ピルを服用する女性

ドイツでの服用率は50%以上。「ピル」のメリットは避妊だけじゃない!

  • 更新日:2019/10/23

ピルは避妊に効果がある薬として知られていますが、他にも、生理痛やPMSの軽減、肌荒れ改善などにも効果を発揮します。


今回は、西国分寺レディースクリニック院長で医学博士の佐藤力先生著『改訂版 女性のためのピルの本』を参考に、「知っておきたいピルの基礎知識」をご紹介します。


ピルとは? ピルの歴史と主要国の状況。日本は導入時期が遅く、普及率も低い

ピル

ピルとは、1960年にアメリカではじめて承認されてから、急速に世界に広まった女性が飲む経口避妊薬です。

日本で承認・発売されたのは、先進国の中ではもっとも遅く、1999年になるため、比較的最近の出来事だと言えるでしょう。


本書では、「主要国の既婚者におけるピル服用率は、1992年時点のドイツで52.6%、1995年時点のオーストラリアで26.7%、2005年のイギリスで26%、2002年時点のアメリカで18.3%、2004年時点の日本で1.1%」であり、日本でピルを飲む女性は増加しているけれど、まだまだ各国に比べると普及率はかなり低い、と指摘しています。


日本のピルの普及率が低い理由は様々ありますが、第一に、手軽に入手できない、という理由が挙げられるでしょう。日本では、病院に行かなければ処方してもらうことができませんが、アメリカなどではドラッグストアで気軽に購入することができます。


第二に、「ピルは避妊のために服用するもの」という意識が強いことが考えられます。第三に、「ピルを飲むとがんになりやすい」「ピルを飲むと太る」など副作用に関する噂が多く、ピルに対して警戒心を感じている人も多い、という点も挙げられるでしょう。


ここからは、ピルの避妊以外の効果および、ピルの副作用に関する噂の真偽について解説していきます。


ピルを飲むメリットとは? 99.9%の避妊効果。それだけじゃない!

ベッド

ピルを飲むメリットとして、第一に挙げられるのは、やはり、避妊効果です。ピルが導入される以前は、避妊といえばコンドームが一般的でした。コンドームの避妊は男性主導になりがちでしたが、ピルが導入されたことによって、女性主導の避妊ができるようになった、という点でもピルの登場は画期的でした。


また、コンドーム以上の高い避妊効果が期待できる点も魅力的です。


各種避妊法使用開始1年間の失敗率(妊娠率)を比較したアメリカの調査では、選んだ避妊法を正しく続けて使用しているにもかかわらず妊娠してしまった人は、「殺精子剤のみ」18%、「コンドーム」2%、「ペッサリー」6%、「リズム法(オギノ式など)」1〜9%などに対して、「ピル」0.3 %。しかも、これは日本で承認されていないミニピル(黄体ホルモン単独のピル)を含めた数値で、失敗した人の多くは飲み忘れによるものでした。一般的に、ピルは正しく服用すれば、99.9%の避妊効果が期待できるとされています。(P.24)


このように、ピルには高い避妊効果が期待できますが、ピルを飲むメリットはそれだけではありません。


ピルを飲むことで下記のようなメリットも期待できます。


★ピルの避妊以外のメリット★(P.24-25参考)

・ピルで生理周期を規則正しくすることで、毎月のスケジュールを立てやすくなる

・大切な予定(スポーツの試合・旅行など)にかぶらないように生理の時期をずらせる

・生理痛などの月経困難症のつらい症状を緩和できる

・月経量が少なくなり、仕事が楽になる

・PMSが緩和される

・子宮内膜症や貧血、卵巣嚢腫、骨粗鬆症、脳動脈瘤、卵巣癌、子宮体がんの予防になる

・ニキビや肌荒れの改善が見込める


ピルの副作用とは? 「太る・不妊になる・がんになる」の誤解

不安な女性

ここまで、ピルを飲むことで得られる様々なメリットについて解説してきました。「そんなに効果があるなら、飲んでみたいかも」と思った方も多いのではないでしょうか? ただ、心配なのは副作用です。


ピルに関する副作用でよく耳にすることに、「太る・不妊になる・がんになる」の3つが挙げられます。


このうち、「太る・不妊になる」には、科学的根拠は一切ない、と本書では断言されています。


「がんになる」については、「婦人科がん各種のうち、ピルを飲んだ場合の方が、子宮頸がんのリスクだけがわずかに上がっている」と指摘していますが、これはピルそのものの影響ではなく、「ピルを飲むとコンドームを使わなくなるため、子宮頸がんの主な原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染率が上がるからだ」と述べています。つまり、ピルを飲んでがんの発症率を上げたくないならば、ピルと並行してコンドームを使用すればいい、というわけです。


「太る・不妊になる」という副作用は誤解ですが、ピル服用にまったく副作用がない、というわけではありません。


ピルの副作用のほとんどは、吐き気、乳房が張る、頭痛などの軽い症状で、一般に「マイナートラブル」と呼ばれるものです。個人差があり、だるさやむくみなどが現れる場合もあります。しかし(略)これらの症状はホルモン環境の変化によって起こる一時的なものなので、ピルを飲み始めて3ヶ月以内に大部分がおさまります。(P.27)


さいごに。女性特有の不調は、ピルで改善できる可能性がある

爽やかな女性

「毎月、生理の時期が憂鬱でつらい」という女性は多いでしょう。ピルを服用することで、生理痛やPMS、多量の出血などを緩和でき、ストレスと痛みの少ない快適な生活にシフトできる可能性があります。

気になった方は、産婦人科・婦人科の医師に相談してみてはいかがでしょうか?


「病院に行く前にピルについてもっと知りたい」「ピルの服用を考えているけれどいろいろと心配。専門の医師の解説を聞いてから検討したい」という方は、『改訂版 女性のためのピルの本』を一読されることをおすすめします。


今回ご紹介した本

『改訂版 女性のためのピルの本』

著者:佐藤力

出版社:幻冬舎



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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