恋愛

【熟年離婚】本当に離婚しちゃって大丈夫!?熟年離婚のメリット・デメリット

弁護士に聞いてみた

弁護士として仕事をしていて、夫婦生活20年以上の50代・60代の方から、「今から離婚して大丈夫でしょうか?」などと相談を受けることが増えています。結婚してから長年経っているご夫婦が離婚されることを、いわゆる「熟年離婚」と呼ぶことがあります。

長年二人で一緒に暮らしてきて、いろいろと我慢してきたのだから、このまま一生添い遂げて暮らすことに疑問を感じている方も多いと思いますし、「これからは自由に生活したい!」と思っている方も多いのかもしれません。

子どもの独立や夫の退職を機に、熟年離婚を考えている方もいらっしゃるでしょう。ただ、子どもも成人してもう何も問題はないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、熟年離婚の場合、慎重に進めないと思わぬ不利益を被ることがあります。


今回は、熟年離婚のメリットやデメリット、気を付けるべきポイントについてお話します。


熟年離婚が増えている理由って?

熟年離婚

一般に、婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚のことを「熟年離婚」と呼ぶことがあります。


この熟年離婚が増えている理由としては、

①女性の社会進出が進んで経済的に自立した女性が増えていること

②離婚に対する社会の考え方が変わってきて、離婚への抵抗が少なくなってきていること

③年金分割制度などを活用して、離婚後もある程度の生活を営むことが可能になってきていること


などが考えられます。

また、熟年離婚を申し立てる方が主張する主な理由として、価値観の違い、性格の不一致、舅・姑と合わない、義理の親の介護が辛い、家庭を顧みない、精神的・肉体的虐待などが挙げられているようです。

でも、熟年離婚したからといって、本当にハッピーな生活を送れるのでしょうか?

熟年離婚のメリットとデメリットについてお話します。


熟年離婚のメリットとデメリット

熟年離婚のメリットとデメリット

熟年離婚には、次のようなメリットとデメリットがあると言われています。


熟年離婚のメリット

熟年離婚の最大のメリットは、これまで我慢していたことから解放されることです。つまり、夫が原因となっている夫婦生活上の数々の悩みから解放されるということです。例えば、家庭内暴力(DV)、夫の浪費などの金銭トラブル、舅・姑との関係、義理の両親などの介護などが挙げられます。

また、冷め切った夫婦関係を終了させることで、新たな出会いや恋愛を始められたり、夫と一緒ではできなかった趣味や旅行などに時間を使うこともできたりするということも、メリットとして挙げられるでしょう。


熟年離婚のデメリット

熟年離婚の最大のデメリットは、これまで夫婦として安定した生活を送れてきたのに、離婚後は経済的な安定を得られにくくなるということです。熟年離婚後は、夫の収入をあてにすることはできませんから、働く必要性が高くなりますし、安定した収入が得られない以上、生活の質を下げざるを得ないことも十分考えられます。

また、夫の収入や貯蓄をあてにできないということは、老後の生活が保証されないことも意味します。このように、嫌な配偶者と離婚できて精神的には解放されたとしても、経済的なデメリットや生活上のデメリットが生じる可能性が高くなることが、熟年離婚の最大のデメリットなのです。

また、熟年離婚することで、「長年一緒に夫婦として生活してきたのに今更離婚して…。」と周囲から言われるなどして世間体が悪くなることも、熟年離婚のデメリットとして挙げられるでしょう。


熟年離婚で気を付けるべきポイントって?

熟年離婚のポイント

①現状を把握して離婚後の生活をシミュレーションする

熟年離婚の際に、まず考えなければいけないポイントは、現状の生活を把握して、離婚後の生活をシミュレーションすることです。

熟年離婚すると、経済的に不安定になる可能性が高いので、離婚しても自分は生活していけるだけの経済的基盤を持っているのか、生活基盤を確保できているのかをじっくり想定しておかないと、いざ離婚したときに経済的に困窮してしまいます。

具体的には、離婚するまでの間にどれだけの婚姻費用をもらえるのか、離婚の際にどれだけの財産分与を受けられるのか、離婚後はどこに住むのか、子どもや親と一緒に住めるのか、子どもや親族からどれくらいの経済的・生活的援助を受けられるのかなどについて、十分にシミュレーションする必要があるのです。


②子どもや親族との関係を大事にする

子どもがいる場合には、熟年離婚をする際に子どもとの関係を無視することができません。また、子どもがいない場合には、親や兄妹などの親族との関係も重要です。配偶者と離婚する以上、これから頼るのはどうしても子どもや親族になってしまうからです。子どもや親族からの経済面・生活面での援助を受けられるように、普段から子どもや親族との関係を大事にしておくことが、熟年離婚後の将来の生活を考える上でも重要になってきます。その意味では、熟年離婚することについて、子どもや親族にも話をして、十分に理解を求めておくことが大事ですね。


③今後の相続などについても考えておく

熟年離婚して晴れて一人になったとしても、問題になってくるのが葬儀や相続の問題です。葬儀については、もう配偶者に事前に話をすることもできないわけですから、子どもや親族に対して、葬儀費用の捻出方法や葬儀の方式などについて意向を伝えておくことが重要です。

また、相続については、熟年離婚後に再婚したような場合には、相続関係が複雑化して遺された遺族が紛争に巻き込まれることもあるのです。そういったことがないように、事前に遺言を作成しておくことも良いかもしれませんね。


今回は、熟年離婚のメリットとデメリット、気を付けるべきポイントについてお話しました。

長年夫婦をやっていると、溜まりに溜まった不満や我慢が爆発して離婚問題に発展することは、仕事柄よく目にします。でも、本当に離婚してしまって大丈夫ですか?と冷静に考えるように促しています。性格の違う男女が一緒になったのですから、ちょっとした性格の違いやすれ違いがあることは当然のことです。熟年離婚したいという方の意向を否定するつもりはありませんが、老後のことや家族のことをよくよく考えてから、行動に移して欲しいと思います。

そのようなときは、親身になって話を聞いてくれる家族や友人の存在が非常に大事になってきますし、頼りになる弁護士から適切なアドバイスを受けることも重要です。熟年離婚問題で悩んでいる方は、まずは気軽に弁護士にご相談ください!



■弁護士に聞いてみた|バックナンバー

「一線」を越えなければ大丈夫?不倫・浮気の境界線を弁護士に聞いてみた

浮気をした側は離婚請求できないってホント?

【離婚と財産分与】財産分与ってどういう仕組みなの?

【離婚と財産分与】財産分与ってどんな財産を分けるの?

【離婚と財産分与】財産分与で分けられない財産ってあるの?

  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

女子力アップ

編集部ピックアップ

女子カレとは?

今週のお悩みQ&A

広告掲載について

Facebook

Twitter

ページTOPへ