ヘルスケア

「自然なお産がしたい」。自然派ママの病院選びは本当にリスクが高い?

女性を幸せにする本

出産するための病院をどこにするか、の決め方は人によって異なります。


「できるだけ近くの病院がいい」「一生に一度のことだから、落ち着けて綺麗な病院がいい」など、重視するポイントは様々です。中には、「できるだけ人の手が介入しない、自然なお産ができる場所がいい」という人もいます。


ただし、何事もナチュラルを好む自然派ママが求めがちな「自然なお産」は、リスクが高いと産婦人科医の宋美玄先生は指摘しています。今回は、宋先生著『学校では教えてくれないセックス ・妊娠・出産の話』を参照しながら、出産神話にとらわれず、できるだけ安全に出産する方法をご紹介していきます。


「自然なお産」のリスクとは?

「自然なお産がしたい」という女性の言う「自然なお産」とは、「できるだけ医療の手・人の手が介在しないお産」のことでしょう。たしかに、病院がなかったようなはるか昔には、医師や医療が介在することなくお産が行われていました。医療が介在しないことが生物として自然だ、と考える人がいることも、完全には否定できません。ですが、「自然なお産」を望むことは、大きなリスクが付きまといます。


医療らしい医療のなかった、明治初期の日本における母体死亡率は10万人あたり400〜450人でした。現在のアフリカにおける母体死亡率は10万人あたり400〜600人です。これが医療の介入が全くない「自然な」お産のリスクです。これらの数字ではピンとこないかもしれませんが、現在の日本の母体死亡率はおよそ10万人あたり5人ですから、医療の介入により全くの「自然」と比べて、お産が100倍安全になっているということが分かります。(P.167-168)


「昔の女性は、医療の介入なしに生んでいたのだから、自然が一番」という精神論で、自宅など、いざというときに医療の介入が即可能になるシステムが整っていない場所で出産してしまっては、命を失うリスクがグッと上がってしまいます。


出産は、「自然が一番」ではなく「安全が一番」

出産

出産を神聖なものと考え、外部の介入を拒む気持ちを持つのは自由ですが、やはり、出産においてもっとも大切なことは、「自然に」産むことではなく、「できるだけ安全に」産める選択をすることでしょう。


できるだけ安全に出産をするためには、「出血が多ければすぐに輸血が手配できる施設、もしくはそういう施設に迅速に搬送してもらえる施設を選ぶ」「産科医がいる病院を選ぶ」必要があると本書では主張されています。


一人ひとりの妊婦さんにできることは、最低でも産科医がいる施設でお産するということです。私は、産科医のいない施設や自宅での出産はおすすめしません。もしそのような出産を望まれるなら、何かあった時に、産科医のいる産院と同じような医療が迅速に受けられず、自分や赤ちゃんを危険にさらすということを、あらかじめよくわかっておきましょう。「自分は大丈夫だろう」などと安易に考えてはいけません。(P.179-180)


妊娠・出産は根性で乗り切る?帝王切開での出産は甘え?

出産

妊娠・出産には様々な神話があります。「お腹を痛めた子でないと愛情が持てない。無痛分娩なんてもってのほか」「帝王切開は陣痛がないから楽」など、事実と異なる神話が巷にはあふれていて、偽情報に苦しめられている妊婦さんも少なくありません。


そういった情報にふりまわされない&無意識のうちに他人をふりまわさないためには、「妊娠・出産の際の選択・体調はひとによって違うものであり、根性論では乗り切れない」ことをしっかり認識しておく必要があるでしょう。


妊婦さんが母親や姑に「私の時はつわりで苦しんでいる暇がなかったから、気合いで乗り切ったわ」とか「帝王切開でお産するなんて甘えているのよ。私も難産だったけど根性で下から産んだわ」などと言われるケースも珍しくありません。また職場などで「私は妊娠10ヶ月に入るまで一度も休んだことはなかったわ。体調が悪いから休みたいなんていったことないわよ」という驚くべき女性上司も実際にいるのです。妊娠は一つひとつ違いますから、根性論で片付けられるものではありませんよね。一度や二度、妊娠出産を経験したからといって、そのすべてがわかるわけではありません。思い込みで他人を傷つけないよう気をつけてください。(P.207)


さいごに。安全なお産のために、周囲の言葉に惑わされすぎないようにしよう

出産

「自然なお産」を求めて、産科医のいない場所で出産をしようとすると、命を落とす危険性が高まるという大きなリスクにさらされます。出産する場所を選ぶ場合には、「安全に産めるか」を最重要視する必要がありそうです。


また、先輩ママさんたちからのアドバイスは、いくらあなたのためを思って発せられたものであっても、的外れな場合が多々あることも知っておくべきでしょう。「私のときは、こうだったよ」という意見をすべて間に受けていては身が持ちませんから、自分の体調とかかりつけの医師としっかり相談しながら、できるだけ安全なお産ができる選択を行っていきましょう。



今回ご紹介した本

『学校では教えてくれないセックス ・妊娠・出産の話:女医が教える後悔しないために知っておきたい11の事』

著者:宋美玄

出版社:光文社




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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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