女性にやさしい漢方の基礎知識

  • 更新日:2016/05/20
増田美加先生

漢方は女性の不調改善が得意分野です!

今回は漢方の話題です。


忙しく、ストレスの多い現代を生きている私たち女性は、自分でも気づかないうちに疲れが溜まって、体や心、肌に不調を感じることも多いですね。生理周期によって起こる女性ホルモンの波に絶えず影響されて、冷え、むくみ、イライラ、肌が荒れなど…。


女性ホルモンバランスの変化によって左右される体調コントロールの難しさに、悩みますよね。


漢方は、そんな現代女性の不調改善を得意とする医療です。日本における漢方医学は、その昔、中国から伝わった伝統医学がルーツですが、中国のものとは違うんです。日本の風土や日本人の体質に合うように改良され、長い年月をかけて効果や安全性が確かめられた「日本独自の医療」なんです。


西洋医学は、原因がはっきりしている病気への治療が得意。漢方は、西洋医学では病気とは見なされないような不調対策が得意です。


西洋医学では、同じ病名なら同じ薬や治療が行われますが、漢方医学ではひとりひとりの「証」(体質やタイプ)や症状を診断して漢方薬を処方します。そのため同じ症状でも人によって違う漢方薬が処方されることがよくあります。ですから、医師に正しく診断してもらうことが大切なんです。


漢方で体質をみるオリジナルのものさしが「証」と「気・血・水」です。病気や症状だけでなく、体質を重んじて漢方薬は処方されます。


虚証・中間証・実証って知っていますか?

漢方で、「証」は体質や体力、病気に対する抵抗力を表しています。


「虚証」(きょしょう):体力がなくやせ型、または水太り。筋肉が弱く、顔が青白くハリがない。胃腸が弱く下痢をしやすい。寒がり。


「中間証」(ちゅうかんしょう):虚証と実証の中間のタイプ。


「実証」(じっしょう):体力がある。ガッチリしていて筋肉質。顔色がよく艶がある。暑がりで、胃腸が強く便秘気味。声が大きい。


気・血・水って知っていますか?

漢方では、虚、実のほかに、気と血と水の3要素で体の要素ができていると考えます。


「気」:「元気」「気力」「気持ち」の気。気の不調には、「気虚」(ききょ)無気力やだるさなど。「気滞」(きたい)頭重、息苦しさなど。「気逆」(きぎゃく)のぼせ、動悸などがある。


「血」:全身を巡って栄養を与える主に血液のこと。血の不調には「瘀血」(おけつ)月経の異常、肩こり、便秘など。「血虚」(けっきょ)貧血、肌の乾燥などがある。


「水」:血液以外の体液。水分代謝や免疫システムにかかわる。水の不調は「水毒」(すいどく)「水滞」(すいたい)でむくみ、めまい、頭痛、下痢、排尿異常などがある。


さて、あなたは「虚証」でしょうか? 「実証」でしょうか? 「気・血・水」のうち、どのタイプでしょうか?


医師処方の漢方薬は健康保険が使えるんです

漢方薬を処方する医師は、「虚・実」「気・血・水」を診断して漢方薬を処方してくれます。


漢方薬は、月経に伴って起こる不調やアレルギーなどの体質的なもの、メンタルや皮膚の症状にも効果があります。たとえば、冷え症、肩こり、ニキビや吹き出物、生理痛、便秘、むくみ、不眠などにも効果的です。未病の段階の不調も改善してくれます。


漢方薬は「高い!」というイメージがある人もいるようですが、基本的に医師の処方による医療用漢方薬は、健康保険が適用される場合がほとんどです。80%以上の医師が漢方薬を処方していますので、「漢方薬で治したいのですが?」と先生に聞いてみてください。


漢方薬はゆっくりと時間をかけて効くものという印象がありますが、風邪などの急性の病気に対しては速効性があります。数時間~数日で効く場合もあります。慢性の症状や病気でも2週間から1か月くらいで徐々に効いてきます。2~3か月続ければ、効果を実感できますので、興味のある方は試してみてくださいね。

  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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