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【離婚調停】手続きと気を付けるべきポイントは?

弁護士に聞いてみた

日本の離婚制度は、協議離婚、離婚調停、裁判離婚に分かれていますが、日本の離婚件数は、年間約22万~25万件といわれており、そのうち約10%(約2万2000件)が調停により離婚が成立しています(2015年人口動態調査)。


離婚調停の申立件数は、ここ数年は約4万8000件前後で推移しているので(2017年司法統計)、その半分程度で離婚調停が成立していることになりますね。つまり、それだけ多くのカップルが話し合いで協議離婚することができずに、裁判所を介した調停で離婚しているわけです。


今回は、この離婚調停の手続と気を付けるべきポイントについてお話します。


離婚調停の手続ってどういうものなの?

離婚調停の手続

離婚について夫婦間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には、家庭裁判所の調停手続を利用することができます。

調停手続では、離婚そのものだけでなく、離婚後の子どもの親権者を誰にするか、親権者とならない親と子との面会交流をどうするか、養育費、離婚に際しての財産分与や年金分割の割合、慰謝料についてどうするかといった財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

離婚調停は、裁判所を通じてあくまで話し合いで離婚するかどうかを決めるものですが、離婚裁判は、裁判所が離婚原因があるかどうかを認定して、裁判所の判断で離婚するかどうかが決められるものです。なお、離婚調停の申立てをせずに、いきなり離婚の裁判を申し立てることはできません(調停前置主義)。


では、離婚調停の手続とはどういうものなのでしょうか?以下では、その手続について詳しく説明します。


①離婚調停ってどこの裁判所に申し立てるの?

離婚調停を申し立てるためには、離婚を希望する夫婦の一方が、夫婦関係調整調停申立書(離婚)に必要事項を記載して印鑑を押印し、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所に提出することから始まります。

一般的には、相手方の住所のある家庭裁判所が多いですが、相手方の住所地が遠方にある場合には、わざわざ遠方の家庭裁判所まで行かなければならなくなりますので、注意が必要です。


申立書には、申立人と相手方の本籍・住所・氏名・生年月日、未成年の子どもがいる場合にはその住所・氏名・生年月日を記入するほか、「申立ての趣旨」と「申立ての理由」を記入する必要がありますが、○や✔をつけるなどして簡単に記入できるようになっています。詳しくはこちらをご覧ください。


なお、離婚を希望しない夫婦の一方からも、夫婦関係調整調整調停申立書(円満)を提出して、夫婦関係の円満な調整と解決を求めることも可能です。


②離婚調停に必要な書類は?

必要な書類は、夫婦関係調整調停申立書(離婚)3通(裁判所用・相手方用・自分の控え用)、事情説明書1通、子についての事情説明書1通(未成年の子どもがいる場合)、連絡先等の届出書1通、進行に関する照会回答書1通です。

各地の家庭裁判所にこれらの書類が用意されています。詳しくはこちらをご覧ください。


また、夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)も1通必要となります。

離婚調停で年金分割についても話し合いたいときは、年金事務所で「年金分割のための情報通知書」という書類を取り寄せて提出しましょう。

その他にも、調停の進み具合によって、家庭裁判所から、財産分与の対象となる不動産の登記簿謄本や、養育費を算定するのに必要な勤務先の源泉徴収票などを提出するよう求められることがあります。


③離婚調停に必要な費用は?

申立てには、1200円分の収入印紙と郵便切手が必要です。離婚と同時に婚姻費用分担請求や財産分与などを同時に申し立てると、各1200円分の収入印紙が追加で必要となりますので、注意が必要です。また、必要な郵便切手は各家庭裁判所によって金額が違いますので、問い合わせて確認しましょう。

なお、東京家庭裁判所では、合計で1006円分の郵便切手が必要となります。


離婚調停

④離婚調停はどうやって進んでいくの?

