
【冬の冷え性対策】「半身浴は温まる」は半分誤解!?
- 更新日:2019/11/11
- 公開日:2019/11/11
今年も早いものでもう11月。夏の間は暑さからシャワーで済ませていた人も、そろそろお風呂が恋しい季節になってきたのではないでしょうか? 特に女性にとって冷えは大敵なので、しっかりと湯船に浸かりたいところ。
今回は、リンナイ株式会社の調査から「冷え性と入浴の関係」についてご紹介。博士が教える、科学的な側面から見た入浴のメリットも必見です!
男性は4割、女性は7割以上が冷え性!
まず、気になる冷え性について「あなたは、冷え性ですか?」という質問をしたところ、集まった回答がこちら。

調査の結果、約6割の人が自分のことを「冷え性」だと考えているということが判明しました。また、男女別に見ると、女性だと7割以上、男性だと約4割の人が冷え性で、一般的にもよく言われているように、女性のほうが冷え性が多いようです。
また年代別に見ると、冷え性の人の割合が最も多かったのは30代で、30代以降は高い年代ほど冷え性の人の割合は減少する傾向が見られました。

以下、東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医の早坂信哉先生からのコメントをご紹介。
早坂先生コメント
以前から女性で冷え性が多いと言われていましたが、7割もの女性が冷え性でした。いかに多くの女性が冷え性で悩んでいるかが分かりました。これは国民病ともいえる多さです。冷え性と無縁に思われがちの男性でも4割が冷えを自覚しており、冷えは男女共通の悩みであることも分かりました。また、ファッションとしての薄着のためか、働き盛りの30歳代で冷え性の方が最も多く、忙しい日常でも手軽にできる冷え性対策が必要ですね。
1位「就寝前」2位「起床時」!冷えを感じる瞬間は?
続いて冷えを感じる部位がどこか調査したところ、以下のような結果に。

1位は「足先」、2位は「手先」という結果になり、主に末端に冷えを感じている方が多い傾向があることが分かりました。
合わせて1日の中で冷えを感じる時間がいつか調査したところ、1位「就寝前」、2位「起床時」という結果に。また、身体をあたためるためにお風呂に入るはずですが、お風呂あがりに冷えを感じる方も10.3%もいるようです。

早坂先生コメント
冷えの一番多い症状は足先や手先といった身体の末端が冷たくつらいというものでした。このような冷え性の症状は末梢の血流が悪くなっており、温かい血液によって十分な熱が運ばれなくなるため起こる症状です。血流を良くすることが一番の改善策ですので、温かい湯船で全身を温めて血流を増やすのがお勧めです。また、夜布団に入ると手足が冷えて眠れない、といった悩みは以前からよく聞いていましたが、今回の調査でそのことが明らかになりました。手足が冷えるということは、血流が悪いということの現れであり、手足からの熱の放散がうまくできていない状態です。良い睡眠には体の中心部の体温(深部体温)が下がることが必須ですが、手足から熱が逃げないと、深部体温が下げられず、よく眠れないのです。
冷え性の人ほどお風呂に入っていることが判明!
続いて、リンナイでは冬の時期の入浴事情についての実態を調査。夏の時期はシャワーで済ます人も多いですが、冬時期のお風呂事情やいかに……?

湯船に浸かる人が約7割と多数を占める結果に。また、冷え性の人のほうが、湯船に浸かっている割合が多いことも判明しました。
さらに、冬時期の入浴時のお風呂(シャワー・湯船ともに)の温度についても調査したところ、冷え性の人のほうが冷え性ではない人よりも41℃以上の熱いお風呂に入っている人が多いことも分かっています。

早坂先生コメント
冬でも3割の方がシャワーだけで済ますようですが、これでは血流が改善せず手足がよく温まらないので冷え性を悪化させます。また冷え性の人は体を温めようとして湯船に積極的に浸かっていることがうかがえます。しかし、寒いとしっかり湯船で温まろうとして、どうしても湯温を上げがちになりますが、41℃以上の熱い湯は急激に体温を上げてしまい、体は懸命に体温を下げようとし、結果として体の温まりは長く続きません。体の温まりが長く続くのは、むしろぬるめの湯なのですが、このことはあまり知られていません。汗をかかないからと言う理由で入浴しない人がいますが、体を温めて血流を改善させるためにも、冬でも湯船をお勧めしています。
3割以上の人が体が温まりきらない半身浴をしている
続いて、どれほどの人が半身浴をしているのかを調査。一時期半身浴ブームなどもありましたが、その人気は……?

半身浴をしているという人は約3割。また、男女別に見ると性別に関係なく、同じくらい半身浴をしているという結果となりました。
また、冷え性ではない人に比べ、冷え性の人のほうが、半身浴をしているということもわかっています。

早坂先生コメント
一時半身浴ブームがありました。半身浴は心臓に負担がかからないという利点がある一方、“半身浴”の名前の通り、実は温め効果も半分です。半身浴は温まる、という誤解があって冷え性の方は努力して半身浴を続けている様子が垣間見えました。冷え性の方は、ぜひ今晩から遠慮なく肩までどっぷり全身浴を楽しんでください。(医師から全身浴を禁じられている人を除きます。)
冷え性ではない人より冷え性の人は吹き出物が多いことが発覚!
続いては、冷え性の人の吹き出物の有無について調査。冷え性の人とそうでない人では、どの程度差があるのでしょうか?

調査の結果、冷え性の人ほど吹き出物が多いことが判明。その差なんと約2倍! やはり血流の悪さが吹き出物にも影響しているということでしょうか?
早坂先生コメント
冷え性の人は、手足の冷えだけでなく、自律神経の乱れもあってめまいや便秘など、他のさまざまな症状がある人が多いです。冷え性と皮膚症状の関連を見た研究はあまりなく、今後の解明が期待されますが、吹き出物も冷え性に関連する症状の1つの可能性があります。また、お風呂の機能そのものへ冷え性改善への期待が高いことが分かりました。
冷え性におすすめのお風呂の入り方
今回の調査で、身体を十分に温めるためには不十分な「半身浴」をしている人が多いことが分かりましたが、冷え性対策にはやはり「全身浴」が良いとのこと。早坂先生監修の冷え性におすすめのお風呂の入り方がこちらです。

おすすめのお風呂の入り方がわかったところで、より冷え性を予防・改善するために、お風呂に入りながらできるマッサージも教えてもらいました。お風呂の入り方と合わせて簡単にできるマッサージ術も試してみてください。

「全くお風呂に入らない」ことよりは良いかもしれませんが、半身浴では身体を温めるという点では不十分なことが分かりました。デトックスという意味ではばっちりかもしれませんが、冷え性対策として身体の芯からしっかりと温まるためには、これからの季節全身浴を心がけたいですね。
参考
リンナイ株式会社
監修

早坂 信哉 先生
東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。
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