恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#58】急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から

  • 更新日:2019/03/07

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前回のあらすじ:ワクワクしながら箱根旅行の計画を立てる。しかし、夢物語はあっさり仕事の都合という理由で、頓挫することに。「なんで?」と幸太を責めたい気持ちが湧き上がるが、前のようなケンカはしたくないから慎む自分がいる。 「お仕事頑張ってね」と気丈にふるまうと、思わず大きなため息が出る。自分がとてつもなく疲れている。そう思ったら、心の整理がうまくつけられず、ぼんやり空を見つめることしかできなかった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第58話:急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から

気持ちというのは、一度途切れると持ち直すのは驚くほど大変なものだ。

そもそも戻れたのなら、それこそが運命というのかもしれない。


旅行の話しは、一度「ごめんね」と謝られただけで、その後は話題に上がることもなかった。

入れ替わるように、結婚式の二次会準備が忙しくなり、2人はたびたび会ってはいたが、せわしなく当日へ向けての準備に励む日々が続いていた。


『明日の荷物、チェックと搬入お願いね』


ついに迫った当日を前に、最終確認をし合う。


『オッケー!明日は一旦式の前に会場に立ち寄って荷物入れるわ』


景品などの荷物を幸太が持ってきてくれるのは、ありがたかった。

もともときっちりした性格の夏美と、全体を段取るのが上手い幸太が取り仕切っているので、大きく失敗することはないだろうと、誰もが思っていた。


『あ、やべえ!』


そんな予想に反してLINEが入ったのは21時を回ろうとする頃だ。


『ごめん、今荷物確認したら、ビンゴの景品が1つ足りない。ていうか、買おうと思って忘れてた!』


『え!?嘘?何忘れたの?』


胃やこめかみの辺りがピキピキとうずき出す。迷惑をかけること、大きくトラブルを起こすことが、何よりも夏美にとっては嫌なのだ。


『ほら、女子向けに美容家電用意しようって言ってたじゃん?あれ、よく分からなかったから、後回しにしてたら買い忘れた』


『…そっかー大変』


「何それ?分からないなら聞いてよ」と思わず口を突いて出そうになった言葉を、LINEには打ち込まずに返事を返す。幸太は段取りこそしっかりしていても、苦手なことを放置するクセがあるのは知っていたはずだ。

確認不足だった。どうしよう…。ソファにうずくまって考えていると、幸太からLINEが入る。


『今からドンキとか、いける?』


え?なんで私が行くの?

カッとなって思わず「はあ?!」と声が出る。ミスをしたのは幸太なのに。もう21時半だし。私は家だし。明日は美容院の予約が8時から入ってるのに。

幸太への不満が洪水のように溢れ出てくる。でも同時に、都心に近いのは私の方だし、美容家電が分かるのも私。何より明日幸太は大量の荷物搬入をするという役目がある。だったら自分が行くべきなんだろうな。

そんな冷静な判断もできている。

つまり、この怒りはやるべきことへの不満というより、幸太の態度に怒っているのだ。


夏美は肩で大きく息を吸い、気持ちを整えながら今からやるべきことを考える。


『わかった。じゃあ今からドンキ行ってくる』


適当に目に入った洋服に着替え、財布の中を確認する。


『ありがとう!助かる!』


幸太から素早い返事が入り、思わす「ごめんはないのかよ!」と汚い言葉が口をつく。


「あれ、夏美どっか行くの?」


そんな夏美を見た弘が、ベッドでゴロゴロしながら声をかける。


「ちょっと今からドンキに買い物。行ってくるね」


「寒いのに大変だね。あ、お願いがあるんだけど、ついでに充電器とポテトチップス買ってきてよ」


「え?なんで?自分で買いに行きなよ」


思わず強めの声で返答してしまう。


「まあそう言わずに。ついでに頼むよー。一緒に行ってあげようか?」


弘が少し甘えた声をだすと、夏美の怒りはいつも静かになり、整っていく。


「わかったよ。もーしょうがないなあ。行ってくるから」

第58話

今から行けば、22時すぎにはドンキで買い物できる。

時間を計算しながら靴をはき、玄関を急ぎ足で出ていく。

さっきまでの幸太への怒りが落ち着き、冷静になっている自分に気づく。


「これって、弘のおかげ?」


一人夜道を歩きながら、ぼんやりと空に呟いてみる。


NEXT ≫ 第59話:その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第53話:ケンカは会えば解決する?噛み合わない会話が引き出した答え


第54話:「別れよう!」いきなり告げられた決断への正しい対処法


第55話:良い浮気のためのルールとは!話し合うことで心は深く通じ合う?


第56話:◯◯ちゃんよりも好き。それって本当に言われて嬉しいこと?


第57話:彼は本当に優しい人?口だけ男はどこで見抜けるのか



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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