恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#61】トゲのある自分に自己嫌悪!気持ちを切り替えたとき聞こえてきたこと

  • 更新日:2019/03/12

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前回のあらすじ:彼女かもしれない。神原えりかと名乗る6つ下の女子に、夏美は疑惑の目を向けていた。サークル絡みの付き合いで、合コンや飲み会をしていたという幸太と神原。思わすその関係に、夏美はトゲのあるリアクションをしてしまう。 発した瞬間「やばい」と思ったのもつかの間。「ごめんごめん」と神原に対して笑ってごまかすも、その場には乾いた笑いが響いていた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第61話:トゲのある自分に自己嫌悪!気持ちを切り替えたとき聞こえてきたこと

人を疑う女は醜い。人に敵意を向ける女は醜い。

でも元凶を作り出すのは愛した男。

愛するがゆえに醜くなった女は、男から愛されることがあるだろうか。


「あああああ…」

夏美はトイレの個室に逃げ込み、思わずうめき声を上げていた。

なんでこんなに自分は醜いのか。なんでこんなに心が狭いのか。なんで疑うことを止められないのか。

自分を責める言葉がとめどなく溢れてくる。


夏美とは5つも年の離れた神原えりか。幸太の彼女かもしれないと思うと、どうしても言葉にトゲが出てしまう。


「感じ悪い女だと思われたらどうしよう」

「嫉妬してるってバレたら嫌だな」

「幸太は今の私の気持ちなんて、絶対わかってない」

ヘアセットが崩れない程度にかきむしり、神原の笑顔を思い浮かべてみる。


「あの子が仮に幸太の彼女だったとして、私の人生にはなんにも関係ないんだ」


まるで言い聞かせるかのように、夏美は幸太と自分を切り離そうとする。

真実は確認できないけれど、夏美とは関係のないことであるのは確かだ。


「でも、なんだろう。凄くモヤモヤするのはどうしてだろう」


夏美は呼吸を整えながら、抑揚なくつぶやく。


仮に神原えりかが彼女であったならば、幸太は一体なぜ、こんなデリカシーのないことをするのだろう。

彼女と浮気相手を同じ空間で共同作業をさせるなんて、普通に考えていい選択とは思えない。

もちろんこれは、神原が彼女であった場合なのだが。夏美の中では、“女の勘”って奴が、さっきからずっと警報を鳴らしている。


「でも、確認のしようもないし、スルーするしかないか」


言葉に出して自分を納得させると、少しだけ冷静になれる。気がする。

こんなに嫉妬している自分は久しぶりだ。それくらい、幸太が好きなのか。それとも真相を知りたいのか。私はどっちなのだろう。

ブツブツと独り言を唱えながら会場へと戻る。そろそろ参加者が集まり始めるころだ。


「あ、夏美ちゃん、新郎新婦、さっき来て今控室にいるよ」


戻ってきた夏美に、幸太が声をかける。


「ありがとうございます。ちょっと挨拶してきますね」


「わかった!」


夏美は奥の控室へと足を運ぶ。


遠ざかると同時に、入れ違いで幸太に神原えりかが近づくのが気配と声でわかる。

第61話

「ねーねー、今リストに載ってない人が来たけど、通していいの?」


「あれ?漏れてた?なんて人?」


「☓☓って方です」


「あーごめん、俺達の知り合い。個別で連絡きてたんだわ。あとで新郎新婦に報告するからメモしといて」


「はーい」


夏美は遠くで聞こえるフランクなやり取りに、呆然と、なすすべなく立ち尽くしていた。


NEXT ≫ 第62話:浮気相手の不可解な行動に混乱!このモヤモヤは一体なに?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第56話:◯◯ちゃんよりも好き。それって本当に言われて嬉しいこと?


第57話:彼は本当に優しい人?口だけ男はどこで見抜けるのか


第58話:急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から


第59話:その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?


第60話:もしかしてこの娘が彼女?広がる疑念、確かめる方法は…



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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