恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#42】カラダを重ねたあとに湧き出す不安、女の浮気は本当にバレない?

  • 更新日:2019/03/19

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前回のあらすじ:二軒目の移動中、1年ぶりにキスをした。そこから流れるようにホテルへと向かい、そうして二人はカラダを重ねた。 初めに浮かんだ感情には、浮気の後悔よりもずっとこうしたかったという安堵だった。幸太に触れられるたび、夏美のカラダを幸福感が走る。異性との触れ合いがこんなに幸せなものだったなんて。そう認識すると同時に、終わった後には「秘密にしなくちゃ」という冷静さも芽生えていた。 でもその揺れる気持ちも、幸太を前にすると瞬時に解け、幸福感の中に再び引き戻されるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第42話:カラダを重ねたあとに湧き出す不安、女の浮気は本当にバレない?

女の浮気はバレないというけれど、それは女が隠すのがうまいのか。

それとも男が鈍感なのか。はたしてどっちなのだろう。


さっきから周りにバレないように、夏美は何度も自分の体臭に嗅覚を集中させる。

くんくんくん。特に怪しい匂いはしない。

もう何度も確認し、何も問題ないことは確認したけど、どうしても自分からメスの匂いが漂っている気がしてならない。

第42話

今度は手鏡を取り出し、顔と髪型を入念にチェックする。

お風呂に入って直したから、乱れていることはありえない。

でも逆に、直しすぎてファンデーションが異常に厚塗りになっている気がして、指先で少しこそぎ落とす。


そもそも家に着いたらお風呂に直行すればいいじゃないか。

自分の愚行に失笑しつつ、帰宅したらどういう流れで行動するのか想定する。

女の浮気はバレないって言うけど、こんなに動揺していたら、すぐにバレてしまうのではないか。

夏美は自分の裏表のなさが心底嫌になりながらも、ふーっと呼吸を整え、先程の甘やかな時間に想いをはせる。


幸太のカラダは、弘のやや肉感の強い柔らかなものとは異なり、がっしりと筋肉質で、夏美が抱きしめると倍のちからで抱擁し返すような、男らしくて暖かなものだった。

ふっと感触を頭の中で再現すると、思わず口角が上がる自分がいる。

何より丁寧にカラダを触れられていることが、夏美にとっては心底幸福だった。


私は、こういうことを求めてたんだ。

久しく弘に触れられていない自分。触れたとしても、決まった流れをたださらっているようなものだった。

そんな状態に、夏美は女としての自分が否定されているような気がして、とても悲しく、そして孤独を感じていた。


こんな状態で本当に結婚していいのかな…。

最近ではお金の問題や将来だけでなく、カラダから起因する心の距離に、ネガティブなことを想像する日も増えていた。

だからこそ、幸太は渡りに船。夏美は拒む理由が見つけられなかったのだ。


自宅の扉をゆっくり開けると、部屋には電気がついており、テレビの音が漏れ聞こえてくる。


「まあ、帰ってるよね」


つとめて冷静に。私は友達の結婚式の二次会の打ち合わせをして、お酒を飲んで酔っ払って帰ってきたんだ。

自分にそう言い聞かせ、リビングの扉を普段より少し力を込めて開ける。



NEXT ≫ 第43話:平然と装うたびに、溢れ出る感情のほころびたち



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第37話:再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと


第38話:これはピンチ?チャンス?流れた縁が再び私の手に戻るとき


第39話:憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?


第40話:「結婚する予定は?」憧れの彼からの答えに、引き戻される恋心


第41話:ついに一線を超える関係、その時頭に浮かんだことは…



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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