恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#63】始まる三次会!混沌としたまま対峙する男と女

  • 更新日:2019/03/19

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:二次会はなんとか無事に終わったものの、夏美は幸太と彼女のやり取りのことばかり考え、気が気でなかった。あれは本当に彼女なのか。問いただしたい気持ちと、向き合いたくない気持ちがせめぎ合う。 そんな中、場は三次会へと移動を始める。二次会幹事という立場上、帰るわけにはいかない。でも今は一人になりたい。夏美は幸太を振り切り、とりあえず一人になってから移動を始めようとするのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第63話:始まる三次会!混沌としたまま対峙する男と女

いじめっ子はいじめたことを忘れるという。

浮気をした方も、傷つけたことを忘れるという。

じゃあ私は、傷つける側?それとも傷つけられる側?


会場をあとにする神原えりかを横目でみながら、夏美は彼女と幸太の関係を探ってみる。

神原は幸太の彼女なのか? でも、夏美がいるこの場所に彼女を連れてくるとも思えない。でも、二人のやり取りを見ていると、どうも無関係だとは思えないのだ。 でも、この疑問を誰にどう聞けば、自分の知りたい答えが傷つかずに把握できるか、わからないでいた。


「やっぱり幸太に直球で聞いてみるべきかな…」


話したくない。でも、いつか聞かなきゃ。

少しだけ決意をしたところで、幸太とタイミングをずらし、三次会の居酒屋へと向かう。

途中幸太からLINEが入ったけど、気づかないふりをする。

今はまだ会いたくない。今は話したくない。むしろこのまま体調が悪いからと帰ってしまえたらどれだけいいか。

そんなことを考えるけれど、自分が我を通せるタイプでもないことは分かっているから、あと2時間ほどは大人しくしていようと自分と約束する。


「ていうか、なんで私こんなに気を使ってんの?」


早歩きで息が上がってくると、今度はだんだんムカムカしてくる自分がいる。冷たくなったり熱くなったり、今日はなんだかせわしない。

夏美は、自分の中の確かな怒りが、一体何に対して感じているのか、少しの間考えてみる。

幸太の彼女を目の当たりにした混乱か。

それを見て、くだらない男に引っかかった自分を恥じているのか。

そもそも幸太が好きだったのに、裏切られたことに悲しんでいるのか。

どの理由もピンとこないけれど、神原えりかに驚き、引いたという事実と、今自分が何かに怒っていることは分かっていた。

第63話

「あーもー着いちゃった。行きたくないなあ」


居酒屋に到着し、独り言をつぶやきながらお店へと入る。

中にはすでにできあがった人たちもいたが、サークル仲間の慣れた顔ぶれが居ることが、夏美を少し安心させた。


幸太はどこだ?

席に座りながら、思わず周りをキョロキョロと見渡すが、幸太の姿はない。

『おかしいな…もう着いてるはずなのに…』そう思いながらとりあえず席に座り、新郎新婦に改めて祝福の言葉をかける。

まさか今、この笑顔の裏側で混沌とした状態であることなど、知る由もないだろう。

仲睦まじく頬を赤く染めた新郎新婦は、「本当に今回はありがとう」と、夏美のそばへと寄ってくる。「本当に無事終わってよかったよ」と、お互いの労力をたたえ合っていると、一瞬慣れたタバコの香りが漂ったかと思うと、夏美の隣に幸太がストンと腰を下ろす。


「夏美ちゃん、やっと来た!」


「!!!」


思わず言葉が出てこず、頬が引きつる。


「あ、せ、ん、ぱい。お疲れ様です!」


言葉がどもり、その辺に置かれたビールグラスを苦し紛れに飲み干す。


「遅くなりました。今回はお疲れ様でした。無事終わってよかったですね。」


妙に仰々しい言葉が口をついて出るが、新郎新婦は酔いもあって気づかない。

そのまま数分談笑し、新郎新婦はまた別のテーブルへと移動していく。

ああ、行かないで…。

心の中で叫びながらも、夏美は改めて幸太と肩を並べる。

何を話すべきか。

ちらっと目線をやると、幸太も夏美を見つめていた。


NEXT ≫ 第64話:「あれって彼女?」浮気相手への確認で知った真実とは



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第58話:急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から


第59話:その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?


第60話:もしかしてこの娘が彼女?広がる疑念、確かめる方法は…


第61話:トゲのある自分に自己嫌悪!気持ちを切り替えたとき聞こえてきたこと


第62話:浮気相手の不可解な行動に混乱!このモヤモヤは一体なに?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

この記事がいいと思ったら
いいね!しよう

Related関連記事

Pick Up編集部ピックアップ

Rankingランキング

#tag