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【小説#15】思い出の彼と今の彼!惹かれるのはどっち?

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:あの日以来、夏美は弘に借金のことを聞けないまま、悶々と妄想ばかりを膨らませていた。「お金のことがハッキリしない限り、結婚どころじゃないんじゃないか!」そう思うのに、自分から聞くこができず、ただ弘からの告白をなんとなく待つ日々が続いていた。 そんなある日、夏美は気分転換のため、大学時代のサークルの飲み会に参加する。ソワソワと席を見渡していると、そこに憧れの先輩・幸太が現れるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第15話:思い出の彼と今の彼!惹かれるのはどっち?

憧れというのは、いつだって手に入らなかった時間が、過去を美化していくと思う。


幸太が来ると、場がパッと明るくなる。

幸太が話すと、全員がそれをなんとなく聞いてしまう。

幸太が声をかけると、夏美はいつだって耳が少しだけ熱くなる。


「お、お久しぶりです!」


幸太の歓迎ムードが落ち着いた頃、夏美はさりげなく席を移動し、彼に声をかける。


「おお、夏美ちゃん、久しぶり!元気そうじゃん。変わらないね」


「元気ですよー。先輩こそ、働く男って感じですね!」


あははとお互い温度感を確かめ合うよう当たり障りのない言葉を交わすと、だんだん距離が学生時代に戻っていくような気がしてくる。


「俺ももういい年だし、太るし疲れるし、オッサンよ」


「そんなことないですよ!全然見た目変わってないし。私服なら大学生でもいけそうですよー」


「じゃあ、お互いさまってことにしよう!」


笑い合いながらも、夏美は自然と1つの質問を心の中にためていた。


(先輩、結婚したのかな?)


左手を見る限り結婚指輪はしていないし、携帯の待受は好きなサッカーチームのエンブレムだった。

風の噂では、卒業後もずっと同じ彼女と付き合っていたらしいけど。でも、結婚したという噂はどこからも聞こえてこない。

もしかして……。

夏美は自分の中で期待が高まり、少しだけ罪悪感を覚える。


バクバクバクバク。


(もうご結婚されたんですか?)

(彼女さん、お元気ですか?)

(先輩くらいいい男なら、さぞかしモテるでしょうね)


バクバクバクバク。


第15話

想定されるセリフを心の中で反芻するたび、心臓の鼓動が2倍くらい早くなる。平然とした顔で聞いてみようか。でも言葉が上手く出てこない。

なんとなく会話を流しながら考えていると、誰かが子どもの写真を出したのか、「へー!」という驚きと困惑の声が遠くから聞こえてくる。


「みんな大人ですね。当たり前だけど。私は仕事している以外、学生時代と何も変わってない」


「……俺もたいして変わってないよ」


「でも、ずっと付き合ってた彼女さん、いらっしゃいましたよね?」


「いたけど、ケッコー前に別れたよ。今は寂しい独身社畜」


夏美と幸太はぼんやり盛り上がる輪を眺めながら、チカラなく話していた。なんだかその脱力した一体感に、夏美はここ最近の緊張がほぐれるのを感じ、思わず幸太の表情を確認した。



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■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第10話:愛は信頼とバランス!言われて感じる「頑張る私を否定しないで」


第11話:家事をやらずに心配する彼は優しい男?


第12話:彼の秘密が発覚!そのとき浮かぶ彼への疑い


第13話:棚の中からさらに秘密が!「真実が知りたい」は誰を幸せにするのか


第14話:言い出しにくいお金の話!



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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