恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#57】彼は本当に優しい人?口だけ男はどこで見抜けるのか

  • 更新日:2019/03/07

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前回のあらすじ:幸太と仲直りをしてからと言うもの、夏美の中では違和感が残り続けていた。 それは「比較」という枠の中で、常に肯定されているという違和感だ。そんなある日、突然幸太から旅行の誘いが持ち上がる。一泊旅行。ワクワクしながらOKを出すと、事情を知らない弘が「楽しそうだね」と声をかける。なにも知らない彼氏、不安にもならない彼氏。疑わない優しさを感じながらも、心の中では責めたい気持ちが立ち上がり、そんな彼と弘を比べ、夏美も恋心を燃やしている自分に気づくのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第57話:彼は本当に優しい人?口だけ男はどこで見抜けるのか

逢瀬という言葉は、恋仲の男女がひと目を忍んで会うから逢瀬という。

じゃあ今の2人は、逢瀬をしているといえるのだろうか。


幸太と旅行!考えただけでワクワクするし、やっぱりこんなに嬉しいってことは、好きなんだ。そんなことを考えながら、結局箱根へと決まった旅行先について、毎日コツコツ調べていた。


弘には「友達と旅行する」と言ったら、二つ返事でいってらっしゃいと言われる。そう、いつも弘は、疑わないし私を制限したりしない。

信頼されているのだろうか。それとも関心がないのだろうか。

たまらず「誰と行くかとか、気にならないの〜?」と冗談めかして聞いてみると、「気にしてほしいの?」と、切り返された。

なんだか弘の手のひらの上で転がされているような気分だ。

第57話

箱根には、芦ノ湖の湖畔に縁結びにご利益のある神社があるという。

恋愛運が上がるとして、最近では女性の間で人気が高い。ここにはできれば行きたいな。ついでにロープウェイに乗って山頂まで歩きたい。プランをひたすら考えていると、弘への不安感は自然と消え失せる。

予約は幸太にお任せして、道中のプランをしっかり練るのは私の役目。幸太はゆっくり温泉にだけ入れればいいって言っていたけど、旅行なんてそうめったにできるものではないから、楽しい思い出にしたい。


夏美は忙しく計画を立てたり調べたりすることで、今までの不安を全部どこか別の場所へとしまいこむ。

しかし、神様はいつだって意地悪だ。


「ごめん、旅行、行けないかもしれない」


幸太から急に連絡が入り、落胆から視界がぐわんと歪む。


「どうしたの?仕事?」


「うん、急な仕事が入っちゃって」


「そうなんだ…どうしても出なくちゃいけないんだよね?」


幸太を問い詰めたい気持ちがせり上がってくる。でも、ここでダダをこねると、またあの時みたいなガサガサした気持ちが残るやり取りが待っている気がして、上手くまだ怒れない。


「本当にごめん。仕事で…夜に箱根で合流とかならできるんだけど、それじゃあ自由な時間も全然ないよなと思って。だから今回はキャンセルさせてほしい」


一瞬夏美の心に「夜合流するとかでもいいよ」という言葉が浮かんだけど、それは自分も虚しくさせるし、なにより幸太の気持ちはもうキャンセルへと向かっているのだと思ったら、言えなかった。


「わかった。仕方ないね。大丈夫!お仕事頑張ってよ」


努めて明るく返し、スマホを一旦閉じる。

はーっと思わず大きなため息が漏れ、自分が非常に疲れていることに気づく。

行けないんだったら、最初から誘わないでほしかったな。

ぼーっと天井を見つめていると、そんな不満だけが心の中をくすぶり続けた。


NEXT ≫ 第58話:急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第52話:混乱が止まらない!浮気に求めてたものって何?


第53話:混乱が止まらない!浮気に求めてたものって何?


第54話:「別れよう!」いきなり告げられた決断への正しい対処法


第55話:良い浮気のためのルールとは!話し合うことで心は深く通じ合う?


第56話:◯◯ちゃんよりも好き。それって本当に言われて嬉しいこと?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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