自分磨き

相手の本心がわからなくてあれこれ考えすぎてしまう癖、解消したい! ~実は、多くの人がもつ【愛着障害】とは④

多くの人がもつ【愛着障害】とは

恋人との会話。好きだとか愛してるだとか言ってくれても、なかなか結婚は切り出してくれない。

友人との約束。急に用事ができたと言われ、ドタキャンされた。

家族との団らん。いつも話題の中心は私じゃなくて活発な妹。

職場の上司。私の仕事ぶりをほめてくれるけれど、大きな仕事をなかなか任せてくれない。


そんな時、不安感や不信感、孤独感、「人の役に立たないのなら、自分なんて必要のない存在なんだ」といった無価値感に襲われること、ありませんか。


相手の本心がわからない。

相手は私にどうしてもらいたいんだろう。

相手の言っていることを信じてしまっていいんだろうか。

相手は私の本当の気持ちを理解してくれているのかな。

相手にとって、私ってどんな存在なんだろう。


相手、相手、相手。


いくら考えても答えは出なさそうなのに、相手がどう思っているかということにばかり意識が向いてしまう。そして、そんな相手の出方次第で、自分の次の返答を詰め将棋のように延々と考えてしまう。


そんなあなた、それは【愛着障害】のせいかもしれません。

けれど実は、そうした思考にはまってしまった時こそが、愛着障害を克服するチャンスなのです。


自覚されている意識は3/100

ユングをはじめとした様々な心理学者の説によると、私たちの意識は、自分で自覚できている顕在意識と、ほとんど全く自覚できていない潜在意識とで構成されているそうです。顕在意識は全体の約3~7%。残り97%ほどが自覚できていない潜在意識です。この意識を100人の会議に例えると、発言しているのは3人だけということ。他の97人は、会議に出席はしているものの、それを傍観しているというわけ。


脳内会議の様子

この97人、どんな背景の方々かというと、幼い頃に養育者の、もしくは成長過程で誰かの「不適切な対応」によって傷ついた、愛着障害の自分たちです。自己の万能感もなければ世界への信頼もない彼らは、もちろん会議の場で発表なんかしようなんて思ってもいません。だって、自分の発言で世界が劇的に変化するなんて到底思えないし、そんな発言なんてしたら、誰から何を言われるかわからないから。また傷つくなんてごめんだから。


そんなわけで、この97人は、次から次へとやってくる議題を、3人組があれこれと処理するのを眺めているわけなのです。


しかしこの97人さん。自分が過去に傷ついたパターンと同じようなシチュエーションが議題として持ち上がると、いきなり豹変します。


「はいはーい!!!あたし、それで傷つきました!!!傷ついてここに座ってます。修正してくださーい!!!」と言っていきなり席を立ち、3人組のところに切り込んできたりするわけです。しかしながら、顕在意識の3人の壁は厚く、


「愛着障害の97人の意見なんか取り入れたらみじめになっちゃう」

「かっこわるくなっちゃう」

「傷ついてたってことを認めなきゃいけなくなっちゃう」

「キャラ設定が壊れる」

といった具合に、大慌てで必死に壁を守るわけです。でも、癒されたい愛着障害の97人もがんばります。だって、幸せになりたいから。


「なんか納得できない」

とか

「モヤモヤする」

とか

「まじむかつく」

とか。


とにかく私たちの頭はほぼほぼ顕在意識の3人組に乗っ取られているので、潜在意識の97人は、胸のあたりにアプローチをしてきます。


「ここ!いま!癒しポイント!!!浮上します!!!」


潜水艦が頭を出すように、海女さんがウニを捕って波の上に顔を出すように、浮上してくるわけです。


浮上してきた時がチャンス!!!

それが、モヤモヤでも、イライラでも、ドキドキでも、「こんな自分がいたんだね」って、まずは認めるのです。

脳内会議の様子

感情そのものには、ネガもポジもない

怒りを持つことも、人を信じられないことも、自分をみじめに感じてしまうことも、罪悪感を抱いてしまうことも、みんなみんな、いけないことではありません。


たとえば、「怒り」。

私たちは自分で思う以上に、イラつきやむかつきといった「怒り」の感情をコントロールしたり、様々な理由をつけて封印したりしています。それは、怒りを、ネガティブな感情だと位置付けているから。

