やまとなでしこ

『やまとなでしこ』で考える、欲望の言語化と主体性の重要さ

  • 更新日:2020/07/26

平成の名ドラマ『やまとなでしこ』が放映20周年を記念した再放送になりました。本ドラマは、松嶋菜々子さん演じる貧乏家庭に生まれた神野桜子が、美貌を最大限活用しながら、より条件のいい結婚相手を見つけるために奔走し、その中で嘘から生まれた恋に落ちる物語です。


「27歳が女の売り時」

「恋っていうのはね、人間ごときにするもんじゃなくて、お金にするモノなの。」

「 お金は女を裏切らない。」

「私が嫌いなもの、それは貧乏。貧乏なんて大嫌い!!!」


数々の名言を残す王道バブリーな恋物語は今見ても非常に面白いです。


桜子は非常に優秀なビジネス人材

キャリアウーマン

放映当時は平成12年。


まだ「婚活」なんて言葉がなかった時代です。しかし、桜子さんの行動・マインドは超優秀な婚活ファイターです。どころか、ただただ優秀なビジネス人材とも言えます。


なぜか?それは彼女の目的設定が明確で、かつその目的を満たす相手がいる場所に積極的にでかけ、ターゲットに刺さる価値提供をできているからです。こんな人材、採用したい……!


桜子の目的は明確。「お金持ちと結婚する」です。


ただ「ハイスペと結婚したい~」といった戯言ならばよく聞く話です。しかし彼女がすごいのは「自分が求める年収(年商)がどの程度か」をわかっており、かつ「最も優先すべき事柄(=お金)が満たされれば他の条件は切り捨てて構わない」という、意思決定基準が明確なことです。


●自分の求める目的が明確

●目的を達成するための手段が明確

●手段を熟知しており、実行プランに沿って行動できる

●ターゲットに「刺さる」価値提供が可能、かつそのPRが上手い


ハイ、めちゃくちゃに仕事ができますね。


自分の欲望を言語化し、主体的に行動する自立した女

自立した女

桜子の最大の目的は「玉の輿」です。財力を男性に求め、満たす手段として「結婚」を最適解として提示するのが、性的役割からくるジェンダーギャップの問題だ!と断ずることもできます。しかし、20年前という時代の違いも加味すれば、自分のために行動する桜子さんの姿は非常に前衛的だったと言えます。


彼女の目的は「玉の輿」という身も蓋もない欲望でしたが、女性が主体的に自分の欲望を言語化して獲得する姿を書き出していたとも言え、その意味で現代でも参考になる点は多いです。


かつ、現代でも自分の欲望を認識できるレベルで言語化し、その目的達成のためにまい進できる女性は非常に少なく、桜子さんの「自分で決めて自分で選ぶ」というスタンスはドラマを通して趣旨一貫しており、憧れうる女性像として十分な要素を持っています。


婚活が成功するのは桜子タイプ、失敗するのは若菜タイプ

婚活

前述のように、桜子さんは最終ゴールをズラしたものの、非常に戦略的に「お金持ち」と近づいていました。逆に戦略なく「恋」を追い求めたり、「お金で心はかえないのでは?」という常識人キャラとして配置されていたのが、矢田亜希子さん演じる若菜です。


彼女は23歳で、桜子と同じくキャビンアテンダント。おっとり清楚でかわいく、いかにも「育ちのいいお嬢様」でした。彼女はいわゆる「お嫁さんにしたい女性」だったと言えます。桜子のようにがめつくなく、「好きな人に尽くしたい」という気持ちを持ち、ちゃっかりした面はありつつも悪意はない、きわめて「いい子」でした。


しかし、常に「自分」がはっきりしていた桜子と比較すると、自我が弱く「社会的に良いと言われているものを手にいれたい」「いいなと思った人と結ばれたい」といったイイ子の罠にハマっていたとも言えます。


若菜は清楚でかわいくモテ線ではあるものの、「決める」軸が弱いため、万が一婚活というフィールドに投げ出された時に決めきれない形で苦戦するタイプです。


様々な側面から、最高に勉強になるドラマ

やまとなでしこ

桜子は最終的に「恋より金」の信条を捨て去り、堤真一さんが演じる欧介と結ばれますが、欧介さんはマサチューセッツ工科大学に留学もした数学者です。20年の間にIT技術や金融工学の進歩で数学の相対的地位はうなぎ上りなので、桜子さんが満足するお金持ちになっている可能性もあります。


この辺りは桜子さんの「お金を愛し、お金に愛されている感」の成せる技ですし、終始一貫して「自分は何が欲しいのか」を考え、選び取っている人ならではの引きの強さです。


今見ても面白く桜子というキャラが「嫌味なく受け入れられ、かつ一種のモデルになる」ということはすごいことだと思います。エンターテインメントとしても、タラレバしない婚活ドラマとしても十分に楽しめる名作です。



▼バックナンバー

・ずっと頭を悩ます、コスメ収納問題。適切な量とトキメキの狭間。


・メイクがへたくそになった問題と、真夏のマスクメイクを考える


・ウィズコロナ時代のベースメイクは、「きれい」「きちんと」「楽」 のどれ?


・コロナ離婚が急増中!?家事分担は可視化・リスト化で片づけろ


・塗るのが億劫にならない「使いたい」UVケア製品4つをおススメするよ!


  • ぱぴこ (外資系OL ときどき ライター)

    外資系ときどき激務OL。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)

この記事がいいと思ったら
いいね!しよう

Related関連記事

Pick Up編集部ピックアップ

Rankingランキング

#tag