高血圧

40歳以降、女性は高血圧が急増!50歳以降では半数以上の女性が高血圧に!

  • 更新日:2020/10/04

 若いころは、低血圧でふらついていた女性でも、40歳以降になると高血圧になる人が急増します。そして、50歳以降では、50%以上の女性が高血圧になると言われているのです。高血圧が怖いのは、心疾患や脳卒中のリスクが増加することです。更年期になったら、今すぐ血圧ケアを行うことが大事。今日からできる血圧ケアをお伝えします。


こんな人は要注意! 高血圧になるリスクが高いのはこんな人

医療チェック

 以下のチェックリストを行ってみてください。あてはまる項目が多いほど、高血圧になるリスクが高い人です。


□父親・母親・姉妹に高血圧の人がいる。

□妊娠時に、高血圧や尿タンパクを指摘された。

□煙草を吸っている。

□太っている。

□血糖やコレステロールが高い。

□尿タンパクを指摘されている。

□血清クレアチニンが高い。

□塩辛いものが好き。

□大食漢である。

□睡眠時間が短い。

□熟睡感がない。

□ストレスを感じている。

□閉経(50歳)前後の年齢である。

□ホットフラッシュ(ほてり、多汗)、冷え症、肩こりなどの更年期症状がつらい。


低血圧だった女性でも40歳を過ぎたら、高血圧が急増します

 更年期以降に血圧が上がる原因は、さまざまあります。なかでも、更年期に高血圧になる原因として見逃せないのは、女性ホルモンのエストロゲンの低下です。


 エストロゲンは、血管を拡張して、血圧を下げる働きがあります。更年期になると、エストロゲンが低下するために、高血圧になりやすいのです。


 エストロゲンの低下は、血圧への影響だけにとどまりません。脂質異常症や骨粗鬆症の原因にもなります。

これらの病気は、動脈硬化と関連するので、高血圧を助長することに繋がります。


 血圧が高いと、なぜよくないのでしょうか? それは、血管障害を起こすからです。血管が血液を送っている臓器、すなわち脳、心臓、腎臓が障害を受けることになるのです。

 有名なのは、心筋梗塞や脳卒中ですが、解離性動脈瘤の原因にもなります。また、認知症の発症とも関連することがわかってきました。


高血圧のガイドラインが変更に!

高血圧のガイドライン

 2019年、日本高血圧学会のガイドラインの目標血圧が、従来の140/90mmHgから130/80mmHgに引き下げられました。血圧の指導や治療が必要になる範囲が広がったのです。

 しかし、治療が必要になる高血圧の基準値は、従来の140/90mmHgと変わっていません。

変わったのは、合併症のない75歳未満の人が目標とすべき血圧を130/80mmHg未満にするというところです。


 つまり、早い段階から、生活習慣の改善を重視して130/80mmHg未満に積極的に血圧を下げることを目指す、という欧米の新ガイドラインと同様の方針になりました。

高リスクの人以外は、すぐに薬物療法は行わず、あくまで生活習慣の改善が基本です。


更年期障害の症状をコントロールすることが血圧のためにも大切

 更年期の今から行える高血圧の予防的ケアとしては、まず、更年期の症状をうまくコントロールすることが大切と言われています。

 更年期障害がある人は、ホルモン補充療法(HRT)で治療するのも有効だと思います。

 あとは、禁煙です。煙草は、動脈硬化を進め、血圧を上昇させます。

 また、健康診断で血糖値、コレステロール値、血清クレアチニンのいずれかが高い人、尿たんぱくがある人は、運動や食生活の改善をお薦めします。


 塩辛いもの好きの人は、体内にナトリウムが溜まるため血圧が上昇します。減塩も大切です。

 ストレス対策や睡眠も重要です。マインドフルネス(瞑想)などをとり入れてみるのもいいと思います。


運動で筋力を落とさないことが、血圧にも病気予防にも有効!

中年女性運動

 血圧管理にとどまらず、更年期以降の病気を予防するには、生活習慣の中でも、運動習慣を身につけることが非常に重要です。

 ダイエットや糖質制限は、体重を落とすには即効性がありますが、大事な筋力も落としてしまいます。


 食習慣の改善をしつつも、定期的な運動をすることは、将来のさまざまな病気リスクを低下させます。

運動は、肥満対策にも、塩分低下にも繋がり、睡眠の質も上げ、高血圧の予防にもいいことばかりです。


140/80mmHg未満なら薬ではなく、生活習慣の改善が基本

 ガイドラインには、正常高値血圧(120/80mmHg)の人から、高血圧(140/80mmHg)の人まで、高リスクでなければ、いずれも非薬物療法を強化することが大切、となっています。つまり、薬を使わないで、生活習慣を修正することが、初期治療の基本としてあげられているのです。


 病院で数か月後ごとに再評価をしつつ、十分な血圧低下(降圧)が見られない人に限り、薬物療法を開始するというのがガイドラインの方針です。


 140/90mmHg以上の高血圧で、リスクが高い人の治療は、薬物療法が行われますが、薬を飲んでいても運動は大事と言われています。

 薬だけに頼らず、生活習慣を改善して、運動をすることです。薬だけに頼らないで、生活習慣の改善もあわせて行いましょう。


高血圧の人は、閉経後に心臓や脳血管の病気の頻度が増えてきます

脳

 女性は、エストロゲンのおかげで、閉経までは、心疾患も脳血管疾患も少なく抑えられています。しかし、閉経後は、リスクが上がります。心臓や脳血管の病気予防には、血圧管理が重要です。


 そのための食事の改善も、運動の習慣も、一生できることを探すことが大切です。更年期に、運動習慣を身につけておくことは、人生100年の大きな財産です。


 寝たきりにならず、元気に100歳を迎えるために、更年期以降は、より一層、健康リテラシーを上げることが大事です。

 知識を得て、総合的に自分の体と向き合いましょう。食事の改善も、運動習慣も、一生続けられることを取り入れなければ、必ずリバウンドします。

 更年期は、行動変容に最適な年代ですね。


参考文献

2019年改訂「日本高血圧学会ガイドライン」

▼バックナンバー

・血糖値が上がるとなぜ危険? 更年期こそターニングポイントに!


・太りやすい更年期。メタボはさまざまな生活習慣病に! どう予防すれば?


・骨盤底の筋肉は、女性の一生の財産に。そのわけは?


・今までと同じはNG。更年期は食事の見直しが大切です


・更年期のメンタルの治療で使う薬の不安。どんな薬? 副作用は?



▼更年期についてもっと知る

・更年期のはじまりのサインとは? 症状から見る“更年期指数チェック”

・更年期症状で受診したら、婦人科ではどんな検査をする?

・疲れがとれず、すぐにだるくなる…更年期特有の疲れにどう対処する!?

・更年期のメンタルの治療で使う薬の不安。どんな薬? 副作用は?


▼更年期障害の治療ってどんなもの?

・更年期治療のホルモン補充療法、いくらかかる? どのくらい続ける? 気になる質問に答えます!

・更年期障害は治療できる! ファーストチョイスとなるホルモン補充療法(HRT)とは?

・【更年期】ホルモン補充療法(HRT)の思わぬメリットとは!?

・更年期障害の治療のファーストチョイス。気になるホルモン補充療法の副作用は?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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