恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#89】聞かれて頭が真っ白に…「彼が望む幸せ」ってどこまで知ってる?

  • 更新日:2019/06/19

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:マリッジブルーという言葉で片付けようと思っていても、夏美のカラダは日に日に結婚に対する抵抗感を見せていた。準備をしようと奮起しても、妙に眠たくなったり体調が悪くなったりして、取り掛かる元気がわかなかった。 気づくと夏美は、チュベローズにアクセスしていた『これからどうしていけば、私は幸せな結婚生活が送れますか?』書いていて順番の矛盾に笑いがでるが、そんな事言ってはいられない。 テレビではデキ婚を祝うニュースが流れてきて、自分も子どもが先にできてしまえばラクなのに……そんな妄想に取り憑かれ、さすがに我に返り、送信ボタンを押すのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第89話:聞かれて頭が真っ白に…「彼が望む幸せ」ってどこまで知ってる?

恋は自分本位。

愛は相手本位。

私のこの気持は、一体どっちなのか。


静まり返った部屋で、夏美はスマホを片手に行儀悪くご飯を食べている。

ご飯の味はしないのに、文章に集中する勇気がないから、しきりに片手で物を口に運ぼうとしている。

第89話

チュベローズからの返信は、その晩返ってきた。

弘がちょうどいない時でよかった。夏美はメッセージをひらいた瞬間、そう思う。動揺を隠せないし、なにより考える時間が必要そうな内容だったからだ。


『プロポーズおめでとうございます。幸せな結婚とおっしゃっていますが、幸せなパートナー関係を築くには、深い信頼と、相手の幸せを願い、与える姿勢が必要です』


ここまで読み進めたとき感じた印象は「ありきたりなアドバイス」だった。でもそこから先、自分事としてなぞらえると、急に心臓がバクバクしはじめる。


『あなたは彼に尽くしていたといいますが、それは彼が望んでいたから、したのでしょか?彼の幸せのためにしたことでしょうか?彼はどんな幸せを望み、どんな結婚生活を望んているか、聞いたことがありますか?本音で向き合い、関係を深めるっていうのは、そういう事なのです』


「弘の幸せ?」

言葉に出してみるとそれがなにかわからず、一瞬クラリとする。

のんびり暮らしたい?今の仕事を続けたい?それとも一体なんだろう。改めて問われると彼の幸せについて何も知らないし聞いたことがない自分に、若干の驚きと不安が湧く。

一方で自分の幸せについては、すぐに説明ができた。

安定した生活やいつか子どもを授かって、協力しながら育てて生活する未来。時期がきたら家を買って、子どもの成長を見守りながら…。

「あれ、これって本当に私が欲しい未来?」

ふと想像を膨らましていると、そんな言葉が口をつく。

私が欲しい未来を描いているはずなのに、なんだか実感がわかなくて、なんだかマニュアルに沿って“ぽいもの”を口にしているような気がしてくる。


自分の幸せも弘の幸せも、どっちも分かっていなかったんだな。

一旦もう一度、結婚したらどうするのか、2人の幸せは何なのか聞いてみよう。

そう思い、一旦はスマホを閉じ、食べかけの食事に集中するのだった。


NEXT ≫ 第90話:自分の幸せ、彼の幸せ、実は知らないことだらけ?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第84話:「結婚して幸せになりたい」気づいてしまった事実に、どう答えをだしたらいいのか


第85話:彼からの急なご飯の誘い、伝えられたのは想像とは違う現実


第86話:待ちわびたプロポーズに、反射的に答えられない心理とは…


第87話:「結婚することになった…でも」感じる不安はマリッジブルー?


第88話:プロポーズは嬉しいのに…日に日に不安が募る女の本心



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

この記事がいいと思ったら
いいね!しよう

Related関連記事

Pick Up編集部ピックアップ

Rankingランキング

#tag