人生崖っぷち母ちゃん

不妊治療を決断しない子に「今しないと後悔するよ」は善意の押しつけ!?

  • 更新日:2019/09/24
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今から10年ほど前のお話。

「体外受精をしてまで不妊治療に取り組まないと子供産めない可能性が高いですよ」


生理不順がきっかけで婦人科に通院していた私にとって、医師からの衝撃的な言葉。

自分が不妊症あるいは夫側に問題があると気がついたとき、夫婦二人が選ぶ道は「不妊治療をするか」「自然に任せるか」のどちらかしかない。


不妊症、自然にまかせるか?不妊治療をするか?

妊娠出産の成功が保証されているのであれば、迷いも少ないかもしれない。

治療費も高額。

差し迫った病気でもないので、不妊検査をついつい先送り、という夫婦も珍しくはない。


「不妊治療をするなら少しでも若いうちに」とアグレッシブに頑張る女性がいれば、

決断を決めかねている人や、「不妊治療はしないと決めている」人もいる。

同じ不妊症で悩んでいる女性でも、妊活への向き合い方はこんなにも違う。


不妊治療経験者が「治療をうながす」理由

治療開始の年齢の早さが大きく影響する不妊治療。

治療を経験した先輩が、不妊で悩んでいる後輩に治療をうながしたくなる気持ちは、同じ経験者として痛いほど理解できる。


治療をするなら少しでも早く、昨日よりも今日。今が1番若い。

先輩が何年も体外受精を繰り返し、やっと卒業できたことは私もよくわかっている。

新卒の頃からずっと可愛がってきた後輩に、嫌われてもいい覚悟で不妊治療の話をしたと思う。


「自然にまかせたい」彼女の本音

「自然にまかせたい」彼女と「治療をうながす」先輩の妊活に対する温度差を感じた瞬間。

若い時期から治療をスタートしても、私のようになかなか授かれない人もいる。


不妊治療は「末期ガン」と同じくらいのストレスがあると海外の研究結果で報告されるほど、覚悟が必要とする治療だ。


彼女のように最初から“その道を選択しない”という選択も、私はアリだと思う。

それが本音かどうかはわからないが、「私は治療をしないと決めている」と先輩に自分の意見をちゃんと主張できる彼女をむしろ素敵だと思えた。

元同僚として、治療経験者として、ランチ会後に彼女にフォローを入れようと一瞬 考えたが思いとどまった。

もし私に自分の気持を言いたいのであれば、彼女が自ら私に話してくるだろう。

妊活はとてもプライベートな問題。

そっとしておくのが一番いい。それは私が妊活中にして欲しかったことだ。


結局今でも彼女のあの時の気持は聞けずじまいでいる。


妊活はがんばらないとダメ?

不妊検査で思いとどまる人

体外受精のタイミングで思いとどまる人


かならず子供を授かり出産出来るというゴールが保証されていない妊活すごろく。立ち止まりたいタイミングや、辞めたいタイミングは人それぞれだ。

不妊治療をするも、自然にまかせるもどちらの考えも尊重されるべき。

ただ、どちらを選択するにしても、妊娠の基礎知識を知った上で選択して欲しいと不妊治療経験者として私は思う。

知らないで決める判断と、知った上で決める決断は大きく違う。


なんでも頑張ることが良しとされる時代でもない今。妊活だって頑張るべきではないのかもしれない。


彼女の潔い「治療しない宣言」は、不妊治療をすることが「誰にとってとも幸せな選択肢とは限らない」と改めて気付かさせてくれた出来事だった。



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#1『ポチャッと小太り赤星ポテ子です』


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#22『「子どもを産めない」女にとって、男の「子どもが欲しい」は心がざわつくが共感もできる言葉。』


#23『不妊も子だくさん家庭も、悪意のない言葉でみんな傷ついている。』


#24『男だって「妊活」はつらいよ!夫婦で向き合う不妊治療』


#25『ワーキングマザーが断念する、不妊治療の「二人目の壁」とは⁉』


#26『不妊治療をはじめる前に知っておきたい4つのお金の話』



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  • 赤星ポテ子 (イラストレーター&漫画家)

    武蔵野美術大学卒。不妊治療を経て一児の母に。いつか息子と海外移住できることを夢みている。 著者「ベビ待ちバイブル」「子どもにちゃんと伝わるお金の「しつけ」」(共著)など

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