膀胱炎

膀胱炎、なぜ女性に多い?なりやすい人の傾向と対策

  • 更新日:2020/04/20

女性が膀胱炎になりやすい理由は?

トイレが近い、排尿時に痛みがあるなど、膀胱炎の症状は不快ですね。泌尿器科を受診する女性の病気のトップが膀胱炎です。


女性に膀胱炎が多いのは、体の構造と深く関係しています。

女性の場合、尿道が男性に比べて短く、直線的。ですから、膀胱に細菌が侵入しやすく、肛門と尿道口が近いことも、膀胱炎になりやすい原因です。

男性の尿道は、平均15~17cmですが、女性の場合はわずか3~5㎝しかないのです。


いちばん多いのは急性膀胱炎

膀胱炎で多いのは、細菌の感染から起こる「急性膀胱炎」です。

原因になるのは、大腸菌が圧倒的に多く、そのほか、腸球菌やブドウ球菌など、ごくありふれた細菌がほとんどです。

こうした細菌が、尿の出口(尿道口)から侵入して膀胱に入り、炎症を起こすのです。


膀胱は、感染を防御する力も備わっています。ですから、多少の菌が侵入したくらいでは、そう簡単には感染を起こさないように防御反応が働くようになっています。

けれども、疲れがたまったり、風邪をひいたり、寝不足が続いたりすると、一時的に抵抗力が落ちて、膀胱炎になりやすくなるのです。


20代、30代の女性は、体力もあって、病気にもなりにくい年代ですが、膀胱炎はこうした若い女性にも多い病気。その理由のひとつには、性行為から細菌感染が起こるためです。

また、女性は忙しい時間帯は、ついトイレを我慢してしまう傾向があります。こうした我慢も、膀胱の中で菌を繁殖させ、膀胱炎を起こす原因になってしまいます。


膀胱炎を繰り返すのはなぜ?

「治ったと思ったら、すぐにまた膀胱炎になる」「疲れると膀胱炎の症状が出てしまう」…こんな女性からの相談がよくあります。


膀胱炎は、何回も繰り返していると、簡単に再発しやすくなります。急性膀胱炎の原因の細菌は、そのほとんどが、常に体にいる常在菌です。そのため、ちょっとした体力の低下やトイレを我慢するクセ、水分をとらない習慣など、日常生活の習慣が繰り返しやすい原因をつくっています。

繰り返す膀胱炎を防ぐためにも、日常生活の注意がとても大切。


また、膀胱炎を繰り返す場合、若い女性の場合はセックスが原因の場合もあります。性交後には、排尿し、局所を洗浄して清潔に保つことが大切です。


また、性交後だけでなく、生理時も、外陰部をきれいに洗って清潔にしましょう。排便後は、後ろから前に向かって拭くと、尿道に細菌感染が起こりやすいので、膀胱炎になりやすい人は、前から後ろに拭くよう心がけて。


水分はたっぷり摂って尿をたくさん出す

膀胱炎のときは、排尿時の痛みがつらいので、水分を控えてしまいがち。でも、尿がたくさん膀胱にたまるほど、痛みもやわらぎます。水分を控えるほど、痛みは強くなります。

また、ふだんから尿をたくさん出すことは、菌を洗い流して膀胱炎を予防するためにも大切な心掛けです。1日1~1.5リットルぐらいの水分補給を目安にしましょう。


トイレに行きたくなったら、できるだけ我慢しないようにしましょう。それが、膀胱での雑菌の繁殖を防ぐことになるのです。


疲れをためないように気をつけて

風邪をひく、疲れる、睡眠不足などがあると、膀胱炎を起こしやすくなります。膀胱炎は休めという体からのサインです。休養を常に心がけましょう。


膀胱炎は、病院で治療して、日常生活を注意することで、ほとんどが治ります。安静にする必要はなく、疲れがたまっていなければスポーツをしたり、仕事も特に制限はありません。

 

けれども、それでも治らない場合は、何か別の病気が潜んでいる可能性があります。

膀胱がんや尿路結石、糖尿病による免疫力の低下などが原因で起きている膀胱炎は、原因になっている病気を治す必要があります。

あるいは、性感染症が膀胱炎症状を起こしている場合もあります。ですから、きちんと病院で検査を受けことが必要です。


間質性膀胱炎(膀胱部痛症候群)って知っていますか?

間質性膀胱炎は、細菌性の膀胱炎でなく、今増えている膀胱炎です。

原因はよくわかっておらず、なんらかの原因で、膀胱の粘膜の障害が起こり、尿に含まれた刺激物質が膀胱粘膜下の間質に侵入し、炎症を起こし、刺激感や痛みを起こす病気です。


頻尿と強い下腹部痛・下腹部違和感が、同時に起こりますが、尿路系のがんや、明らかな良性の原因がない病気です。

最近では国際的に、間質性膀胱炎よりも「膀胱痛症候群」という呼び方をされるようになっています。

また、膀胱痛症候群を含む概念に、「慢性骨盤部痛症候群」というのもあります。慢性骨盤痛症候群とは、悪性の病気や明らかな感染がないにもかかわらず、下腹部に痛みがある病気での総称。

この中には、間質性膀胱炎、重症の月経時痛、子宮内膜症関連痛、外陰部痛、過敏性腸症候群などが含まれます。


これらの病気は、それぞれ泌尿器科、婦人科、内科・外科などで別々に治療されていたのですが、それぞれの合併率はとても高く、相互に関係し合っていることがわかってきました。欧米では、より総合的に治療しようという動きが出てきています。

日本では、おもに女性泌尿器科がこの病気に詳しいです。


間質性膀胱炎などは、なるべく軽いうちに治療することが大事

間質性膀胱炎を含む慢性骨盤部痛症候群は、なるべく初期の痛みの軽いうちに、治療を開始したほうが治りやすいことがわかっています。

痛みは、それを感じている期間が長いほど、その大きさが大きいほど、脳の視床下部というところに悪影響を及ぼし、だんだん短い小さな刺激も、長く大きく感じるようになります。痛みに対する知覚過敏が起こります。そのためには、早期に内服治療を開始することが必要です。


内服薬、膀胱内注入薬、電気・磁気刺激療法(鍼灸マッサージ療法)、膀胱水圧拡張療法、漢方療法などで治療します。


ストレス解消と食事にも注意

また、間質性膀胱炎を含む慢性骨盤部痛症候群などは、日常生活でのストレス解消もとても重要。

たとえば、定期的に鍼灸やマッサージを受けてリラックスしたり、温泉や銭湯に行ってゆっくり入浴し、温めて痛みを緩和すれば、骨盤内の不快感がかなり解消できます。


慢性骨盤部痛症候群の原因のひとつに食事があります。

痛いときに、食べたり飲んだりするのを避けたほうがよい食事は、だいたいわかってきています。代表的なものは、アルコール、カフェイン、柑橘系の果物やジュース、トマトとトマト料理、チョコレートやナッツ類などです。

痛いときは控えるように心がけましょう。



  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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