恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#4】結婚がしたい?彼と結婚がしたい?似ているようで全く違う女心の正解とは

  • 更新日:2019/03/19

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前回のあらすじ:結婚を全く意識してくれない彼に対し、いらだちと解決策を求め、夏美はネットの海を泳ぎ始める。そんなとき、ふと『恋愛サロン〜チュベローズ〜』に惹かれ、入会を決意することに。ありきたりな悩みだからこそ、プロに聞けば答えが出てくるのではないか。淡い期待に夏美の気持ちは、少し軽くなるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第4話:結婚がしたい?彼と結婚がしたい?似ているようで全く違う女心の正解とは

『あなたは“結婚”がしたいのですか?それとも、“彼と結婚”がしたいのですか?似ているようで全く違うものです。もう一度、心に問いかけてください。』


第4話

画面の文字を読む目に力が入りすぎて、思わずググっと眉間にシワが寄る。

チュベローズに入会してから数日後、待ち焦がれていた季子からの返事が書き込まれたが、回答は夏美が予想していたものと全く異なり、むしろ結婚に悩む気持ちを、バカにされている気さえした。


「彼と結婚がしたいに、決まってるじゃん!」


払ったお金や、数日間のワクワク、そして勇気を出して状況を赤裸々に書き込んだ自分にも腹が立ち、季子へさらに返信をする。

夏美がしたいのは、弘との結婚。それは間違いないはずだ。でも同時に、プロポーズや結婚式、そして結婚生活にも、熟して発酵しすぎた夢がつまっている自覚はある。


(もし弘がプロポーズを適当にすませたら…べつにまあそこは許せる)

(もし弘が結婚式を挙げないって言い出したら…それは困るけど、弘の性格なら、私の希望を最終的には飲んでくれると思う)

(もし結婚したら仕事をやめてくれとか、地方に住みたいとか言ってきたら…仕事はやめたくないけど、単身赴任は無理だな……)

(もし弘が仕事をやめたいって言ってきたら……)


1つ1つ、よくない未来を妄想するたび、結婚への決意が揺らいでいく。「でも弘のコトが好きなんでしょ?」と、心の中の自分が声を張り上げ、思わず「当たり前だよ!」と自分の脳内の声に返事をしてしまう。


その時、先程の投稿に対して、季子からの追加返信が届いたと通知が入る。恐る恐る開くと、そこには難しいような簡単なような、哲学めいた回答が書かれていた。


『彼と結婚がしたいなら、まずは心に「彼と結婚がしたい」という決意をすることです。恋人はあなたを写す鏡です。彼が行動を起こさないということは、あなたの心も、本当は定まっていないということの現れなのです』


「弘と結婚したいに決まってるじゃん!」


一瞬浮かんだ迷いとは裏腹に、反発心にも似た言葉が口から飛び出す。


そうだ。わたしは弘とちゃんと結婚して、ちゃんと仕事も頑張って、子どもも作り、協力しあいながら家族を作っていきたいんだ。もう実家に帰っても気まずい思いはしないで、子どもを中心に暖かい家族を作りたいんだ。

うんうんと自分を納得させるよううなずきながら、「私は弘と結婚がしたい」となぜか拳を握りながらつぶやく。


改めて何が状況を動かさなかったのか振り返ってみると、やっぱり自分の控え目な態度や、彼への思表示が足りなかったような気がしてくる。

うまく言えなかったのは、簡単にいえば、嫌われたり万が一断られるのが怖かったからだ。

やっぱり結婚は男が決意し、リードするのが一般的で自然な流れだと思うし、それをせっつくなんて、女としてのダサさもある気がして、なんかイヤだった。


そもそも、私が結婚をせっつくことで、彼は今後の未来に責任感を持たないんじゃないか。そうなったら、やっぱり弘のテンポに合わせて、我慢しておくのが正解だ。と、今までは思っていた。


「思ってたけど、大事なのは、まずはお互い本気で結婚に向き合う状況を整えることなんだ!」


頭の中を整理していくと、胸のあたりがカッと熱く震えるような、妙なガッツが湧き上がってくる。


「弘に、ぶつかっていかなくちゃ!」


右手をぐっと握り、強い結婚への闘志を燃やし始めていた。



NEXT ≫ 第5話:絶対結婚するんだ!料理を作り、一緒になりたいと伝えた結果は…



■恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~バックナンバー

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?


第2話:結婚したい!彼氏に匂わせたリアクションの結果は…


第3話:迷った時に読む恋愛コラム!それって意味あるの?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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