
『3人産んだ今だから言えること』我が家の少子化対策#1
- 更新日:2020/06/02
- 公開日:2020/05/21
はじめまして、鈴本りえです。
独身時代は東京でフリーランスの編集・ライターをしていましたが、結婚を機に地方に移住。35歳で1人目男子、36歳で2人目女子、そしてこのたび39歳で3人目男子を出産した3児の母です。現在は1人目幼稚園、2人目保育園で、3人目を自宅で育てながらフリーの編集ライターを続けています。
この連載を始めたきっかけは、3人目妊娠を告げたとき、特に東京の友人や知り合いから「えっ、なんで3人も産むの!?」と聞かれたこと。直接その言葉じゃなくても、「なんでそんな、明らかにいろいろ大変な道を選択するのか」というようなことを、オブラートに包んだ言葉だったり、驚きと疑問の織り交ざった視線だったりで、投げかけられる機会がよくありました。
たぶん、彼らに「子育ては大変(すぎる)」という気持ちがあるからでしょう。でも、そうとばかりは限らないんだけどな~、その想いを少しでも軽減できれば、少子化に悩む日本のためにもなるのにな~……と考え、微力ながら「3人育児、そんなに大変じゃない(かも)よ?」とお伝えしたく、筆をとったのでありました。
ちなみに、「3人子どもがいる」と聞くと、母性あふれる良妻賢母をイメージするかもしれませんが、私はというと、自分の子どもを出産するまで、親戚の子ともどう接していいかわからなかったタイプ。家事も得意とはいえないし、世話好きというわけでもありません。
それでも、3人産もうと思ったのはなぜなのか。ちょっとお話したいと思います。
「3人いると頼もしい」と感じた原風景

それは祖母のお葬式でのこと。小学生だった私が親族の死という人生で初めての経験に際し、とても印象的に感じたのは、父を含め祖母の子である3兄弟の存在でした。喪服を着て、脚をどっしりと地につけて並ぶ3兄弟を見たとき、「なんだか頼もしいなあ」と思ったのでした。
祖母は戦後、若くして夫を亡くしたシングルマザーでした。祖母のことは大好きでしたが、そのとき初めて、「3人も育てたおばあちゃん、すごいな」と素直に思ったのです。そして、成長した子どもたちがしっかり協力して、お葬式を取り仕切ってくれている。
叔父が、「母は家族の太陽のような存在でした」と言っていたことにも感銘を受けました。祖母と子どもたち、そして3人の子ども同士の絆を感じて、「なんだかいいな」と思ったのです。こんな記憶が原点にあるのかもしれません。
沸き起こる「生産したい」という欲望

私が結婚を意識したのは32歳を過ぎてから。それまでは仕事でモノを作ることだけを考えてきましたが、それ以上に本能的な欲求として生まれてきたのが、「子どもを生産したい」というものでした。「生産」というと聞こえが悪いかもしれませんが、子育てなんてしたこともなかったのですから、どうなるかなんて考えてもしかたがない。
正直なところ、「子育て」よりも、「産むこと」、produceすることにだけ関心があったといっても過言ではなかったです。
だって、自分が生命を産むって、すごいことですよね。3人目を39歳で産んで、高齢出産のリスクもありますし、子どもが多いと1人1人に手やお金をかけにくいとか、親が高齢で「子どもがかわいそう」という意見もあると思います。でも、それもわかるけど、産めるものなら産みたかった。その根本にあるのは、自分自身が「生まれてきてよかった」と思っているからだと思います。そりゃ、生きていればどん底に思えるときもありますが、それでも「生まれてきて、生きている」ということ以上に貴重でありがたいことなんかない。
だから今度は、自分が産んであげたい。そのことを、本能的に強く感じました。
社会問題に貢献したい

結婚を真面目に考え始めたとき、某ビジネス誌の編集長に「今、社会にはいろんな問題があるけどね、結局は全部、少子化問題が根源なんだよ」と言われました。
過疎化や経済問題、年金問題etc. 子どもが増えないから高齢化が進み、モノを買う人がいなくなり、年配者を支える人もいなくなります。社会問題に対してなんら語れるほど造詣が深くはない私ですが、その言葉には納得するところがありました。そして、こんな私でも少しでも社会の役に立てたら、という思いがあります。じり貧の世の中よりも、豊かで明るい未来のほうがいいですから。
人生やりきりたいから

もう一つ、私はどちらかというと、旅行では多少急ぎ足になっても行きたいところはすべて回りたいほう。普段はのんびりしていますが、いざとなると体力を使い切ってでも「人生やりきりたい」という思いが強い、もしかしたらドMなのかもしれないタイプです。あえて3人育児という未知の境遇に立ち入ったのは、そんな性格のせいもあるのかも……?
いずれにせよ、「産めよ増やせよ」と叫ばれた富国強兵時代でもない現在、子どもを産むか、さらに何人産むかは個人の自由。私が3人産んだのも、これまでお話したような、実に個人的な理由からです。だからこそ、「何人産んだほうがいい」なんて、人様に勧めるつもりはありません。
でも、子どもを産むか迷っている人、あるいは2人目以降を産むか悩んでいる人に、もし聞かれたならば、「ぜひ」と答えたい。
私自身、悩みがなかったわけではありません。自ら背負った命に重責を感じ、不安に苛まれたこともありました。でも、実際に産んで、育ててみないとわからなかったこともあれば、3人産んだ今、「あれ、意外といけるかも?」と思うこともあります。
妊娠、出産、育児、お金のことなど、子どもを増やす前に誰もが迷うことについて、そしてそれをどう乗り越えてきたか、この連載でお話していきたいと思います。
#2» 「2人目の壁」から救ってくれた子どもの一言
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鈴本りえ
(ライター/エディター)
旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。
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