遠くを見つめる女性

これからの「人生100年時代」に必要なキャリア観とは?

  • 更新日:2019/04/17

人生100年時代。

これってニュースなどでよく聞くようになりましたよね。政府も「人生100年時代構想会議」というものを開催しています。

ところで、あなたは100歳までの人生って考えたことがありますか?多くの人は「そこまでは考えたことないなぁ」と答えると思います。

でも、もうすでに「100歳までの人生をどうやって生きていくのか?」を考えなくてはいけない時代になっているんです。

そして、それを考える上でとても重要なのがお金と仕事についてです。


今回は、そんな人生100年時代に必要なキャリア観(キャリアについての考え方)について紹介します。


日本の伝統的なキャリア観

キャリア観

約30年前のいわゆるバブル崩壊前までは、日本ではこんな伝統的なキャリア観がありました。


・男性は、一つの会社で定年まで勤めあげる

・女性は、専業主婦として家庭に入って夫を支える

・夫が60歳で定年をむかえたら年金と退職金で老後を暮らす


これは、「終身雇用」と「年功序列」という日本独特の仕組みを、多くの会社が採用していたことが影響していました。

「終身雇用」とは、入社から定年まで会社が雇用を保障してくれる制度です。「年功序列」とは、年齢があがれば給与が上がっていく制度です。

つまり、会社に入社できればキャリアは会社が作ってくれる時代でした。だから、転職するよりも一つの会社で定年まで勤めあげる人が多かったのです。


また、多くの会社の定年は60歳であり、それに合わせて年金も60歳から支給される仕組みでした。さらに、専業主婦のための国民年金(第3号被保険者)の制度もありました。

ただ、バブル崩壊とともに、終身雇用と年功序列を維持できない会社が増えました。一つの会社に勤めあげること自体が難しい状況になったのです。

さらにその後、年金の受給開始の年齢は原則65歳に引き上げられました。

※専業主婦のための国民年金(第3号被保険者)の制度はそのまま継続しています。


そのため、日本の伝統的なキャリア観では、時代の変化に対応できなくなってきたのです。


キャリアの現状とは

キャリアの現状

では、現在はどんな時代になってきたのでしょうか?


現在は変化のスピードが速くなり、グローバル化がどんどん進んで、競争の激しい時代になりました。そのため、大企業といえども倒産してしまったり、買収されてしまったりするのです。

つまり、会社に自分のキャリアを任せていると、突然、路頭に迷うような事態になる可能性が高まってきたといえます。


また、女性は結婚・出産しても仕事を続ける人が増えました。2016年時点では、共働き世帯が専業主婦世帯の1.7倍になっています。

これは、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考える女性の割合が過半数を超えてきたことによります。

平成29年版労働経済の分析

平成29年版労働経済の分析(厚生労働省)


さらに、年金の受給開始の年齢の引き上げも影響して、高齢者も働き続ける人が増加しています。特に、60~64歳、65~69歳で増えています。

平成30年版高齢社会白書

平成30年版高齢社会白書(内閣府)


人生100年時代のキャリア観

それでは、これからの「人生100年時代」にはどんなキャリア観が必要なのでしょうか?

それは、「キャリアは組織によって与えられるものではなく、個人で作るもの」という考え方です。これはホール(Hall,D.T.)のプロティアン・キャリアという理論です。


プロティアン・キャリアとは次のような特徴があります。

・従来の組織によって形成されるものでも、組織から与えられるものでもない

・個人の志向によって柔軟に方向転換されるキャリアのこと

・キャリアを営む本人が成功と思えるキャリアを自ら柔軟に構築していくこと


つまり、自分のキャリアは自分で作っていかなければならないということです。そのためには、時代の変化に柔軟に対応しながら仕事を続ける力を、自分で身につける必要があります。


そして、そこで必要になるのは、「自分のキャリアの軸」になります。自分のキャリアの軸とは、「あなたの仕事の専門は何ですか?」という質問に答えられることです。


何かしらの専門的な知識やスキル、経験を持っていることは、これからの時代には求められます。専門性というと難しく考えがちですが、簡単に言うと、自信をもって「これが得意です!」と言えるものです。わかりやすいのは資格ですが、資格でなくても構いません。

働く女性

ただ、気を付けたいのが、今の会社でしか通用しない専門性ではダメということです。会社で行われる教育の多くは、その会社で活躍するために必要な知識やスキルのトレーニングです。

なので、専門性が身についたと思っていたら、他の会社で通用しなかった、ということはよく起こります。


そこで、重要になってくるのが自己啓発です。自分でどんな専門性を高めるかを決めて、それを自分で磨いていくことが必要なのです。

目安としては35歳までに自分の専門分野を決めて、その後10年をかけてそれを磨き上げることです。

そうすれば、転職しても、年齢を重ねても仕事を続けることができます。もしかしたら、雇用に縛られない働き方も可能になるかもしれません。


これからの「人生100年時代」は、自分のキャリアは自分で作る!、こんなキャリア観を持ちましょう!



参考資料

・平成29年版労働経済の分析(厚生労働省)


・平成30年版高齢社会白書(内閣府)



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  • 浦田大暁 (キャリアコンサルタント/中小企業診断士)

    1977年生まれ、静岡県出身。「このまま今の仕事を続けていていいのかな?でも本当にやりたいことがわからない…」 こんな悩みで苦しんでいる30代を支援する、やりたい仕事探し専門のキャリアコンサルタント。

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