
「グーグルやP &Gなどの大手企業ではマインドフルネスが採用されている」
「マインドフルネスを取り入れると、ストレスが減ったり集中力が増したりするらしい」
そんな話を数年前から耳にするようになりました。
マインドフルネスは、仕事でもプライベートでも役に立つらしい、という知識はありつつも、実際にマインドフルネスが何を意味するのか理解できていない方も多いのでは? 私も、マインドフルネスに興味がありつつも、その実態を掴みかねていたひとりでした。
「マインドフルネスって瞑想みたいなこと? でも続けるのが難しそう」と思っていたのですが、荻野淳也さん著『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』を拝読し、「マインドフルネスは、誰でも、いつでも、手軽に取り入れられるものなんだ」と理解できました。
今回は、本書を参照しながら、マインドフルネスとは何か、および、日常生活に取り入れる方法を紹介していきます。
マインドフルネスって結局なんなの? 今、この瞬間に集中すること
まずは、本書で紹介されているマインドフルネスの定義をご紹介します。
マインドフルネスとは、「今この瞬間」に注意を向けた状態を言います。
それを目指すためのエクササイズのひとつが、マインドフル瞑想です。(P.7)
マインドフルネスとは、端的に言うと、今この瞬間に集中できている状態のことなんですね。たしかに、私たちは、今という瞬間しか生きられないにも関わらず、「今この瞬間」に意識を向けられていないことがしばしばあります。
過去のことを悔やんだり、未来を心配・夢想したりしていては、今という瞬間を味わうことができません。未来に起こるかもしれないことにとらわれて不安を感じたり、「今この瞬間は何も問題がない」ことに気がつかず、孤独感・イライラ・寂しさにさいなまれたりしてしまいがちです。
マインドフル瞑想などを通して、「今この瞬間」に生きることで、こういったストレスからは解放されるというわけです。
マインドフルネスの良い効果とは?

具体的には、「今この瞬間」に注意を向けることで、下記のような良い効果が期待できます。
◆心に良い効果
・ポジティブな感情が高まる
・うつ感情が抑えられる
・不安症が抑えられる
・ストレスが緩和される
・心が豊かになり人間関係が広がる
・思いやりのある人になる
・寂しさを減らす
・感情抑制力が高まる
・内省する力が高まる
◆からだに良い効果
・免疫機能が高まる
・痛みを鎮める
・炎症を細胞レベルで抑える
(P.8)
マインドフルネス瞑想を日常生活に取り入れる方法とは? 基本の呼吸と姿勢

マインドフルネス瞑想は、難しいイメージがあること、またはじめてもすぐに効果がでるものではないことから、「チャレンジしたけど続かなかった」という人も多いようです。
マインドフルネス瞑想は、どこでも誰でもいつでも手軽にできるものですし、挫折してもいつでも再開できるものです。著者によると、「効果を実感できるまでの期間は個人差があるけれど、平均的には、毎日5分〜10分の瞑想を3週間続けると心の変化を感じる人が多い」と言います。
「5分でも難しい日がある」という場合は、1分からでも大丈夫です。大切なのは、継続して行うことです。
では、実際のマインドフル瞑想の基本の呼吸と姿勢をみていきましょう。
マインドフルネス瞑想 基本の呼吸と姿勢
基本の姿勢
1、イスに腰掛け、骨盤を立て、脚は組まずに地面に足裏がついていることを意識して座ります。
2、背骨の一本一本がまっすぐにスッと伸びるイメージで背筋を伸ばし、肩を3〜4回まわして、胸を開いていきます。
3、両手をヒザの上に乗せます。
4、目を閉じるか半眼にして、ゆったり構えます。
基本の呼吸
呼吸は鼻から吸って鼻から吐き出し、吸うときにお腹がふくらむ、吐くときにお腹がへこむ腹式呼吸でゆったりおこないます。ですがマインドフル瞑想は呼吸に厳密な決まりはありませんので、ご自身でリラックスできる呼吸を繰り返すことを大切にしていきます。
(P.16-17)
また、マインドフル瞑想を行う際は、ただ姿勢を正して呼吸をするだけではなく、「漠然とした不安感をスッキリさせるためにやろう」など、目的をハッキリさせて取り組むことが推奨されています。
さいごに。幸せになるために、頑張りすぎず、ときには立ち止まろう

日常生活をおくっていると、あれもしないと、これもしないと、とやるべきことが次々に出てきます。理想が高い女性ほど、「あのときああすれば良かった」と過去を後悔し、「将来は、〇〇しないと」と焦りがちです。
ですが、むやみに頑張るだけでは、ストレスや不安は増えていってしまいがちです。立ち止まって今という瞬間を味わい、リラックスするために、マインドフル瞑想を取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した本
『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』
著者:荻野淳也
出版社:文響社
【バックナンバー】女性を幸せにする本
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今来 今
(フリーライター)
神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。
twitter@imakitakon