
恋人がいないと「乾いている」と言われる。恋愛至上主義の圧力。
- 更新日:2019/11/17
- 公開日:2019/11/17
Netflixで大人気、2019年11月現在、シーズン5まで配信されている『クィア・アイ』の日本バージョンが先日配信されました。その名も『クィア・アイ in Japan!』という直球なネーミングです。
モデルの水原希子さんを東京ガイドとして配置し、3話が配信された日本版。もちろん本国編同様に、ファッション、美容、インテリア、カルチャー、フードそれぞれのスペシャリスト集団である「ファブ5」が出演者を支援して、さまざまな側面から出演者が変身する様は素晴らしいものでした。
彼、彼女たちが解放され、活き活きとした姿に変貌する様は、見ているこちらにも勇気を与える……のだけれども、やはり気になったのは「日本社会」が抱える全体的な重苦しさや閉塞感でした。
医学部入試問題や、Kutoo問題、メガネ問題などでジェンダーギャップが大きく問題となる日本における息苦しさがむき出しになっているようで、見ている私もしんどくなったのは事実です。
特に、第一話「自分主演ローマの休日」の洋子さんのエピソードの中で触れられた「女を捨てている」というフレーズは、とても考えさせられるものがありました。ファッション担当のタンが理解できず、希子さんが日本における「型にはまるべき」という抑圧を説明するシーンは象徴的でした。
“枯れている”と揶揄される、じゃあその逆の女性像は?

この「女を捨てている」「枯れている女」問題は、私たちの周りにはびこっています。“女子力”や“モテ”と同じ土壌にある概念は、幻想とも言える恋愛至上主義と、男性に選ばれる女性=いい女という受け身の価値観をバックボーンとしています。
確かに恋愛は人生や生活に華やぎをもたらすものです。しかし、ここで問題になるのは、乾いていない(=満たされている)女性像が画一的であるということです。
●受け身で選ばれる(選ばせる)ように振る舞う姿
●いつも笑顔で自分のケアを怠たらない
●男性のちょっとしたミスやケアをうまくサポートできる
はい、いつものやつです。
あまりにも女性誌やメディアで表現される女性像は画一的すぎて不気味です。しかし、「それ」が唯一絶対の存在のようにアピールされているため、その型を会得しなければ人間ではないのでは? 問答無用の負け犬なのでは?と思いこんでしまうのも無理はない状況です。
いつも自信満々ではいられない。その時に毒のように染みてくる。

理想像が画一的であるということは、そこから脱線した人間に「ダメ」の烙印を押すようなメッセージもまた盛んに発信されるからです。
●恋をしていないご無沙汰女子は乾いている
●上手に男性を転がせる余裕がないとダメ
●選ばれる女が実践する恋の魔法
などという言説は、普段「いやいや」「ちゃうやろ」「ありえんし」と小馬鹿にしていても、自分に自信がないときや、心が弱った時に、じわじわと自尊心を削っていきます。
かく言う私も、もっと若かった20代の頃や、結婚を強く意識しだした30歳手前の頃は、「やはり選ばれる戦法を取るべきか!?」と血迷いました。
その当時、自分が恋愛や結婚を手に入れられていないのは、絶対的ないい女戦法を取っていないからなのでは……?と迷走したし、自信がない故に「いいといわれているもの」に縋りたくなったものです。
「私は私!」という自信を持ち続けるのは無理でも、目指したい

結局のところ、このようなメッセージに削られるのは、固定化した「お手本」とのギャップを採点するからです。唯一正しい姿なんてものは、あるわけはないです。人生も人も、公式があるわけでも、答えがあるわけでもない。
恐ろしいことに、誰かにとっては「正解」だった選択が、自分にとっての「正解」になるかどうかはわからないのです。「選ばれる受け身の女」がマッチしている人もいるでしょう。しかし、だからといって日本の女性の全てがこの形を目指す必要はないですし、そんな不自然なことは求められていないはずです。
社会も世界も変わっています。昔は本当に「合わない!」と発狂した人が、遠い地で自分らしさを体得するしかなかったのが、デジタルやテクノロジーの進化で「これでいいのかも」と思えるチャンスを得やすくなりました。月1000円を払うだけで、『クィア・アイ』が提供する、価値観には触れることができます。
上記の価値観も欧米的なある一定のルールベースの価値観であることは間違いありません。でも、もしも今息苦しいのであれば、今浴びている価値観は合っていないのかもしれません。だからちょっと軸足を変えて、自分が励まされるメッセージを浴びにいってみましょう。
▼バックナンバー
・潤っている女はおいしそう。バチェラー3で「乾燥」と「色気」を考える。
・「カラスか?」と言われた私が推すキラキラ&グリッターコスメ4選!
・変身に必要なのは決意。「自分を好きになる」というゆるふわじゃ弱い。
・男に受けたダメージは男で癒せ!?突然の別れが訪れたら、どう這い上がる?
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ぱぴこ
(外資系OL ときどき ライター)
外資系ときどき激務OL。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)
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