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知ってた?いざ離婚となったとき、「夫」が弁護士に相談すること

弁護士に聞いてみた

夫との関係がうまくいかなくて、離婚が頭をよぎる奥様もたくさんいらっしゃると思いますし、具体的に離婚を考えている方もいらっしゃるでしょう。離婚の話し合いをしているけれど、夫が何を考えているのか分からないという方もいるかもしれません。

では、いざ夫と離婚しようとなったとき、夫はどのようなことを考えて、どのようなことを弁護士に相談するのでしょうか?


今回は、実際に私が受けた相談を踏まえて、夫の目線から見た離婚相談の実情についてお話します。


仕事が忙しくてそれどころじゃないんだけど…

多忙な男性

離婚の条件等について、妻と冷静に十分な話し合いができればよいのですが、お互いの感情や生活のすれ違いが邪魔をして、話が進まないということが多々あります。


夫の大半は仕事を抱えていますから、昼間は仕事で忙しく、夜に帰宅して妻と離婚についてしっかり話し合う気にもならないということもあるでしょう。

そのような場合、夫としては、弁護士に依頼して面倒な離婚協議を任せようという考えが働きます(妻から見れば不誠実かもしれませんが)。


実際に私が相談を受けた方でも、海外出張が多くて忙しいから、妻との離婚協議を代わりにやって欲しいという男性や、仕事で毎日へとへとで妻と顔を合わせても冷静な話し合いが全くできないから、代わりに妻と話し合いをして欲しいという男性が、相当数いらっしゃいます。


調停や裁判に行く時間がないんだけど…

裁判

離婚協議がうまくいかない場合には、夫と妻のどちらかが離婚調停や離婚裁判が申し立てることになりますが、そうすると裁判所に出頭しなければなりません。

調停や裁判は平日の昼間(午前は10時~12時の間、午後は13時~17時の間)に行われますが、世の男性の多くは、平日に仕事を抱えていますので、仕事の都合をつけて裁判所に出頭しなければならないという大きな負担がのしかかります。この負担を避けるために、弁護士に依頼して、調停や裁判に代わりに出頭してもらおうという考えが働きます。

調停の場合には、本人が裁判所に出頭することを要請されることも多いのですが、裁判の場合には、代理人の弁護士をつけていれば、本人が裁判所に出頭することはほとんどありません。


もちろん、弁護士との打ち合わせなどのために自分の時間を割く必要はありますが、自分が調停や裁判に毎回出頭するよりも負担が大幅に減ることになります。


妻に渡す費用を何とか抑えられないかな…

離婚費用を抑える

私が経験した夫からの相談で最も多いのが、妻に渡す費用(婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料等)を何とか抑えたいというものです。


① 婚姻費用を抑えたい

夫の収入が妻の収入よりも多い場合、夫は妻に対して、婚姻費用を分担して支払う義務がありますので、離婚協議中であっても、先行して妻から婚姻費用分担調停の申立てがなされることがよくあります。

この婚姻費用は、一般的に、衣食住の費用、医療費、娯楽費、交際費、預金、保険料など将来に備えるための費用、子どもの養育費や教育費など、家計簿の費目に挙げられるような費用を指しますので、未成年の子どもがいる場合に離婚成立後から支払う養育費よりも金額が高くなります。


夫は、この婚姻費用を正式に離婚が成立するまで負担し続けなければなりません。そのため、夫としては、出来る限り早期に離婚を成立させて、婚姻費用を支払う負担を少なくしたいという考えが働きます。

そこで、財産分与や慰謝料等の条件が合意できなくても、まずは協議離婚だけを先に成立させようとすることがあります。

財産分与や慰謝料等について合意できない限り離婚できないわけではなく、これらについては離婚成立後に話し合いや調停等で解決することが可能だからです。

また、妻から離婚調停や裁判が申し立てられていない場合には、夫が先に離婚調停や裁判を申し立てて、出来る限り早期に離婚を成立させようとすることもあるのです。


② 養育費が勝手に使われてしまうんじゃ…

未成年の子どもがいる場合には、親権者とならない側が親権者となった側に対して養育費を支払う義務を負います。

この養育費については、実務的には夫と妻の双方の収入という客観的な資料をベースにして取り決められますので、夫が養育費を支払うことになった場合でも、適切な額に定められた養育費を減額することは容易ではありません。

実際に、私に相談に来られる男性でも、養育費を支払いたくない、少なくしたいという方はそれほど多くはなく、適切な額の養育費が子どものために使われるのであれば、支払うのは構わないという方が多いです。


もっとも、別れた妻に子どもの養育費を支払うとしても、それが本当に愛する子どものために使われる保証はありません。離婚の話し合いをしている以上、お互いが半信半疑になっていることもありますので、妻の口座には振り込みたくないという方や、せっかく渡した養育費が妻の洋服や化粧品などに使われてしまうのなら許せない!という方もいらっしゃいます。


そこで、養育費の送金口座を子ども名義の口座にしたいという男性や(それでも子どものために使われる保証はありませんが)、養育費の支払いに代えて学校や塾,習い事の費用を直接自分が支払いたいという男性もいらっしゃいます。


③ 財産分与を何とかしたい!

離婚の際の財産分与については、裁判所では「2分の1ルール」に則って、夫婦の共有財産を半分ずつ分けるのが原則です。


もっとも、夫の中には、「ここまで財産を蓄えてきたのも、自分が寝る間も惜しんで仕事を頑張ってきた結果だろ!」「自分がこれだけの財産を作るのに、いったい妻はどれだけ協力してくれたんだ!?」と声を大にして言いたい方がたくさんいらっしゃいます。

そこで、妻の財産分与割合を低くするために、共有財産の形成プロセスについて、夫の寄与度が高く妻の寄与度が低いことを主張したいという男性も多いです。


また、財産分与の対象となる財産は、原則として「別居時」の残高や評価額を基準にします。そのため、別居前に口座から一定額の現金を少しずつ引き出してしまったり、別居前に車を買い替えたり高額な物を買ったりして資産を目減りさせてしまったりする男性もいらっしゃいます。


④ こんな慰謝料一度に払えないんだけど…

離婚の際に、夫が妻から慰謝料を求められる場合も多く、その理由の大半は夫の不倫・浮気です。この場合、腹の虫が収まらない妻は、何とかして夫を苦しませてやろうと高額の慰謝料を要求してくることが多いですし、裁判所でも認められそうな慰謝料額であっても、100万円単位の慰謝料を一括でポンと支払える夫はあまり多くはないでしょう。

そのため、ある程度の慰謝料を支払うのはやむを得ないとしても、少しずつの分割払いにできるよう交渉してくれないかと、私に相談に来られる男性もいらっしゃいます。


弁護士

今回は、夫の目線から見た離婚相談の実情についていくつかお話しました。

離婚の際には、夫が妻に対して諸々の費用を支払うことが多いですので、婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料を何とかしたいという相談をされる男性が全体的には多いですが、これはあくまで一例です。

この他にも、「何とか子どもの親権者になりたい!」という男性からの相談や依頼もありますし、「夫婦で購入した自宅のローンを何とかしたい!」という男性からの相談も多くあります。女性としても、男性の目線で離婚問題を見てみると、いろいろな対策を練ることができるかもしれませんね。


男性にしても女性にしても、いざ離婚!というときには時間、費用、体力を費やす以外に、しっかりとした戦略を練ることが大切です。出来る限り自分に有利な話し合いや調停等を進めるためにも、まずは専門家である弁護士に相談することをオススメします!



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  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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