
経験したことのない手足のしびれやピリピリ感!更年期症状だけではありません
- 更新日:2020/08/06
- 公開日:2019/11/03
更年期症状のなかでもちょっと意外な症状に、知覚の変化・異常があります。手足がしびれたり、皮膚の表面が直射日光を浴びたときのようにピリピリしたり、蟻が這っているような不快な感じに襲われたり、という感覚もあります。人によっては、手足の感覚が今までと違う、鈍くなったような気がするという違和感として現れることも。今まで味わったことのないこんな感覚も更年期の症状。しかし、そうではない病気の可能性も! 注意が必要です。
エストロゲンの減少で神経過敏な状態に

女性ホルモンのエストロゲンには、肌のハリを保つ働きがあります。
更年期にエストロゲンが減少すると、老化が進んで、皮膚が薄くなり、皮脂も水分も減り、肌が乾燥しやすくなります。
皮膚が薄くなって、皮脂も少なくなると、肌の弾力がなくなるだけでなく、刺激も受けやすくなると言われています。
ちょっとした刺激にも反応して、それがしびれのように感じたりするのです。更年期世代に起こりやすい自律神経の乱れも、こうした感覚の異常に関係していると考えられています。
▼「エストロゲン」の大切さを知ろう
・プレ更年期・更年期は予防できる!予防の鍵「エストロゲン」を分泌させる方法
更年期と簡単に片づけないで! 別の病気が原因のことも
まず、更年期世代の女性が手先足先のしびれやこわばり、手指の小さな関節、足指の付け根の関節の痛み、感覚異常を感じたときに、疑わなくてはならないのは、関節リウマチです。
関節リウマチは女性に多く、更年期世代に発症しやすいという特徴もあります。このような症状を感じたら、更年期の症状と自己判断せずに、リウマチの専門医を受診しましょう。
また、頸椎や腰椎の変形から、しびれやマヒが起こったりすることもあります。その場合は整形外科を受診します。
さらに、脳の病気が原因で、手足のしびれが起こることもあります。症状が強くなったり、長引くようであれば、脳神経外科を受診して、病気が隠れていないかを確かめましょう。
▼更年期障害と間違えやすい病気って?
・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?
隠れた病気がなければ更年期の症状の治療を

いずれの病気でもないことがわかったら、更年期の症状である可能性が高いです。
不意に手足のしびれや感覚異常に襲われると、神経の異常かと、びっくりするかもしれません。でも、更年期の症状であれば心配はいりません。
症状が強くて、気になる場合は、婦人科を受診しましょう。婦人科で更年期障害の治療をすることで、改善されることも少なくありません。
自律神経調整剤や精神安定剤、漢方薬などが用いられたり、ホルモン補充療法(HRT)などのホルモン剤の治療も行うことができます。
また、更年期のメンタル症状のひとつやうつで、不安や心理的な葛藤などが引き金になっていることも考えられます。その場合は、カウンセリングなどを受けることもいいでしょう。
▼更年期障害の治療ってどんなもの?
・更年期治療のホルモン補充療法、いくらかかる? どのくらい続ける? 気になる質問に答えます!
・更年期障害は治療できる! ファーストチョイスとなるホルモン補充療法(HRT)とは?
・【更年期】ホルモン補充療法(HRT)の思わぬメリットとは!?
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更年期からはエクササイズで血行促進が大事
更年期は血液の循環が悪くなる年代。血行が悪いと症状が出やすくなります。
運動を心がけて、血行を良くしましょう。速足のウォーキング、水泳、プールでのウォークなどの全身の有酸素運動がおすすめです。
また、湯船につかることも大事。ぬるめのお湯にゆっくりつかって、体を温め、しびれやこわばりがある皮膚の部分をマッサージします。血行が良くなると、症状もやわらぎます。
ビタミンB群、ビタミンC、Eを摂っていますか?

特に、血行改善する働きのあるビタミンB群(牛肉、豚肉、鶏肉など)や、血管を丈夫に保つ働きのあるビタミンC (ブロッコリー、キウイ、イチゴなど)を積極的に摂ることは必要です。
さらに、ホルモン代謝を活発にするビタミンE(かぼちゃ、うなぎなど)も摂るようにします。
なかでも、レバーやイワシなどに多く含まれているビタミンB12には、神経反応を調整する作用があります。
更年期以降は、今まで以上にバランスの良い食事を工夫することが大切です。
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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