
エストロゲンの減少で、目のうるおいが低下。ドライアイや目疲れ、老眼も更年期に進む!
- 更新日:2019/11/17
- 公開日:2019/11/17
「ドライアイ? 老眼?」更年期になって感じるのは、目が疲れて、涙が出る、痛い、目が乾くといった症状。そのうち、目がかすむ、チカチカする、ショボショボする、ゴロゴロする、まぶしくてつらいなどの症状が出てきます。これも更年期になって女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少することで起こります。では、どうしたら? 賢い対処法でこの先の目の不調を軽減しましょう。
目の乾燥の原因は、環境+加齢+エストロゲンの低下

目の表面は、涙によって潤され、保護されています。涙の量が減り、涙の成分が変化して目の表面を覆っている涙の膜が少なくなり、目の表面の粘膜が乾燥した状態がドライアイです。
肌のトラブルにたとえると、まさに目の肌荒れ状態。
そうでなくても、パソコンやスマホ、テレビなど目を酷使することが増え、それにオフィスの乾燥やコンタクトレンズによる負担やストレス、睡眠不足などが加わって、ドライアイの人が増えています。
さらに、更年期は、エストロゲンの分泌の低下で、肌の潤いが不足してくるのと同様、目の潤いも不足します。
加齢によって、目の粘膜が弱まることも、ドライアイに関係しています。ドライアイになると、目の不快感や痛みなど、さまざまな症状が現れ、ひどくなると目を開けていることさえ、つらくなります。
老眼は、水晶体の弾力が失われるから

眼鏡の度は合っているはずなのに、スマホやパソコンを見たりすると、疲れてしかたがないなどの症状が出てきます。さらに進むと、焦点がどこに合うのかわからなくなってきます。近くのものに焦点を合わせようとすると、時間がかかってピントが合いにくいなどです。
目が疲れやすく、文字が見えにくくなったら、老眼の始まり。40歳を過ぎるころから始まる目の老化です。
老眼は、近くを見るときにピント合わせるための水晶体が老化によって、弾力を失い、調節力が衰えて起こるものです。
夕方薄暗くなると近くが見えにくくなってきて、老眼の始まりに気づく人も多いようです。
40代前半では疲れ目が続いて、以前に比べて近くのものが見えにくいといった程度ですが、45歳ころからは目の老化がさらに進んで、小さな文字がだんだん読めなくなってきます。こうなると目のためにも老眼鏡は、必ず必要です。
水晶体に含まれるコラーゲンも、エストロゲンが関係!
老眼のほか、まぶしい、目がかすむ、明るいところで見えにくいと感じているうちに、視力が落ちてくるのが白内障です。白内障は、水晶体がにごって、視力が低下する病気です。
老眼や白内障の原因となる水晶体は、コラーゲンなどが含まれてきています。このコラーゲンの生成には、女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが大きく関係しているのです。
エストロゲンが低下すると、コラーゲンが減っています。そのため、女性ホルモンが低下すると、目が疲れやすくなったり、かすんで見えにくくなったり、ピントが合いにくくなります。これも更年期だからなのです。
更年期が原因でなく、こんな病気が原因のことも

ドライアイの原因には、シェーグレン症候群や関節リウマチ、糖尿病など、内科的な病気が隠れていることが少なくありません。
また、アレルギー性結膜炎でも、ドライアイを併発します。これまでとの違和感を感じたら、「更年期だから…」と自己判断せず、眼科を受診して原因をチェックしてもらいましょう。
また、注意したいのは、40歳からは緑内障が増えてきます。40代になったら、定期的に眼科を受診して、視力検査や緑内障の検査を受けることが大事です。
頭痛や肩こりは更年期でなく、老眼が原因のことも!

更年期世代で、ドライアイや目の疲れを感じたら、眼科で眼科検診を受けて、遠近両用など、適正なメガネをかけましょう。
もしかしたら、つらい頭痛や肩こりは、老眼が原因のこともあります。まだ老眼鏡は必要ないと無理をしていると、肩こり、頭痛がひどくなってきます。文字が見えづらいために無理な姿勢をとっていることもあります。
目の調節が合わないまま、近くを見る作業を続けていると、目や体に疲れが溜まり、疲労感もたまります。
更年期の症状だと思っていたら、頭痛や肩こり、もしかしたら疲れも、老眼が原因で起こっているのかもしれません。
美容のためにも、適正なメガネをかけることが大事です!