離婚調停を申し立てると、家庭裁判所から連絡が来て、調停期日が指定されます。この調停期日は平日の午前か午後に行われ、1回の時間は2時間程度が一般的です。


離婚調停では、当事者本人から直接事情を聴くことが必要不可欠ですし、当事者本人の話合いや意見交換がなければスムーズに調停が進みませんので、原則として本人が家庭裁判所に出頭する必要があります(代理人をつけている場合には代理人も同席します)。

また、調停は非公開で行われ、特に許可されない限り、本人や代理人以外の人は傍聴できません。なお、調停期日では、録音・録画・撮影は禁止されています。


家庭裁判所に行って申立人待合室か相手方待合室で待っていると、事件番号か名前を呼ばれて、当事者が交互に又は同時に調停室に入ります。

初回の調停期日では、手続の説明をするために当事者双方が同時に調停室に入るよう呼ばれることがありますが、相手方と顔を合わせたくない場合には、事前にそのことを裁判所に知らせておけば、交互に調停室に入ることで顔を合わさずに済みます。


調停室には、調停委員2名(男性1名・女性1名)が座っていて、裁判官は時々同席する程度です。テーブルを囲みながら、ざっくばらんに当事者の言い分や事情を話していくことになります。


⑤離婚調停はどうやって終了するの?

このような調停期日での話し合いを何度か繰り返し、当事者双方の言い分や意見を打ち明け、離婚の条件をどうするのかなどについて話を詰めていきます。

また、子どもの監護状況の調査など、必要に応じて家庭裁判所調査官による調査なども行います。そうして当事者双方が合意できれば調停が成立し、裁判官が決まった内容を読み上げ、調停調書という文書が作成されます。この時点で調停離婚が成立し、調停調書は、離婚裁判の確定判決と同じ効力を持つことになります。


反対に、当事者双方が合意できなければ、調停は不成立となります。そうなると、離婚裁判を申し立てなければ離婚できないことになります。

離婚調停が終了するまでの平均的な期間は約6か月以内とされていますが、紛糾したり話し合いの内容が多岐にわたっていたりする場合には、さらに時間がかかることも多いです。


なお、申立人には戸籍法による届出義務がありますので、調停が成立してから10日以内に市区町村役場に離婚の届出をしなければなりません。


離婚調停で気を付けるべきポイントって?

離婚調停の手続について詳しくお話しましたが、離婚調停をうまく進めるには、いくつか注意しなければならないポイントがあります。


①事前の準備をしっかりと!

離婚調停のポイント

離婚調停で話を聞いてくれる調停委員は、あなたには縁もゆかりもない第三者です。

そのような調停員から、結婚した経緯、離婚を決意した理由、夫婦関係を修復できるかどうか、現在の夫婦生活の状況、親権・養育費・財産分与・慰謝料などについての考えについて、いろいろと質問されることになります。感情的になり過ぎてしまったり、聞かれてもいないことを延々と話したりしたのでは、なかなか調停委員を味方につけることはできません。

第三者である調停委員にあなたの言い分や意見を分かりやすく誠実に伝えるためには、しっかりと事前に準備をしておくことが重要です。


②できるだけ証拠を集めておこう!

離婚調停のポイント

離婚調停で財産分与を求めても、相手方が財産を隠したり、持っているはずの財産の裏付けを証拠として提出してこなかったりすることがあります。

また、離婚調停で慰謝料を求める場合には、慰謝料の根拠となる不倫・浮気を裏付ける証拠の提出を求められることがあります。

そのため、離婚調停を申し立てる前に、相手方の主な財産関係をしっかりと把握して、通帳や保険証券をコピーしたりするなどの証拠集めが重要ですし、事前の浮気調査も必要となることが多々あります。

あなたが十分な証拠を提出すれば、その分だけ自分の主張の信憑性も増すことになります。


当事者同士の話合いで離婚できない場合には、離婚調停という手続の中で話合いをしなければなりませんが、あらかじめ離婚調停の手続について知っておくと、それだけで少し安心しますよね。

実際の離婚調停では、緊張しますし言いたいことをうまく伝えられないことも多々あると思います。本人だけで離婚調停を進めると、なかなか自分に有利に進められなかったり、時間や余計な手間がかかってしまったりすることも多いので、多少費用がかかっても、離婚事件について豊富な経験のある弁護士に適切なアドバイスを受けた方が良いでしょう。

まずは気軽に弁護士にご相談を!



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  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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