女性の尿漏れ

頻尿でトイレが近い、つい漏れてしまう…こんなこと増えていませんか?

  • 更新日:2019/09/22

 トイレが近くて、朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合、頻尿と定義されます。けれども、1日の排尿回数は人によってさまざま。8回以下の排尿回数でも、自分が排尿回数が多くて困る……と感じたら、頻尿といえます。(*1) また、突然トイレに行きたくなって我慢できず、ちびってしまったり、くしゃみをすると少し尿がもれてしまったり……。更年期になると、さまざまな排尿にかかわる症状が起こることがあります。その対処法をお伝えします。

*1 日本泌尿器科学会


膀胱の粘膜の老化も、皮膚と同様に女性ホルモンが影響!

老化

 膀胱や尿道の粘膜の収縮性は、年齢とともに低下していきます。

 皮膚の老化と同じように、加齢とともに、膀胱や尿道の粘膜も厚みが失われて薄くなり、ふっくら感がなくなり萎縮し、収縮性を失っていくのです。そのため、少しの尿量でも尿意を感じやすく、トイレが近くなります。


 特に外陰部や腟は、女性ホルモンの低下に敏感に反応します。膀胱も同じです。また、膀胱や腟を支えている骨盤底筋群という筋肉の力も、女性ホルモンが低下すれば、徐々に低下してしまいます。


 それだけでなく、粘膜の抵抗力が落ちて、膀胱炎を起こしやすくなる場合もあります。さらに、神経が過敏になると、ちょっとした刺激で尿意を感じたりします。頻尿に加えて、排尿痛や残尿感があるようなら膀胱炎が疑われるので、女性泌尿器科、あるいは婦人科を受診しましょう。


支えとなる骨盤底筋が緩むことで…

トイレ

 そして、支えとなる骨盤底筋群が緩めば、トイレを筋力で我慢させることが難しくなるのです。ストレスで神経が過敏になって、緊張が膀胱に伝わり、すぐに尿意をもよおす人もいます。緊張場面になると、トイレへ行きたくなり、ちびってしまったりするのです。


 頻尿の原因のひとつには、過活動膀胱があります。

 過活動膀胱とは、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮するという病気です。

 急に、尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります。過活動膀胱は、日本で800万人以上の男女がかかるとても頻度の高い病気です。(*1)


40歳以上の4割の女性が悩んでいる尿失禁!?

中年女性悩み

 尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまうことと定義されています。40歳以上の女性の4割以上が経験していると言われていて、実際に悩んでいる人は実はとても多いのですが、恥ずかしいからと我慢している人がほとんど*1。


  尿失禁の中でも、笑ったり、重い荷物を持ったり、くしゃみをしたりして、おなかに力が入ってしまうことで尿がもれる場合を「腹圧性尿失禁」といいます。

 また、トイレに行きたいと感じてトイレに行く前にちびってしまう場合を「切迫性尿失禁」といいます。 


 「腹圧性尿失禁」は、骨盤内にある膀胱や子宮を支えている筋肉が弱くなって起こります。この筋肉は加齢によって弱くなりますが、更年期以降の肥満や閉経などによる女性ホルモンの低下によってさらに弱くなるのです。


 「切迫性尿失禁」は、尿意をもよおすと自動的に膀胱が収縮してしまう状態です。脳障害の後遺症で起こることもありますが、加齢によってなぜそうなるか原因不明のことが多いのです。


骨盤底筋を鍛えることでかなり改善されます!

 頻尿(過活動膀胱)や尿もれ(尿失禁)があると、なんだか年を取った感じになって、ショックです……。

でも、これらの症状も、ちょっとした工夫で意外と簡単に改善することがあるので、トライしてみてください。


 簡単にできるのは、骨盤内の膀胱や子宮を支えている筋肉、骨盤底筋群を鍛えることです。


肛門と腟をゆっくり縮めて引き上げる

骨盤底筋群を鍛える体操

 簡単な体操ですのでやってみましょう。

 まず、全身の力を抜いて、肛門と腟を10秒間縮めてみてください。おなかや足に力を入れず、肛門と腟だけに集中して、ゆっくりジワジワと引き上げるように、力を入れるのです。


 これを数回、くり返します。最初は、椅子に座って行なってみると、感覚がわかりやすいです。くれぐれもおなかやお尻などのほかの筋肉に力を入れないように。眉間にシワがよらないようにも注意です! 慣れてきたら、駅で電車を待っているときや家事の合間でも行えます。

 筋肉を鍛えることは、どんな年代にとってもアンチエイジングに役立ちます。

 特に、骨盤底筋群は、意識しなければ鍛えられない筋肉です。素質もありますが、意識している人とそうでない人では、差がでてきます。


アドバイスしてくれる医師を探せると心強い

医師

 できれば、適切なアドバイスをしてくれる女性泌尿器科(女性泌尿器科で検索してみて)や婦人科の医師を探せるといいと思います。自己嫌悪に陥ったり、心配するだけでなく、前向きに症状を改善していきましょう。


日本泌尿器科学会認知専門医一覧(泌尿器の専門医を探せる)


NPO法人女性医療ネットワーク(全国の女性外来や婦人科医、女性泌尿器科医を探せる)


 頻尿、尿もれなどの症状は、だれにでもあること。身近な友人に聞いてみてください。同じ悩みを持っている人がいるはずです。女性として経験を共有できて、安心できるかもしれません。


エストロゲン剤や泌尿器科の薬も効く

薬を飲む女性

 婦人科では頻尿、尿もれの治療に、更年期障害の治療、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬も使われています。女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)によって、粘膜がしっかりして膀胱炎の緩みが改善する人もいます。ホルモン補充療法で、頻尿、尿もれが解消する度合いは人によってさまざまです。

 漢方薬もあわせて使うこともあります。


 また、骨盤底筋群体操やホルモン補充療法で軽減できない人は、筋肉の働きを強める失禁治療薬、膀胱の過活動を抑える薬などが用いられることもあります。ほかにも、いろいろな頻尿を改善する薬があります。

 お薬で改善せず、症状がつらい場合は、手術という選択肢もあります。

 女性泌尿器科の専門医に相談してみてください。



▼バックナンバー

・息苦しくて、動悸がする、これって心臓の病気? どこを受診すればいいの?


・プレ更年期・更年期世代の腹痛、おなかの張り


・更年期に多いめまいと耳鳴りにどう対処する?


・頭痛がする、頭が重い…これも更年期?原因は?


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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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