおらかに受け止め、穏やかに子どもの夜泣きにつきあってあげられるといいのかな、と思います。
いずれにせよ、育児で寝られない夜は、いつかは終わります。過ぎてしまえば、それもまた、いとおしい思い出。夜、寝られないときは子どもと一緒に昼寝する時間をとって、無理のないようにしてくださいね。
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・【#50】断捨離は妊娠中がおすすめ!巣作り本能(?)を活用しよう
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▼鈴本りえさんの他の連載はコチラ
・『3人産んだ今だから言えること』我が家の少子化対策#1・【女たちのネット詐欺事件簿 #1】ネットオークションの落とし穴
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鈴本りえ
(ライター/エディター)
旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。
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