セクハラ

セクハラに遭ったらどうすればいい?セクハラの対処方法を弁護士に聞いてみた

  • 更新日:2019/03/27

前回は、セクハラの法的意味と、どのような行為がセクハラに当たるのかについて解説しました。もしかしたら、あなたが行っている言動や受けている言動が、法的な意味のセクハラに当たるかもしれませんし、場合によっては、損害賠償を求められるレベルのセクハラかもしれませんよね。

では、セクハラ被害に遭ってしまった場合、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?


今回は、セクハラ被害に遭った時の対処方法についてお話します。


はっきりした態度と味方の存在、相談できる窓口が重要!

セクハラの場合、よくある加害者の言い訳は、「拒まれていないから嫌がっていると思っていなかった」、「単なるスキンシップのつもりだった」、「セクハラするようなつもりは全くなかった」、「仕事をするために必要なことだった」などというものです。社内の立場を利用され、このような言い訳をされて泣き寝入りするのは、非常に悔しいことだと思います。

そのようなことにならないように、セクハラ加害者への対処方法としては、次のようなことが重要です。


①「嫌なことは嫌!」とはっきりと伝える!

意思表示

「拒まれていないから嫌がっていると思っていなかった」とか、「受け入れてくれていると思っていた」といった言い訳をさせないためには、どのような方法でも「嫌なことは嫌!」とセクハラ加害者にはっきりと伝えることが重要です。それにより、セクハラ加害者が勘違いしていたことに気づき、社内の立場が危うくなることを恐れて、今後はそのような言動をしなくなるかもしれません。


もっとも、「怖くて言えなかった」、「従わなければ社内の立場が悪くなる」という思いから、はっきりと拒否の姿勢を示すことが難しいこともあるでしょう。そのような場合でも、信頼できる上司や同僚を通じて、拒否の姿勢を示してもらうことも考えられます。

大事なのは、我慢せずに断る意志を持つことです。


ただ、後々「言った言わない」の水掛け論にならないように、メールや書面などで、自分がどのような言動を不快に思っているかということと、そのような不快に思っていることを止めて欲しいと求めていることを明確に残しておいた方が良いでしょう。


②味方を作る!

社内の味方

セクハラ加害者の行為がセクハラに当たるのかどうか一人では判断しにくいケースもありますし、一人で思い悩んでると、どんどんマイナスの方向に気持ちが落ち込んでしまうことも多いでしょう。

そのため、一人で抱え込まずに、親身になって話を聞いてくれる味方を作ることが重要です。家族や友人・彼氏でも良いですし、仲の良い職場の同僚や信頼できる上司でも良いでしょう。周囲を巻き込んでしまうことに引け目を感じてしまったり、恥ずかしいという思いからなかなか言い出しにくかったりすることもあるかもしれませんが、信頼できる周囲の人間に相談することも重要なことです。周囲の味方と結束すれば、一人では言い出しにくくても、セクハラ加害者にセクハラを止めるよう求めやすくなります。


特に、セクハラは職場の中で行われることが多いので、セクハラ加害者よりも立場が上の上司にセクハラを受けていることを報告し、その上司を通じてセクハラ加害者に注意してもらうという方法も有効です。そうすれば、セクハラ加害者としても、自分のセクハラ行為が社内に広がって自分の立場が危うくなることは避けたいはずなので、セクハラ行為を止める可能性が高まります。


なお、周囲の味方に相談した事実や、上司を通じて注意してもらった事実についても、出来る限り記録に残しておくことも重要です。


③人事部や社内相談窓口を利用する!

社内相談窓口

それなりの規模のある会社であれば、人事部や社内相談窓口が設けられていることも最近は多くなってきました。そのような窓口を利用して相談することも、有効な対処方法となります。


その場合、相談内容が抽象的ではっきりしないままでは,社内相談窓口等も迅速に対処してくれないことが考えられますので、「いつ・どこで・誰から・どのような言動をされたか」について、具体的に伝えることが重要ですし、可能であれば、セクハラの事実を証明できるような証拠を準備することも重要です。

証拠としては、日記や手帳などに記したメモ、セクハラ加害者からのメールやSNS、自分のセクハラ加害者宛のメールやSNS、友人などに相談した際のメールやSNS、セクハラ加害者とのやり取りの録音データなどが考えられます。


④社外の相談窓口等に相談する!

パソコンを見る女性

会社の規模が小さくて社内相談窓口がなかったり、人事や上司も相手をしてくれないこともあります。そのような場合には、次に挙げるような社外の相談窓口等に相談してみましょう。


1.女性の人権ホットライン

法務省による相談窓口です。女性の人権問題に対応できる専門の職員が対応してくれます。

電話(0570-070-810)での対応だけでなく、インターネットでの相談も受け付けています。相談フォームに入力すると、メール、電話、面談で返答してくれます。


2.都道府県労働局雇用均等室

厚生労働省が各都道府県に設置している相談窓口です。法律や制度について説明してくれるだけでなく、会社に対する助言・指導・勧告といった労働局長による援助や、第三者機関による調停も行うことができます。


3.こころの耳

 職場内でのメンタルヘルスを中心とした相談窓口で、セクハラに限らず、精神面で不安が生じた時にも相談を受け付けています。また、医療機関なども紹介してくれます。


⑤弁護士に相談する!

弁護士

セクハラを止めさせたい、セクハラ加害者や会社を訴えて慰謝料を請求したいと考えている場合には、弁護士に相談したほうが良いでしょう。弁護士に相談することにより、法的な観点から的確なアドバイスをもらえますし、集めるべき証拠などについてもアドバイスをもらえます。

実際にセクハラ加害者や会社と交渉したり裁判を起こしたりする場合には、非常に手間も労力もかかります。費用はかかりますが、弁護士に依頼してパワハラ加害者や会社と交渉などすれば、自分の手間や精神的負担はだいぶ軽くなると思います。


また、「弁護士に知り合いがいない!」、「どんな弁護士が良いのか分からない!」という人でも、今はインターネットでいろいろな弁護士の情報を取得して、セクハラなどの労働問題に強い弁護士を検索できますし、法テラスに問い合わせれば、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を案内してくれます。


このように、セクハラ被害に遭ってしまった場合に重要なことは、「止めて欲しい」という毅然とした態度を示すことと、社内外に味方を作ることです。また、各種相談窓口に相談することで、状況が改善することも多いはずです。


もっとも、なかなか声を上げることが難しいこともあるかと思いますし、セクハラ被害が改善しないこともあるでしょう。そのような場合には、いっそのこと会社を辞めてしまうことも選択肢の一つです。自分自身を守るためには、より良い労働環境を自分自身で見つけることも大事です。誰も助けてくれないような会社にいつまでも居ても、何も良いことはありませんからね。


また、セクハラ被害の慰謝料は、数十万円程度とあまり高額とならないケースが多く、弁護士に依頼して裁判を起こそうと思っても、結果的に経済的に損をしてしまうことも考えられます。そのため、弁護士に相談する場合にも、セクハラを止めさせたいのか、加害者や会社から慰謝料を取りたいのかなど、自分が何のために訴えるのかをよく考えてからアクションを起こしたほうが良いでしょう。


「セクハラに遭っている!」と感じている方は、このコラムで挙げた相談窓口などに、是非相談してみてくださいね。

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  • 田中雅大 (弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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