相談窓口

パワハラに遭ったらどこに相談すればいいの?【弁護士に聞いてみた】

  • 更新日:2019/03/18

前々回はパワハラの意味とパワハラの6つの類型・具体例について、前回はパワハラに遭った場合の証拠の集め方などについて解説しました。

では、パワハラ被害に遭ってしまった場合、どこに相談したらよいのでしょうか?

パワハラ加害者本人(上司など)に「止めてください!」と直接パワハラ行為の中止を申し入れることはもちろん良いことですが、実際はなかなか難しいこともあると思います。


そこで、今回は「パワハラを受けているかも…」と感じたときに相談すべき窓口などについてお話します。


どんな相談窓口があるの?

パワハラ被害を相談する窓口としては、社内の相談窓口、外部の相談窓口、弁護士などの専門家が考えられます。

以下では、それぞれについて具体的に解説します。


①社内の相談窓口

相談窓口

パワハラなどのハラスメント問題については、会社側に対処すべき義務があります。具体的には、会社は、総括安全衛生管理者を選任して、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること、労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること、労働災害の原因の調査及び再発防止に関することなどについて、統括管理させなければなりません(労働安全衛生法第10条)。

そのため、現在多くの企業では、コンプライアンス窓口やハラスメント窓口といった相談窓口を設けるようになっています。


パワハラ被害に遭った場合には、まずは、このような社内の相談窓口にパワハラ被害の報告・相談をしてみると良いでしょう。社内の相談窓口への相談は、被害を訴えるというだけではなく、パワハラ被害をなくすために行動を起こしたという証拠にもなります。また、パワハラ加害者の上司・上席にパワハラ被害の報告・相談をしてみるのも良いと思います。


もっとも、会社の中には、社内の相談窓口に相談しても、会社が隠ぺい体質であったり、身内をかばってパワハラの加害者である上司などの責任追及に消極的であったりして、状況が改善されずに解決に至らないケースもあります。

また、社内の相談窓口に相談したことがパワハラの加害者の耳に入り、かえってパワハラが助長されてしまうケースもあるかもしれませんので、社内相談窓口についての情報を集めたり、相談窓口の担当者の対応の仕方などを見極めたりする必要があるでしょう。


②外部の相談窓口

相談

そもそも社内に相談窓口がない、社内の相談窓口に相談したければ取り合ってくれない、社内に相談すると不利益を受けそうで相談できないといった場合には、社外の相談窓口にパワハラ被害を相談してみましょう。


厚生労働省が運営している「あかるい職場応援団」というサイトでは、外部の相談窓口も案内されています。

具体的には、次のような相談窓口があります。


(1)総合労働相談コーナー 

会社がある場所の労働局や労働基準監督署には、総合労働相談コーナーがあります。ここでは、面談又は電話で相談員が対応してくれて、会社との話し合いが必要な場合は、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせん制度の案内もしてくれます。

»詳しくはコチラ


(2)みんなの人権110番 

パワハラに限らず、様々な人権問題についての相談を受け付ける相談窓口です。最寄りの法務局に繋がり、法務局職員又は人権擁護委員が、電話又は面接により秘密厳守で対応してくれます。

»詳しくはコチラ


(3)かいけつサポート 

法務大臣の認証を受けて、労働関係紛争について「かいけつサポート」(当事者と利害関係のない公正中立な第三者が、当事者の間に入り、話し合いによって柔軟な解決を図るサービス)を行っている民間事業者を紹介してくれます。

»詳しくはコチラ


(4)こころの耳 

職場内でのメンタルヘルスを中心とした相談窓口で、医療機関なども紹介してくれます。

»詳しくはコチラ


③弁護士などの専門家

弁護士

パワハラ被害を受けて加害者や会社を訴えたい、慰謝料を請求したいと考えている場合には、まずは弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に相談することにより、法的な観点から的確なアドバイスをもらえますし、集めるべき証拠などについてもアドバイスをもらえるでしょう。


実際にパワハラ加害者や会社と交渉したり裁判を起こしたりする場合には、非常に手間も労力もかかります。費用はかかりますが、弁護士に依頼してパワハラ加害者や会社と交渉などすれば、自分の手間や精神的負担はだいぶ軽くなると思います。


また、「弁護士に知り合いがいない!」、「どんな弁護士が良いのか分からない!」という人でも、今はインターネットでいろいろな弁護士の情報を取得して、パワハラなどの労働問題に強い弁護士を検索できますし、法テラスに問い合わせれば、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を案内してくれます。

»詳しくはコチラ


まとめ

パワハラ被害

パワハラ被害に遭ってしまった場合に重要なことは、社内外の相談窓口に相談して、パワハラ被害が発生していることを会社に認識させることです。

まともな会社であれば、パワハラ被害をなくすために対応してくれるはずですが、そのような会社ばかりではありません。会社が対応してくれずに解決できない状況になってしまった場合には、周囲の人を巻き込みながら、いかに味方を作るかも重要になってきます。


また、パワハラ被害の慰謝料は、数十万円程度とあまり高額とならない事例が大半です。そのため、弁護士に依頼して裁判を起こそうと思っても、結果的に経済的に損をしてしまうことも考えられます。そのため、弁護士に依頼する場合にも、パワハラを止めさせたいのか、加害者や会社から慰謝料を取りたいのかなど、自分が何のために訴えるのかをよく考えてからアクションを起こしたほうが良いでしょう。


社内外の相談窓口や弁護士などの専門家に相談すれば、パワハラ被害の解決の糸口が見えてくると思いますから、思い当たる人は、このコラムで挙げた相談窓口などに、是非相談してみてくださいね。



■弁護士に聞いてみた|バックナンバー

パワハラに遭ったらどうすればいい?パワハラの対処方法(証拠の集め方)
これってパワハラ?〜パワハラの意味とパワハラに当たる行為とは?
「一線」を越えなければ大丈夫?不倫・浮気の境界線を弁護士に聞いてみた
妻が離婚を切り出す理由ランキングTOP5
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弁護士に聞いてみた
  • 田中雅大 (弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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