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【ダブル不倫状態に陥ったら】誰から誰に慰謝料を請求されるの?

弁護士に聞いてみた

上戸彩さんが主演された「昼顔」というドラマを毎週欠かさず観ていた方も多いのではないでしょうか。この「昼顔」は、既婚者同士の不倫、つまり「ダブル不倫」をテーマにしたドラマ・映画で、非常に衝撃的な愛憎渦巻く内容でした。最近では、波瑠さんが主演された「あなたのことはそれほど」というドラマでも、設定がダブル不倫でした。


実際に、ダブル不倫状態に陥っているカップルはそれなりにいるようで、私のところにも何人かの方が相談に来られたことがありました。

では、ダブル不倫状態に陥った場合、誰が誰から慰謝料を請求されて、どのようなリスクがあるでしょうか?

主にダブル不倫をしてしまった側の視点で、ダブル不倫の慰謝料とリスクについて解説します。


ダブル不倫の場合、誰が誰から慰謝料を請求されるの?

ダブル不倫

ダブル不倫をめぐる法律関係をわかりやすくするために、ここからは、A男・B子夫婦と、C郎・D美夫婦という2つの夫婦がいて、A男とD美がダブル不倫をしていたというケースで説明していきます。


D美の立場からすると、ダブル不倫をしたことによって、夫であるC郎の権利を侵害するとともに、不倫相手であるA男の妻・B子の権利も侵害したことになるので、C郎とB子から慰謝料を請求されることになります。

また、A男の立場からすると、反対に、妻であるB子の権利を侵害するとともに、不倫相手であるD美の配偶者・C郎の権利も侵害したことになるので、B子とC郎から慰謝料を請求されることになります。


このように、ダブル不倫の場合には、被害者が1人である未婚者と既婚者の不倫とは異なり、被害者がB子とC郎という2人となって、4つの慰謝料請求が交わってしまうことから、非常に複雑な法律関係となってしまうのです。


慰謝料請求の3つのシチュエーション

ダブル不倫の場合の慰謝料請求は、次の3つのシチュエーションに分けることができます。


①ダブル不倫が自分の配偶者だけにバレた場合

不倫がバレた

D美がC郎にA男と不倫していることがバレてしまった場合、D美はC郎から慰謝料を請求される立場になりますし、離婚を切り出されてもやむを得ません。


もっとも、C郎がD美との離婚を望んでいない場合には、慰謝料を請求されないことが多いですし、ダブル不倫に陥る前からC郎とD美の婚姻関係がすでに破綻していたような場合には、そもそもC郎の慰謝料請求は認められません。

C郎がA男に対して慰謝料請求する場合、D美にとっては大きなリスクとなります。つまり、C郎からA男に対する請求書や訴状等の書面がA男の元に届くと、B子がそれを見てしまい、B子にもダブル不倫の事実を知られてしまって、D美はB子からも慰謝料を請求される可能性が高くなるからです。


ただし、C郎のA男に対する慰謝料請求は、C郎にとってもリスクになることがあります。C郎がD美との離婚を望んでいない場合、ダブル不倫の事実がB子にバレてB子からD美に慰謝料が請求されると、結局はC郎・D美夫婦の家計から慰謝料を支払うことになるからです。


②ダブル不倫が不倫相手の配偶者だけにバレた場合

不倫がバレた

D美がB子にA男と不倫していることがバレてしまった場合、D美はB子から慰謝料を請求されることになります。

この場合、D美としては、夫であるC郎にもダブル不倫を知られてしまうと、C郎からも慰謝料を請求されたり、離婚を切り出されたりすることになりかねません。D美がそのような事態になることを避けたいと考えるのであれば、B子からの慰謝料請求については、C郎に知られないように内密に解決したほうが良いでしょう。

もっとも、D美としては、そのような心理をB子に逆手に取られて、高額な慰謝料を支払わされるリスクがあります。D美がA男の協力をこっそり求めることも考えられますが、それがB子に知られてしまうと、さらに泥沼に陥ります。


なお、ダブル不倫に陥る前からA男とB子の婚姻関係がすでに破綻していたような場合には、B子のD美に対する慰謝料請求は認められませんし、A男とB子が離婚しないのであれば、B子のD美に対する慰謝料は減額されると思われます。そのため、D美としては、A男・B子夫婦の関係をよく確認する必要があります。


③自分の配偶者と不倫相手の配偶者の両方にダブル不倫がバレた場合

不倫がバレた

この場合が最も厄介です。D美としては、C郎とB子から慰謝料を請求され、A男も、B子とC郎から慰謝料を請求される立場になりますから、一番泥沼化しやすいシチュエーションです。このケースでは、双方の夫婦が離婚するのかしないのかによって、結論が大きく変わります。

例えば、A男・B子夫婦もC郎・D美夫婦も離婚しない場合には、D美がB子に慰謝料を支払っても、C郎がA男から慰謝料を取り返す形になりますから、経済的にはプラスマイナスゼロになることがあり、いったい何のために慰謝料を請求したのか分からなくなってしまいます。


不倫で離婚

また、A男・B子夫婦は離婚せず、C郎・D美夫婦が離婚したような場合には、D美がB子に支払った慰謝料は、A男・B子夫婦の手元に入るのに対し、A男がC郎に支払った慰謝料は、C郎と離婚している以上、D美の手元に入りません。そのため、経済的にはD美だけが損をするようなこともあるのです。


以上のように、未婚者と既婚者との不倫とは異なり、ダブル不倫の場合には、被害者が2人いるために法律関係が複雑になり、4人の利害関係が複雑に絡まり合います。そのため、誰にダブル不倫の事実がバレたかによって、対処方法も変わってくるのです。


ダブル不倫は、既婚者同士で気持ちが楽だったり、本気にならずに済むといった側面があるようですので、ダブル不倫にハマってしまう方もいるのでしょう。しかし、ダブル不倫を題材にしたドラマや映画でも結局悲しい結末を迎えているように、バレてしまった場合のリスクが非常に大きいのも事実です。


恋愛は個人の自由ですが、既婚者の方は、自分の大切な物を失うことがないように十分お気を付けください!



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  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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