
目指すもの × 好きなもの × 似合うもの。自分らしさとは「好き」の結晶体である【後編】
- 更新日:2019/08/18
- 公開日:2019/08/18
型からの脱却という自由と、「自分らしさ」の重圧

「個」が叫ばれて久しい今は「目指すもの」はそれぞれが作り上げるもので、「神」はいません。ヴィクシーの例のように、「美しい女性」という固定モデルも失われつつある。つまり、自分が目指す方向も、自分が好きなものも、全て自分で見つけて、構築して、表現しなくてはならないのです。
これは、過去の「アイコンの真似事」よりも、実はよっぽど大変です。もちろん勝手に作られた「あるべき像」を押し付けられるのは苦しく、そういった固定観念からの脱却は喜ばしい進歩であることは大前提としてあります。
しかし、「自分らしさ」というパーソナリティに紐づいたものである以上、それを作るのは誰でもなく自分であり、誰も助けてくれないという別の重荷が発生します。特に日本人は、国民性からも「自分を表現する」という訓練を受けておらず、自己表現が下手な傾向にあります。その中で唐突に降ってわいてくる「自分らしさ」の表現に戸惑う人も多いでしょう。
「ちょっとした指針が欲しい」というニーズを満たす診断系ブーム

現在の日本におけるパーソナルカラー診断や骨格診断の流行は、「自分らしさへの迷い」と非常に密接に関わっているように思います。
「私はこれが好き!」というものを声だかに叫べる人というのは、レアキャラです。多くの人は「似合うもの・好きなもの・目指すもの」という3つのゾーンを行ったり来たりしながら、「ここか?」「ここなのか?」と迷います。
迷うということは「これでいいの?」という不安と隣り合わせの作業なので居心地が悪いものです。しかし、最後は「あなたの好きなようにしなよ!」と個人に選択と決定がブン投げられ、最後に決断しなくてはならない状況が生まれます。人間にとって「決断」はストレスを伴いますし、「正解」がわからないままに選びとるのは結構な苦痛です。
そんな「自分らしさ」迷子の人間にとって、押し付けがましくなく救ってくれるのがパーソナルカラーに代表される、診断ではないでしょうか。
「あなたは肌色や髪色的にこの辺りの属性が似合いますよ!」
「あなたは骨格的にこのようなデザインが似合いますよ!」
「だから、素材や柄はこの辺りがおススメです!」
こんな風に軸を作ってくれるパーソナル診断は、現代の「自分らしく、より輝けるものを」というテーマと、その裏にある「どうやって選択、決定すればいいのか」という不安を無理なくケアしてくれる点も、魅力のひとつでしょう。
「パーソナルカラー診断で救われた」という表現が出てくるのは、この「自分らしさ」という世界に放り込まれ、地図もなくさまよう不安さから出たものだと考えると、しっくりきます。
「好き」の集合体が自分らしさ

私は「自分らしさとは何か」と問われたら、「好きなものの結晶だ」と答えます。
ピンクが好き、人とのコミュニケーションが好き、キラキラしたものが好き、マスキュリンなものが好き、ゴシックが好き、モノトーンが好き、オムライスが好き……。ファッションやコスメに限らない、「なぜ?」なんて論理性が入る隙のない、「好き」を凝縮したものが「自分らしさ」のピュアな結晶です。
「自分らしいとは?」と聞かれると、思わず「うっ」となるのは、就活生だけではありません。なぜ窮屈な気持ちになるかというと、「なにが好きな人間なのか?」「どんな人間なのか?」「それをどう称して自分と表現するのか?」という観点で、自分の中身にどれだけのモノが詰まっているかを、値踏みされるような気持ちになるからです。
しかも、大人になればなるほど雑音が増え「好きっていっても、めちゃくちゃ詳しいわけじゃないし……」「私など所詮片手間でちょっとかじる程度……」などと謎のツッコミが入りがちです。しかし、「好き」は誰かと張り合うものでもなく、レベルを比べるものでもなく、自分が「なんかいいな~」「なんか惹かれるな~」という程度のゆるさでいいものです。
自分の好きを、誰か別の人の好きと比べる必要はありません。ゆるい「好き」を羅列していった時に、なんとなく見えてくるのが「自分らしさ」の片鱗。そう考えると「自分らしさ #とは #自己分析 #なぜなぜ分析」と、難しく考えることから解放されませんか?
自分のなかの「子供心」を大事にするのが近道

結局のところ、自分の好きの模索や、結果として見えてくる自分らしさとは、自分の中にある「子供心」を否定せず、認めてあげるということだと思います。三つ子の魂百までとはよく言ったもので、社会・他人といった外的要因に左右されることがなかった子供のころの「好き」は、混じりっ気なしの自分らしさの源泉です。
「自分を認めてあげる」というと大仰だけど、「ゆるして」いこう

私たちは、成長するにつれて、社会性や客観性を身に付けます。しかし、それは時として「客観性という名の思い込み」という足かせになります。
「自分は声が低いし、女の子っぽいものは似合わないな」
「もう30歳だし、大人っぽい恰好をしなくてはな」
「●●べだから、xx色は似合わないからやめよう」
私自身も、さまざまな自分ツッコミが首を絞めてくることがあります。しかし、「いや、好きだし、いいじゃん」と自分をゆるせるか、自分を認めてあげられるかが、息苦しくなるかどうかの境界線です。
自分ツッコミは「客観性」と言い換えられますが、世を俯瞰して見ても凡人にはあまりいいことがないというのが私の所感です。
自分の中の「いいな」と思う気持ちを認め、それに沿ったものを集めると、必ず何かしらの共通点が見つかるはずです。無理に形にする必要はありませんが、「これが好き」という自分の中の解が見つかると「似合う」も「目指す」もすんなり繋がるものです。
楽ちんになるために「好き」の棚卸をしてみると、いろいろな角度から自分を認められるようになるかなと思います。
▼バックナンバー
・目指すもの × 好きなもの × 似合うもの。自分らしさとは「好き」の結晶体である【前編】
・化粧も、美容も、「誰かのため」なわけじゃない。自分を形作る一部である。
・恋したコスメが廃盤になる女が力説する「欲しい物は即買え」コール&今のオススメ4選
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ぱぴこ
(外資系OL ときどき ライター)
外資系ときどき激務OL。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)
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