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【離婚と財産分与】財産分与ってどんな財産を分けるの?

弁護士に聞いてみた

前回は、離婚の際に話し合われることが多い「財産分与」について、その種類や割合など、財産分与の仕組みについてお話しました。ただ、財産分与の対象となる財産が決まらなければ、そもそも財産分与を行うことはできません。

また、財産分与の対象となる財産を見落としてしまうと、損した結果となってしまうこともありますので、何が財産分与の対象となる財産なのかをきちんと把握しておくことは非常に重要です。

そこで、今回は、「財産分与」の対象となる財産について詳しくお話します。


財産分与の対象となる財産って?

考える女性

財産分与とは、離婚の際に、婚姻生活中に夫婦が協力して築き上げた財産を、それぞれの貢献した割合に応じて、夫婦それぞれの個人財産に分けることをいいます。そのため、財産分与の対象となるのは、婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産(=共有財産)です。この共有財産か否かは、誰の名義かで判断されるものではなく、婚姻中に夫婦が協力して維持・形成してきた財産であれば、夫婦の共有財産と判断されます。

また、財産分与の対象となる財産は、原則として「別居時」を基準にして定められます。例えば、別居したのが平成30年4月24日であるならば、その時点の預金残高などが財産分与の対象となるというわけです。


具体的には、次のような財産が財産分与の対象となります。


保険や年金も!?対象となる財産

財産

①現金・預貯金

当然ですが、婚姻生活中に夫婦で貯蓄してきた現金や預貯金は、タンス預金やへそくりを含めて財産分与の対象となります。

預貯金については、婚姻後のものであれば、夫名義でも妻名義でもどちらでも構いません。子どもの学費のために貯めておいた子ども名義の預貯金も、出所は夫婦の共有財産であることが多いですから、財産分与の対象となる場合があります。


②不動産

婚姻中に購入した土地や建物、マンションといった不動産も財産分与の対象となります。

夫と妻の共有名義となっておらず、どちらか一方の単独の名義となっていても財産分与の対象となりますので、注意が必要です。

不動産は現物を分けることができませんし、別居時の評価額を出すことも難しいので、一般的には離婚時の評価額を出してお金に換算し、それを財産分与の対象とすることが多いです。


③自動車など

婚姻中に購入した自動車やバイク、原動機付自転車なども財産分与の対象となります。

ただし、この自動車などについては現物で分けることができませんし、中古で購入した場合には、ほとんど評価がつかずにお金に換算できないこともあります。


④株式・社債などの有価証券

夫婦の一方または双方が証券口座を開いて株式や社債、国債、投資信託などの有価証券を持っている場合、これらの有価証券も財産分与の対象となります。

この有価証券についても、一般的には別居時の評価額や残高を出してお金に換算してから、夫婦で分けることになります。


⑤家具・家電

婚姻中に購入したベッドやテレビ、家具・家電についても、財産分与の対象となります。

離婚の際に処分してしまうものもあると思いますが、離婚後の生活のために、財産分与でどちらかの物にしておくことも必要になります。


⑥美術品や宝飾品など

骨董品・絵画などの美術品や、貴金属・着物といった金銭的価値の高いと思われる物も、財産分与の対象となります。


⑦ゴルフ会員権など

婚姻中に購入したゴルフ会員権などの資産性のある債権も、財産分与の対象となります。

ただし、ゴルフ会員権の場合、購入した時は高い金額で買っても、別居の際や離婚の際はかなり値下がりしている場合も多く、その場合には離婚時の評価額で財産分与することになります。


⑧保険料(生命保険・損害保険・学資保険など)

婚姻中に加入した生命保険・損害保険・学資保険・自動車の任意保険などの保険も、名義にかかわらず財産分与の対象となります。

実際には、離婚に際して保険を解約する場合には、別居時の解約返戻金を保険会社に問い合わせるなどして調べて、その解約返戻金に相当する金額を夫婦で分けることになります。もっとも、掛け捨ての保険で解約返戻金がないものもありますので、そのような保険は対象となりません。


⑨退職金

実は、退職金も財産分与の対象となります。

別居時に退職したらどれくらいの退職金をもらえるのかを会社の資料などから調べて、別居時の退職金に相当する金額を夫婦で分けることになります。

すでに退職金が支払われている場合には、退職金として残っている財産を共有財産として分けることになりますが、離婚よりもだいぶ前に退職金が支払われている場合には、すでに生活費などで消費してしまっているので、財産分与の対象とならない場合もあります。


⑩年金

将来受け取ることができる年金も、財産分与の対象となります(ただし、厚生年金などのいわゆる二階建て部分)。

「年金分割」という制度があり、年金を財産分与の対象とする場合には、年金事務所に行って「年金分割のための情報通知書」という書類を取り寄せることが必要になります。ただし、年金分割の対象となるのは年金満額ではなく、婚姻期間中の年金保険料納付分に相当する部分のみとなります。


⑪自社株や自社への貸付金

見落としがちなのが、会社経営者の場合の自社株や自社への貸付金です。

配偶者が会社経営者の場合、自社株を自分だけでなく他方の配偶者に持たせていたり、自社に貸し付けていたりすることがよくあります。その場合、その自社株や自社への貸付金も、元となっているお金が夫婦共有財産から充てられていれば、財産分与の対象となる場合があるのです。特に会社経営者の方は注意が必要です。


⑫負債

財産分与の対象となるのは、プラスの財産だけとは限りません。マイナスの財産、つまり負債も財産分与の対象となります。

例えば、住宅ローンや自動車ローン、子どもの教育ローン、生活費のために借り入れたカードローンなどの借金も、財産分与の対象です。ただし、夫婦の一方が浪費やギャンブルなどのために個人的に作った借金は、財産分与の対象とはなりません。

このようなマイナスの共有財産がある場合には、プラスの共有財産からマイナスの共有財産を差し引いて、残った財産を分けるのが一般的です。


お金

今回は、財産分与の対象となる財産について詳しくお話しました。

夫婦が生活していても、どちらがどれくらいの財産を持っているのかって、実はよく分からなかったりしますよね。ただ、そのまま生活を続けていると、いざ「離婚するから財産分与しなさい!」と言っても、どこにどれだけの財産があるのか分からず、離婚や財産分与の手続が大変になってしまうケースが多いです。普段から配偶者の財産状況を調べるのは簡単なことではありませんが、いざという時に備えて、郵便物などをヒントに、預金口座や証券口座などについてチェックしておいても良いかもしれません。

それでもよく分からない場合には、財産調査を含めて弁護士に依頼すると、相手の財産状況が見えてくることもあります。離婚の際に財産分与も求めたいようでしたら、財産もしっかり調査してくれる信頼できる弁護士を探すのが一番でしょう。まずは専門家である弁護士に相談することをオススメします!



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  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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