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【小説#41】ついに一線を超える関係、その時頭に浮かんだことは…

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:1年前のキスは忘れ、楽しく飲み始める二人。でもどこかぎこちないのは、今両者をつなぐものが“友人の結婚”という、直視しにくいテーマだからだ。 「先輩は結婚の予定とかないんですか?」という質問を皮切りに、夏美は幸太に婚約者がいること、でもあまり上手くいっていないことを説明し始める。無意識に愚痴っぽくなると同時に、幸太から「本当は好きだった」という告白を聞き、夏美の心は再び揺れ始める。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第41話:ついに一線を超える関係、その時頭に浮かんだことは…

もうダメだ。

そう思えるうちはダメじゃないって、誰かが言っていた。

でも“ダメ”の先には何があるのか、今日まで深く考えたことはなかった。


居酒屋を出たあと、2人は手をつないだまま別の店へと移動した。以前行ったことのある雰囲気のいいBAR…のはずだった。でも幸太は、お店まであと少しというところで、夏美にふたたびキスをした。

顔が近づく瞬間、夏美はもう抗えない、とハッキリ理解した。

1年という耐え抜いた期間や、今の弘とのセックスレスなど、溜まったモヤモヤは全部、幸太に触れられている瞬間だけは解き放たれている気がした。


ホテルの部屋を選ぶとき、幸太は空室の中でも1番高額な部屋のボタンを迷わず押した。その一つの動作だけで、夏美はこの人を選んで良かったと思い、握る手に少しだけ力を入れる。


見てくれだけは清潔に整えられた部屋に着くと、幸太はするりと夏美を後ろから抱きしめ、夏美はカラダを少しこわばらせ、ゆっくりと振り向き唇をもう一度重ねる。

キスの瞬間、頭に後悔なんて感情は1ミリもなくて、意外にも「あ、キスしたな」という行為への認識だけがそこにあった。

でもキスまでは冷静に味わうことができたけど、そこから先は、言葉や認識に落とし込む余裕はなかった。

第41話

カラダに触れられるたび幸福感が溢れている気がして、幸太という存在よりも、異性に触れられているという状況に興奮を覚える。

私はずっと、こうして女として大切に扱われたかったんだ。

目を閉じゆっくり状況に身を任せると、再び唇に熱が重なり、夏美は回した手の感触をもう一度確かめる。


全てが終わったとき、初めてやっと「ああ、秘密にしなくちゃ」という意識が芽生えた。でもそこにはやっぱり後悔はなくて、いつまでも触れてくれない弘への恨みの方が大きかった。


「お風呂、一緒に入る?」


スッキリした顔の幸太と目が合う。カッコイイという今までの認識よりも、こんなに甘えるタイプだったのか…という、新しい発見が、夏美をワクワクさせていた。


「入ります!」


思わぬ提案に声が一オクターブ上がり、顔を背けながらバスルームへと向かう。

お湯が張られた浴槽は、家のそれより1,5倍は広い。


「先に入りますね」と声をかけ、シャワーでさっとカラダを流してから浴槽に足をつける。


温かい。

広い。

キレイ。


足を真っ直ぐに伸ばし、淹れたてのお湯に首まで浸かる。

家のお風呂は、夏美が掃除をしないといつまでも汚いままだし、足なんて伸ばせない。

ホテルだからできること。よそいきの関係だからできること。そう自分に言い聞かせてみるけど、扉があき幸太が入ってくると、一瞬よぎった冷めた感情は、浴槽のお湯に暖められてしまうのだった。



NEXT ≫ 第42話:カラダを重ねたあとに湧き出す不安、女の浮気は本当にバレない?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第36話:新たな一歩を踏み出す2人。それは愛か?それとも偽りのモチベーションか?


第37話:再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと


第38話:これはピンチ?チャンス?流れた縁が再び私の手に戻るとき


第39話:憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?


第40話:「結婚する予定は?」憧れの彼からの答えに、引き戻される恋心



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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