恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#64】「あれって彼女?」浮気相手への確認で知った真実とは

  • 更新日:2019/03/25

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前回のあらすじ:三次会の会場へと向かう道すがら、夏美は少しの間自分の心と向き合っていた。どうして私は、こんなにムカムカしているのか。考えるほどピンと来る答えは出なくて、とにかく幸太と向き合いたくない気持ちだけが増幅されていく。 悶々としたまま会場へと到着し、新郎新婦と談笑していると、渦中の幸太も隣に腰を下ろす。 何を話すべきか。二人っきりになり目を合わせると、幸太も夏美を見つめていた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第64話:「あれって彼女?」浮気相手への確認で知った真実とは

男の嘘はすぐバレる。

そう言うけれど、それが本人の中で嘘だと思っていなければ、バレることはないのかもしれない。


「お疲れ様でした」

努めて冷静に幸太に声をかける。

正直二次会がトラブルなく幕を閉じたことは、夏美にとっても嬉しい事だった。

「うん、色々大変だったけど、良かったな」

幸太の顔はほんのり赤い。きっと気分がいいのだ。

今聞いていいものか。でも今じゃないと聞けない気がして、夏美は飲みかけのビールを改めて手元に用意し、勢いを付けるべく一口喉を通す。


「あのさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「なに?」

「今日受付やってた子って、幸太のさ、あの…」


“彼女”という単語が、どうしてもすんなり口から出てくれない。YESと言われたらどう返答したらいいのか、自分の心がどう揺れ動くのか、予想ができない怖さがある。


「あ!もしかして、えりかちゃんのこと?」

「え!?」

夏美は意表を突かれ、目を丸くする。

「あ、えーっとそうそう。あの子なんか親しそうだったから、え!?まさか彼女!?って思ってさ…」

幸太の軽いノリに便乗し、夏美は「あはは」と声を上げながら確認する。

「えー!?彼女なわけないだろ。あの子はサークルの後輩だって。まあ仲良くてよく飲んだり合コンとかしたけどさ」

第64話

「そ、そうか。そうね」

「もし彼女だったら、夏美ちゃんと一緒に受付やらせてる俺、酷すぎるっしょ」

「ああ、うん。そうだよね!本当そう思う。ごめん変なこと言って」

「もー疲れてるんじゃない?今日はさ、とりあえずお疲れ様」

そう言うと、ピッチャーを持ち夏美のグラスにビールを注ぐ。幸太は幹事をやりきった達成感から、いつも以上に陽気な気がする。

私の考え過ぎなのかな…。注がれたビールに口をつけ、夏美は自分の疑り深さを少し反省する。

確かにあのとき、神原えりかと幸太が親しそうにタメ口で話していたけど、普段は先輩後輩の関係ではなく、飲み友達であるならうなずける。

なーんか距離感が近すぎたような気もするけど…やっぱり考え過ぎかな。


「タバコを吸いにいく」と席を立つ幸太を見送りながら、夏美は今日のことをやっと落ち着き始めた頭で振り返る。

前日のトラブルに始まり、お式、そして二次会に神原えりかの存在と、1日濃かった。ゆっくりとお酒で疲労を流していると、ふと後ろから新婦である友人が声をかけてくる。

「ちょっと夏美!ウケること聞いたんだけど」

「え?なに?」

振り返って目線を合わせると、彼女はトロンとした視線を送る。酔っているんだな…と思ったけど、口元がニヤつき、なにかを言いたげである。

「今日二次会で受付やってた子いるじゃん?あの子さ、幸太先輩のセフレなんだって」

「ええええ?」

考える間もなく言葉が先に出て、一瞬で心臓がぎゅううと締め付けられる。

落ち着かせようとビールを手に取ると、口につけた瞬間コップが震え、自分が動揺していることに、初めて気づいた。


NEXT ≫ 第65話:浮気相手の真実を知ったとき湧き上がる感情ととっさに取った行動



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第59話:その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?


第60話:もしかしてこの娘が彼女?広がる疑念、確かめる方法は…


第61話:トゲのある自分に自己嫌悪!気持ちを切り替えたとき聞こえてきたこと


第62話:浮気相手の不可解な行動に混乱!このモヤモヤは一体なに?


第63話:始まる三次会!混沌としたまま対峙する男と女



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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