恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#15】女が不倫で静かに狂うときやること

  • 更新日:2019/03/19

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:朝の出勤前、哲也は遥の家に思わぬ置き土産をする。娘から没収したゲーム機だ。突然現れた娘という存在の痕跡に困惑するも、同時に遥の中には傲慢な妄想が広がっていた。哲也への苛立たしさは、状況を変えたい、主張したいという気持ちに変わっていき、遥はゲーム機のプレイ画面をスタートさせる。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第15話:女が不倫で静かに狂うときやること

哲也と会わない数日間、合間をみながら、遥は哲也を想い、そして娘のリカを勝手に想い、家におかれたリカのゲームを進めた。会ったこともない少女の喜びを想像し、そして少し困惑する愛しい人を脳裏に浮かべ、ゲームの中に自分の爪痕を残そうと試みる。


それが男にとって迷惑極まりなく、狂気じみている行為だという冷静さは、どこかに吹き飛んでいた。


妊娠検査は陽性だった場合を想定し、ゆっくり2人で話せる土曜の朝におこなうことにした。


子どもができた場合、なんと告白するかセリフまでパターン別に考え、計画に計画を重ねた結果、遥は検査キッドを2つも購入してしまった。


本当は数日計画を練ることで、その間に生理が来るかもしれないという淡い期待を抱いていたのだが、今のところあの親しみのある、憎い不快感は襲ってこない。

遥は自分が思う正解の行動を取らないでいると、今にも、わああああと叫び出しそうになる衝動を抑え、金曜日の穏やかな朝を迎えた。


1日中カラダが重く、頭の中では今夜のことばかりを想定し、数分に1回は時計を確認してしまう。どうしようもない自分の状態に気づくたび、遥は苦笑したり眉間にシワを寄せたり頭を抱えたりとリアクションを変え、自分の繊細さに驚愕するのだった。


そんな時、スマホが真紀からのメッセージを受信する。


『お疲れ!急なんだけど、今夜ってちょっと時間取れないかな?』


読み上げた瞬間「あるわけないじゃん!」と親友のデリカシーのなさにカッとなるが、真紀はこの状況を知らないのだと自分に言い聞かせ、冷静に断りのメールを返送する。


『彼氏と会うんだよね?それならなおさら、30分でいいから時間作ってよ』


真紀からすかさず、断られるのは想定内とばかりの返信が送られてくる。文面に書かれた“それならなおさら”という言い回しが、妙に引っかかる。


今真紀に会ってしまったら、抱えていた苦しみを吐露してしまうかもしれない。そうなったら、きっと彼女は遥を批判し、そして哲也のことも強く激しく批判するだろう。


クセである先読みを入念におこなってから、『じゃあ30分だけね』と返信する。


不安の芽はこの際全部取り除いて、今夜に臨みたい。

そんなふうに決意を固めながら、まるで真紀からよくない知らせを聞くことが確定しているみたいだなと思い、思わず笑ってしまうのだった。



NEXT ≫ 第16話:不倫相手の噓!? 告げられた絶望の真実は…




■恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~バックナンバー

第10話:これが本当の男の誠意?ケンカの元の処理方法


第11話:理想どおりのはずが…彼の疑惑行動の見抜き方


第12話:猫で孤独を癒やしても、結局ひとりぼっち


第13話:まさか私が不倫で妊娠?! 万が一が起きた時考えるべきこと


第14話:彼の不安な不倫関係!不安すぎてついに自分の痕跡を残し始める


  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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