遠近両用メガネのほかにも、中距離と近距離だけに絞った中近両用、遠距離と中距離に絞った遠中両用などの組み合わせもできます。
とくに、デスクワークで書類を見たり、パソコン作業をすることが多い人は、中近両用メガネを使うと目が疲れにくくなります。
単焦点レンズの老眼鏡だと、メガネをつけたり外したりしなくてはならないため、目が疲れ、ドライアイが起こりやすくなります。ある程度、老眼が進んできたら、遠近両用などの多焦点レンズにしたほうがいいと言われています。
コンタクトレンズに慣れている人は、遠近両用などのコンタクトレンズもありますので、試してみてもいいでしょう。
これまで視力に自信があった人ほど、老眼鏡を書けることに抵抗があります。美容上の理由から、メガネをかけたくない気持ちもわかります。
でも、裸眼で近くを見ようとすると、目を細めたり、眉間にシワを寄せたりします。無意識に行っているこうしたクセや表情が、眉間の表情ジワの原因にも。それに、顔をしかめて、ものを見る姿は、決して魅力的とは言えません。
メガネ選びをファッションとして楽しんで

メガネをかけて、レストランのメニューなどをスマートに見たほうが魅力的。おしゃれなメガネもさまざまありますので、ファッションのひとつとして取り入れてみましょう。自分のニーズに合わせて、メガネをつくることをおすすめします。
老眼は、60歳ころまで比較的早く進歩します。だいたい2~3年でレンズの度数が変わるので、何度かレンズを変える必要があります。
使っている老眼鏡が見えにくくなったら、目のためにも我慢せず、検査をして新しい老眼鏡に変えましょう。老眼は60歳を過ぎると、度の進み方も遅くなり、70歳くらいでほとんど進まなくなります。
ドライアイの眼科での治療は

眼科でのドライアイの治療は、防腐剤を含まない人口涙液やヒアルロン酸ナトリウム点眼薬、就寝前の眼軟膏などが処方されることが多いです。
それでも改善しない場合や重症のドライアイでは、排出口の涙点にプラグを入れて涙が鼻のほうへ流れないようにして目を潤す治療法も行われています。
目が渇かないよう、加湿が大事!
乾燥している季節は、加湿器を使って部屋の湿度を上げましょう。室内に洗濯物干したり、オフィスではコップ一杯の水をデスクに置くだけでも乾燥度が違います。
エアコンの風の向きにも注意します。室内にいるときや車の中は、エアコンの風が直接顔に当たらないように調整しましょう。
入浴でゆっくり湯舟に温まるのも、目のためにもオススメです。日常生活での保湿は思っている以上に対策になります。
また、パソコン画面を見るときに、目線が上向きになると、目を大きく見開くため目が乾きやすくなります。目線が下になるように、椅子やデスクの高さを工夫します。
パソコンやスマホを見ているときは、まばたきが減るので、目が渇きやすくなります。意識的にまばたきをして目を潤しましょう。
目を休めること&目の体操も!

デスクワークやスマホ、本を読むときなどは、老眼鏡をかけましょう。見やすい環境作ることで、3秒に1回程度の自然のまばたきが行いやすくなります。
こまめに休憩を入れて、目を休ませることも大切です。夜、ホットタオルを目に当てて温めてもいいでしょう。
目の体操で目の筋肉を使いましょう。
眼球を上下左右に動かしたり、回したりして、目の周りの筋肉を使う体操です。まぶたを閉じたり開けたりするだけでも、目の筋肉を使うことができます。
▼バックナンバー
・経験したことのない手先足先のしびれ!更年期症状だけではありません
・更年期に増える頑固な肩こり、首こり。突然起こる腰痛、背中痛に悩んでいませんか?
・更年期の性交痛は、腟にうるおいがなくなることで起こります!
・頻尿でトイレが近い、つい漏れてしまう…こんなこと増えていませんか?
・息苦しくて、動悸がする、これって心臓の病気? どこを受診すればいいの?
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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