咳き込み

むせる、咳き込むは、肺炎リスクを上げる!?

  • 更新日:2020/06/07

 のどの衰えは、気づかないうちにやってきます。肌や血管が老化するのと同様に、のども加齢とともに衰えます。のどの衰えは、肺炎のリスクを上げます。食事や飲み物でむせ始めたら、要注意のサインです。


飲み込む回数でのど年齢がわかる!

水を飲む女性

 水をひと口含み、口の中を湿らせて、人差し指をのど仏の少し上に当て、30秒間に何回唾液を飲みこめるか、やってみませんか?


 回数が多いほどのど年齢が若く、10回以上の人は、のど年齢が20代です。


10回以上 のど年齢20代

9回   のど年齢30代

8回   のど年齢40代

7回   のど年齢50代

6回   のど年齢60代

5回   のど年齢70代

4回以下 のど年齢80代以上


 加齢やのどに悪い生活習慣をしていると、より飲み込める回数が減ります。喫煙、脂肪の多い食事、アルコール、野菜嫌い、会話する頻度が少ない、いびきや無呼吸があると、のどにダメージをあたえます。

 誤嚥性肺炎のリスクは、5回以下で高くなります。


参考文献

『長生きしたければのどを鍛えなさい』大谷義夫著(SBクリエイティブ)


誤嚥(ごえん)とは、食べ物や唾液が気管に入ってしまう

のど力の低下は、若くても起こりますが、40代から始まる人が多いと言われています。たとえば、食事でむせる、咳き込む、咳払いが増えた、声がかすれてきた…などは、のど力の低下が始まっている可能性があります。


 のど力の低下は、健康にどのような影響を与えるのでしょうか? 


 のど力が低下すると、気づかないうちに誤嚥を起こします。誤嚥とは、通常なら食道へ送り込まれるはずの食物や唾液などが、誤って咽頭、気管に入ってしまう状態です。


 誤嚥性肺炎(誤嚥によって気管に入ったものを排出することができず、結果として肺炎を起こしてしまう)のリスクが高まることが問題です。


 誤嚥は食べ物よりも、むしろ自分の唾液の誤嚥のほうがはるかに多く、危険です。


寝ている間の誤嚥は、唾液に含まれた細菌やウイルスで肺炎に

眠る女性

 飲食物は、むせるなどの反射が起こりやすいのですが、唾液は就寝中にも気管に侵入します。


 特に唾液量が減少し、口が乾きやすく、唾液に雑菌が増える年齢になると、口腔内をきれいにする免疫物質が減るので、口腔内細菌を処理しづらくなります。

 寝ている間、気づかないうちに細菌の混じった唾液の誤嚥をくり返しているのです。


 最初は症状が軽くても、これを繰り返すうちに、細菌やウイルス感染によって重症化し、誤嚥性肺炎へと繋がります。

 むせやすくなるのは、40歳ころから。肺炎など呼吸器の病気を発症しやすくなります。


 誤嚥性肺炎を防ぐには、肺炎球菌ワクチンの接種が大切です。


 それから、口腔ケアも大事。歯磨きやフロスを頻繁にして、口腔内細菌を減らすことは重要です。細菌が減れば、唾液を誤嚥しても、肺炎は起こりにくくなると言われています。


飲み込む力を高めるには?

女性ののど

 口腔ケアをしたうえで、行いたいのは、のどを鍛えて強くするための3つのポイントです。

①唾液量を増やしてのどをうるおす 

②のどの筋肉を鍛えて飲み込む力を高める 

③せき反射がスムーズに起こるようにする


 風邪やインフルエンザは、のどを痛めるだけでなく、そこから肺炎を引き起こすこともあります。

 のどの線毛の動きを良くするために、マスクで乾燥を防ぐことは、のどのためにも大事です。マスクは、新型コロナ予防だけでなく、のどのためにもいいのです。


のど筋を高める体操

のどの筋力を高め、飲み込む力を高める体操があります。


 あごの下(舌下線あたり)に両手の親指をおき、あごは下に下げ、親指はアゴを押し戻すようにしながら、口を横に大きく開き、奥歯を食いしばるように力を入れ、「イィー」と10秒くらい声を出します。


 また、舌だし体操で、のどの筋肉を鍛える方法もあります。口を大きく開いて舌を出したり引っ込めたり、左右に大きく動かすなどを2~3回繰り返す体操です。


 さらに、大切なのは動脈硬化の予防です。動脈硬化の予防は、心臓病だけでなく、肺炎予防にもなります。

 禁煙、高血圧、糖尿病、コレステロール、無呼吸症候群などに気をつける生活習慣が大切です。

 高血圧や動脈硬化があると、脳内の毛細血管が詰まる“ラクナ梗塞”が起こり、嚥下機能と咳反射が低下します。すると、誤嚥性肺炎も多くなることがわかっています。


▼バックナンバー

・ウイルスや細菌などの感染症リスクが上がる“唾液力”の低下とは?


・湿疹がかゆくて我慢できずさらに悪化する、アトピー性皮膚炎に悩む人に改善の方向が


・歯の黄ばみ。ホワイトニングの効果を上げる方法とは!


・かぶれるのは、皮脂分泌が過剰になることが原因!?


・トイレが近い、つい漏れてしまう…1日8回以上、トイレに行っていませんか?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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