恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#39】憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?

  • 更新日:2019/03/19

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:友人が結婚することになった。それがあの1年前のサークルの飲み会がきっかけとあって、夏美は心底自分の中でのタラレバを追いかけ、げんなりしていた。 「あの時幸太先輩と進んでいたら、自分も今頃結婚してた?」 考えないようにしていた想像が、頭の中をかけめぐる。「今は弘がいるんだから」と強い気持ちで打ち消すと、友人から思わぬボールが投げ込まれる。 「結婚式の二次会の幹事を、夏美と幸太先輩に頼もうと思う!」 しかも今から幸太も合流するという。テンパる夏美。これってピンチ?それともチャンス?

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第39話:憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?

もうあの人への思いはなくなったはずなのに。

縁も無いと思っていたはずなのに。

それでも私の気持ちは、昔好きだった人にまだ縛られたままなのかもしれない。

近づく彼を想像したら、全身が落ち着かず、今にも走り出してしまいそうだ。


「彼、もうすぐ来るって」


何も知らない友人の顔を見ながら、夏美は混乱と憎しみと感謝とが混ざり、自然と不安めいた表情になっていた。


あと数分で幸太が来る。

最後に会ったのは、あの別れ際のキスの日だ。それ以降彼からの誘いをのらりくらりとかわし、そしてフェードアウトして音信不通になった。

でも本当にちょうど数ヶ月前から、当たり障りのないやり取りを時々する程度の、いわゆる元の先輩後輩の関係に戻っていた。


「あ、来た来た!」


彼女が立ち上がり満面の笑みで入り口に向かって手を振っている。

さりげなく目線を入り口に向けると、体格のいい男の隣で、一瞬「あっ」という表情の幸太と目があう。夏美が軽く会釈をすると、爽やかな笑顔の幸太が近づいてくる。


「お久しぶりです。幹事、先輩がやられるんですね」


「そうなんだよー本当迷惑!でも夏美ちゃんなら、しっかりしてるから安心だわ」


幸太が冗談めかして笑うと、カップル2人が肩をすくめて「よろしく頼むわ!」と笑いあう。

そうだ。これはただの結婚式の二次会の打ち合わせなんだ。

一人で妙に身構えている自分が、なんだか恥ずかしくなってくる。


(私はただ、自分の役割を全うするだけでいい)


心の中でそう唱え、無理やり真面目モードに切り替え話に加わる。

第39話

最初の打ち合わせということもあり、日取りや予定人数、場所や新郎新婦の希望を聞き出し、打ち合わせは終了となった。


「夏美、本当にありがとう!よろしくね〜」


「うん。じゃあ進捗あったらグループラインで送るから。本当にこの度はおめでとうございます」


夏美はよそゆきの笑顔で2人を送り出す。

心の中では「ちゃんと出来た」という安堵と、隣に座る幸太の存在が、なんだかテンションをおかしくさせていた。


「いやーまさか夏美ちゃんがいると思ってなかったから、本当びっくりした!」


2人が見えなくなると、幸太は表情を緩め話しかける。

胸がグッと締め付けられる。平常心平常心と思えば思うほど、なんだか手汗が吹きだすような気がする。


「本当に。お久しぶりです。その節は、予定作れずすみませんでした」


言った後に「私のバカ!」と心の中で叫ぶ。なぜあの時のことを自分から蒸し返すのか。夏美は気が動転しそうで、顔がどんどん熱くなるのを感じる。


「忙しいなら仕方ないっしょ!気にしないで。てか今日この後は予定ある?よかったらご飯でも行こうよ」


「え…ないですけど」


とっさに答えて、今日はカレーを作ろうと思っていたことを思い出す。


「じゃあ飲み行こう!幹事の親睦ってヤツで」


そう言うと幸太はスマホで店を検索し始める。

やばい…のかな。夏美はドキドキしながらその姿を眺め、とりあえず弘に今日は遅くなることを伝えるのだった。



NEXT ≫ 第40話:「結婚する予定は?」憧れの彼からの答えに、引き戻される恋心



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第34話:プロポーズして欲しかった!気づいた自分の中の期待を手放し、出した答え


第35話:一難去ってまた一難。憧れの彼から連絡が入り、女がその時決めたこと


第36話:新たな一歩を踏み出す2人。それは愛か?それとも偽りのモチベーションか?


第37話:再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと


第38話:これはピンチ?チャンス?流れた縁が再び私の手に戻るとき



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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