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最新版!ディズニープリンセスが示す「女の幸せ」とは?

ディズニープリンセス

ディズニープリンセス、好きですか?


私は好きです。学生時代は『美女と野獣』のベルのベッドカバーを使っていたり、ディズニープリンセスグッズをちょっとだけ集めたりもしていました。


ディズニープリンセスは幼い少女の憧れというだけではなく、かつて少女だった大人の女性の心も掴んで離さない魅力があります。


美しくて、聡明で、優しくて、そして最後に必ずハッピーエンドをむかえることができるプリンセスをみて、「こんな風になりたい」と憧れた経験がある方も多いのではないでしょうか?


ディズニープリンセスたちの特質と「ハッピーエンド」

王子様とお姫様

歴代のディズニープリンセスたちには、様々な共通点があります。代表的なディズニープリンセスを例にみていきましょう。


★シンデレラ(シンデレラ)

継母にいじめられていたが、魔法使いのはからいで舞踏会に参加、その美貌で王子を虜にして、結婚してハッピーエンド。


★白雪姫(白雪姫)

美しさゆえ継母の部下に殺されそうになるが、「こんな美しい女性は殺せない」ということで一命をとりとめる。これまた美しさゆえに王子に見初められ、キスされて目覚め、結婚してハッピーエンド。


★ベル(美女と野獣)

外見も中身も美しく、人を見た目で判断しない女性・ベルが、野獣に変身させられた王子と恋に落ちる。ベルの愛で王子は元の姿に戻り、ふたりはお城で幸せに暮らすことになりハッピーエンド。


★オーロラ姫(眠れる森の美女)

魔女の呪いで眠りについたまま目覚めないオーロラ姫。そんな姫の美しさに夢中になった王子が助けにきて、キスで目覚める。ふたりはその後結婚してハッピーエンド。


★ラプンツェル(塔の上のラブンツェル)

美貌を失った老女により塔に幽閉されていた王女ラプンツェル。泥棒のユージーンの助けを借りて塔から脱出し、ユージーンは泥棒をやめ、ふたりは結婚してハッピーエンド。


★アリエル(リトルマーメイド)

地上で暮らすエリック王子は、アリエルの美しい声とルックスに惹かれる。ふたりは愛の力で障害を乗り越え、結ばれる。ハッピーエンド。


こうやって並べてみてみると、ディズニープリンセスのストーリーはどれもよく似ていることが分かります。


共通点として、「美しく、それゆえに愛される」「王子様(的存在)との結婚を物語のハッピーエンドとして設定している」ことが挙げられます。


ディズニープリンセスの世界では、美しくあることが正義なのです。白雪姫にいたっては、暗殺者が「白雪姫の美しさをみて、殺すのを惜しく感じて」眠らせます。ということは、容姿が美しくなければ殺していたということです。


つまり、これまでのディズニープリンセス的価値観は、「女性の最大の武器は美しさ」「王子様に見初められ、結婚するのが最高のハッピーエンド」というものだったのです。


新しいディズニープリンセス誕生?『アナと雪の女王』

アナと雪の女王

こういったディズニープリンセスの様式美とも言えるような型を打ち破った作品として、2013年公開(日本では2014年公開)の『アナと雪の女王』が挙げられます。


『アナと雪の女王』は、これまでのディズニープリンセスの型を壊そうとしている意図が、かなり明確な映画でした。あえてこれまでだったら最後に結ばれているはずの王子ハンスを登場させ、アナと一瞬にして恋に落ちさせます。ところがすぐに、「ハンスはアナを利用しようと近づいただけの権力欲の強い男だった」ことが判明します。


『アナと雪の女王』にも、アナにふさわしい恋の相手として、クリストフ(氷を売って生活している山男)が登場し、ふたりは最終的には両思いっぽい感じに収まるのですが、『アナと雪の女王』では、ふたりの恋の成就をもっとも重要な出来事としては描いていません。


より重点的に描かれているのは、特殊能力を持った姉エルサとアナの姉妹関係です。男性との恋愛を真実の愛として描くのではなく、アナがエルサを想う気持ちこそが「真実の愛だった」と気がつくところが、本作のクライマックスです。


つまり、『アナと雪の女王』のふたりのプリンセス、アナとエルサは、ディズニープリンセスの中では珍しく、男性に幸せにしてもらうのではないプリンセスなのです。


パーカーを着たプリンセス誕生『シュガー・ラッシュ』

シュガー・ラッシュ

また、『アナと雪の女王』の一年前、2012年(日本では2013年)に公開された『シュガー・ラッシュ』では、より型破りなプリンセスが登場していました。


『シュガー・ラッシュ』の主人公は、ゲームキャラで悪役のラルフ。その相棒的存在が、同じくゲームキャラで、プリンセスかつレーサーのヴァネロペです。


ヴァネロペは、自分の一番したいことはレースだとはっきり認識しています。それゆえ、これまでのプリンセスのように、恋愛や結婚をして幸せになる、という未来はまったく想像していません。第二作目の『シュガー・ラッシュ:オンライン』(2018年公開)では、「王子様との魔法のキスは?」と白雪姫から聞かれて、「うげ、きもい」と言い放ちます。


服装もこれまでのプリンセスとは一線を画しています。ヴァネロペのトレードマークは緑のパーカー。『シュガー・ラッシュ』の後半では、一瞬ドレス姿になりますが、すぐにパーカー姿になってレースを楽しみます。


よく考えてみれば、これまでのプリンセスの裾がふんわりと広がったドレスは見た目に美しく「女性らしい」服装ではありましたが、「活発に動く」「リラックスする」のには、まったく適していない服装でした。


また、『シュガー・ラッシュ:オンライン』では、ヴァネロペの憧れの女性として、シャンクという女性レーサーが登場するのですが、シャンクは、ぴったりしたパンツに革ジャンという、「ひらひらした服」とは対極のファッションを着こなしています。こういった女性キャラをスタイリッシュにポジティブに描いたという点でも、『シュガー・ラッシュ:オンライン』は新しい時代のディズニーアニメであると言えるでしょう。


新時代のプリンセスが続々登場。「女性の幸せ」の多様性が広がる時代

女性の幸せ

かつてのディズニープリンセスたちのストーリーはどれもとても似通っているものでした。


ですが、ここ数年、これまでの「美しい女性が、王子様と巡り合って幸せになりました。めでたしめでたし」という型の物語は減少傾向にあります。反対に、恋愛・結婚至上主義ではないプリンセスや、美しさ以外の要素(勇気や行動力・やりたいことに対する熱意)などの強みをもったプリンセスが続々と登場しています。


これは、現実の女性たちの「幸せの形」が、多様化していることの現れでもあるでしょう。恋愛や結婚で幸せになれる人もいれば、趣味や仕事で輝ける人もいる。美しさを磨くことで他人から愛される人もいれば、勇敢さや教養によって愛される人もいる。


そういった多様性を描くエンタメ作品が増えることで、「女だから(男だから)、こうするべき」という社会規範に苦しめられる人は少なくなるはずです。


今後、ディズニーはどういったプリンセスを描いてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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