恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#38】これはピンチ?チャンス?流れた縁が再び私の手に戻るとき

  • 更新日:2019/03/19

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前回のあらすじ:借金を頑張って返そう。そう決めて頑張り、あっという間に1年たった。でも、あんなに夢見た1年後は、今夏美に再び不安の影を落としていた。 主な原因は、気づいたら減っているセックスの回数と、先日の誕生日に弘からプロポーズがなかったことが関係している。 期待しない。そう心に誓ったはずなのに、先が見えない不安が夏美を再び不安の海に突き落とす。その具体的な行動として、数ヶ月前から幸太と再び連絡を取り合い、またしても迷いを違う可能性として、考え始めていたのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第38話:これはピンチ?チャンス?流れた縁が再び私の手に戻るとき

ノロケ話というのは、できれば事前に「明日はノロケます」と聞き手に教えてほしいものだ。

聞くぞという気合もなく言葉を受け止めると、ときどき喉をつかえるほどの苦しさを覚えるから。


夏美は温くなったコーヒーを口につけ、熱を帯びた友人の話に、最低限の力で耳を傾ける。


「でね、あのサークルの集まりでさ……有名なカレーに行って…私ももういい年だったから……」


断片的に入る単語に、うんうんと失礼のない程度に相槌を打つ。

目の前に座る友人の話しを要約すると、あの1年ちょっと前、幸太と再会したサークルの同窓会をきっかけに、ある先輩と仲良くなり、付き合うことになったのだ。そしてこの度、結婚することが決まったとか。


(正直、めちゃくちゃ羨ましい。)


夏美は余裕そうな作り笑顔で「おめでとう〜」とだけ返すのが精一杯だ。


(私もあの時、幸太先輩とそういうことになっていれば、今頃結婚が決まっていたのかな)


考えないようにしていたタラレバが、夏美の腹の中から吹き出してくる。結局1年たって、幸太とは連絡こそときどき取るけど、もう一度間違うような空気は起こりそうにない。


(いや、起きなくていいんだけど。私には弘がいるし…)


「でね、夏美には幹事をお願いしたいと思ってるの!」


「え?」


思わぬ依頼に、夏美はぶっきらぼうに答えてしまう。

第38話

「だからね、私たちの結婚式の二次会幹事を、夏美にお願いしたいの。彼もサークルの誰かに声かけるって言ってたから。やりにくいって事はないと思うんだ」


「えー!そんな急に言われても……まあ良いけど別に」


「ホント!?やったー!」


思わず「こっちの気持ちも考えろ」という不満が声に乗ってしまった気がして、「別に良いけど」という承諾で無理やり打ち消してしまった。

やっちゃったなーと思いながら、「で、もうひとりの幹事って、誰なの?」と聞くと、スマホをいじりながらニヤニヤしている。


「もうひとりの幹事は幸太先輩だってさ。夏美よかったねえ」


「……え?」


ニヤニヤする友人の顔をみて、そう言えば幸太との事を全く話していなかったことを思い出す。


「あ、これから彼と幸太先輩も合流するって。よかったー打ち合わせの日程組み直さなくてすんじゃった」


「え?ウソ?マジ?」


急に顔が熱くなる。

これってピンチ?それともチャンス?

夏美は幸太とどんな顔をして会ったらいいのかわからない混乱と、ただただカラダが熱くなるのを感じていた。



NEXT ≫ 第39話:憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第33話:母親の小さな嫌味!模範回答を探していると、意外な彼からのアシストが


第34話:プロポーズして欲しかった!気づいた自分の中の期待を手放し、出した答え


第35話:一難去ってまた一難。憧れの彼から連絡が入り、女がその時決めたこと


第36話:新たな一歩を踏み出す2人。それは愛か?それとも偽りのモチベーションか?


第37話:再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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