
ワーキングマザーが断念する、不妊治療の「二人目の壁」とは⁉
- 更新日:2019/08/28
- 公開日:2019/08/27

一人目のときはスムーズに授かれたのに、どうして二人目はなかなか出来ないの……⁉
一人目をスムーズに産めたからこそ、二人目がなかなか出来ず戸惑う人が意外と多いと思います。
不妊治療というと一人目不妊ばかりがフォーカスされがちです。
今回は二人目不妊の治療の大変さ、特にワーキングマザーに焦点を当ててお話をしたいと思います。
意外と多い二人目不妊、その原因とは?
約6割が二人目の子作りで不妊治療を経験
5.5組に一人が「不妊治療の経験がある」という調査結果が出ているほど、日本は世界一の不妊大国です。
※国立社会保障・人口問題研究所の調査(2015年)
実はその6割が二人目不妊という事実をみなさんはご存知ですか??
※2017年5月に日経DUALアンケート結果
卵子の老化、精子の劣化
35歳を過ぎると卵子は急速に老化していく
妊娠適齢期の女性達をおびやかす「不妊治療」の不都合な真実。
卵子の老化については、不妊治療中の女性だけでなく、世間一般に広く知れ渡るようになりました。
一方、女性同様に30代後半からはじまる男性の「精子の劣化」については、世間ではまだ認知されていません。
一人目の出産から、二人目の子作り開始時点までの年数分、夫婦の年齢が上がれば上がるほど妊娠率も下がります。
多忙な毎日でセックスレス
子作りのためのセックスって、男も女も本当に大変です。二人目となると、仕事に加え上の子の育児もあります。
子どもが寝てからタイミングをとろうにも、子どもがなかなか寝てくれない!!夜泣きがヒドイ。子どもの風邪がうつってセックスどころじゃない! などなど…。子持ち妊活のタイミングにまつわるエトセトラは挙げたらきりがありません。
そもそも、夫婦になると男女の関係からパパママへと夫婦関係が妊娠前と変化し、一人目の時よりも、夜のお誘いのハードルも上がります。
メンタル、物理、共に二人のタイミングを合わせるのは、難しくなります。
スタートダッシュで異なる二人目不妊治療
年齢の上昇
もう言わずもがなという感じですが、二人目治療を開始するにあたり、ご夫婦、とくに妻側の年齢によってスタートダッシュが変わってきます。
ウォーキングで行くか、ランニングで行くか、トライアスロンで行くか
自然にまかせてしばらく様子を見るか、不妊治療に急ピッチで取り組むか……。ご夫婦の考えや年齢によって進め方を早い段階で話し合うことをお勧めします。
「受精卵の凍結保存」はあるか
二人目不妊に行き詰った場合、一人っ子ママの妊活の選択肢は大雑把にわけて次の2つに分かれます。
・自然にまかせる
一人目の不妊治療ですでに多くのお金を費やしてしまったので、治療にお金をかけずなりゆきにまかせ、目の前の子供にお金をかけたいというママは大勢いらっしゃいます。
・「治療を出直し」or「凍結卵」持ち
自然に妊娠した場合と、 一人目をタイミング法・人工授精の不妊治療で妊娠をした場合、妊娠は二人目を開始した時点でのご夫婦の年齢が大きく影響します。
一方、一人目の体外受精で余った「受精卵」をクリニックで保管している場合、凍結卵の妊娠率は冷凍保存した時点での確率になるので、体力的・金銭的・時間的問題の負担がより軽くなります。
育休中に凍結卵を戻し(移植)、妊娠を狙う。
復職までに妊娠できなかったら二人目をあきらめる。
私のまわりで治療経験のあるワーキングマザーの多くがこの戦略を取っていました。
断乳してすぐに不妊治療を再開
授乳中は妊娠しづらい
授乳中は排卵がしづらくなり、 妊娠しにくい状態になります。
ただでさえ慣れない育児で大変な時期に、保育園探しの「保活」だけでなく、「妊活」でも苦労しているママって実は意外といるんですよね……。
子育て、不妊治療、仕事、すべてを程よくこなすことの難しさ
二人目不妊、治療は子連れで通えるかがカギとなる
ここ数年で子連れ専用フロアや託児所を設けるなど、子連れを配慮したクリニックが増えてきています。
ただでさえ高額な治療費に託児所までまかなおうとすると、費用の捻出はなかなか大変です。
しかしながら、一人目不妊の方が多くいる病院に子連れで通院するのは、申し訳ない気持ちになり、配慮したくてもできないジレンマが当時の私にはありました。
子連れ通院のサポート体制が整っているクリニックを選ぶことで金銭面・精神面の負担を減らしてくれます。
職場の理解を得ることの難しさ
不妊治療を続けるにも、働きながら子育てをするにも、職場の理解は不可欠です。
子どもの急な発熱、お迎え時間が仕事のタイムリミット、更にPTAや園の行事となると仕事をしながら子育ては本当に大変です。
これに通院まで加わるとなると、働く時間はすごく限られてしまいます。
私のまわりの二人目不妊治療中の方のほとんどが自営業や専業主婦だったのもうなずけます。
ワーキングマザーが不妊治療をしやすい社会とは?
不妊治療経験者の会社員ママが二人目を欲しいと思ったら、育休中どこまで頑張れるか……。二人目治療を臨むご夫婦が望むライフプランを手にいれるのは現実的に難しい状況です。
妊娠中に育休期間を数か月延長できたり、仕事の一部を在宅で行えるなど、より一層柔軟な働き方が選択できる社会になって欲しいですね。
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赤星ポテ子
(イラストレーター&漫画家)
武蔵野美術大学卒。不妊治療を経て一児の母に。いつか息子と海外移住できることを夢みている。 著者「ベビ待ちバイブル」「子どもにちゃんと伝わるお金の「しつけ」」(共著)など
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