怒りが湧いた時、その感情の処理方法として、相手を批難したり罵倒したり、時には暴力をふるったりと、相手への攻撃性を含んでいる処理をしてしまう。そうなると、その処理の仕方が間違っているだけなのに、怒りという感情までもがダメなものだとジャッジしてしまう。こうして、怒りがコントロールと封印の対象となってしまうのです。


たとえば、「みじめさ」。

それを味わうことはとりもなおさず、遠い過去に体験した悲しみの記憶であったり、痛みの経験であったりと紐づいているわけです。そうなると、再度自分が傷つくような気がして、浮上してくることを妨げたくなるのです。今、目の前にいる人は、過去、あなたの人生に登場した誰かではありません。しかし、過去の体験や経験を元に今を分析し、みじめさを味わわないように、つい「大丈夫な自分」を演じてしまうのです。


こうして湧き上がってきた感情たちは、処理の仕方が間違っていたり、紐づけられた体験がつらいものであったりするが故に、「ネガティブなもの」と位置付けられてしまうだけ。それを「ポジだ」「ネガだ」とラベルを貼って選別しているのは、自分の心なのだということ。

感情そのものにネガもポジもない

浮上した時に捕らえろ!ポイントは「自分」を主語にする

しかし、いったんネガティブだと位置付けられた感情は、先ほどのような理由で封印されたり、他の感情にすり替えられていたりと、普段からなかなか掘り下げてもらいづらいことも事実。だからこそ、掘り下げるというよりも、浮上してきた時にしっかりと味わいとらえることが重要なのです。


不安感や不信感、孤独感、無価値感に襲われ、


相手の本心がわからない。

相手は私にどうしてもらいたいんだろう。

相手の言っていることを信じてしまっていいんだろうか。

相手は私の本当の気持ちを理解してくれているのかな。

相手にとって、私ってどんな存在なんだろう。


相手、相手、相手。


となったその時、立ち止まって自分の心の声を聞く。


『私は今、どんな気持ち?』


相手に向かっていたフォーカスを、自分に向けるのです。


自分の本心はどうなんだろう。

自分はどうしたいんだろう。

自分は不信感でいっぱいだ。

自分の気持ちを理解してもらえないことが苦しい。

自分の存在価値が感じられないことが悲しい。


「自分」を主語にして、湧いてきた感情をただただ味わうのです。

97人の声なき声に耳を傾けられるのは、あなた自身です。

声無き声に耳を傾ける

日常こそ、自分の感情を味わうワークの場

自分の声なき声を聞き、感情を味わうことができるようになったとして、それを言い出したくても怖くて言い出せないとします。そうしたら今度は、その『言い出すのが怖い』を感じ切るのです。


人と一緒にいる時にはなかなか、「ちょっと待って。いま、自分の心を感じているから」とは言いづらいかもしれません。でもそんな時には、会話を止めてしまうことへの怖れもあるんだなぁ、なんて、自分の心を観ずることはできます。


イライラが出てきた時は、しっかりとそのイライラを味わい尽くす。燃える炎のイメージで、燃やし尽くす感じ。ついいつもの癖で、その場でできなくても大丈夫。車の中で、ひとり部屋の中で、トイレの中で、お風呂の中で、味わい切ってみましょう。


自分自身の本心に耳を傾け、その本心に正直に生きようとすればするほど、ワークの機会は多く訪れます。


『本当は私、どう思っているのかな』


いつもいつも、自分自身の本当の気持ちに正直であることを選択する。

そして、湧いてくる感情をただただ味わい切る。

どんな感情も、しっかりと味わえば3~5分で解消されるのですって。


こうして、日々の中で、徐々に自分の本当の気持ち・感情を味わい癒すというワークを積んでいくことが、愛着障害の克服につながります。もちろん、ひとりで解決するよりも、きちんとカウンセラーやヒーラーに相談し、癒しをすすめることも大切です。


何よりもの安全基地は、自分自身の中にあります。ボウルビィの言葉を思い出してください。

「愛着のシステムはとても強力である」

このボウルビィの言葉通り、私たちは本来、自分自身の心の中に「愛着を形成する」=「安全基地を作る」機能が組み込まれている存在なのです。

自己の万能感を取り戻し、世界への信頼を回復することによって得られる本当の安全基地こそが、何物にも脅かされることのない、心から安心できる場所。


今このコラムを読んでくださっている皆さんが、誰と一緒にいても、どんな場面でも、リラックスできている状態で人と関われるようになる楽さを、必ずや味わえますように。祈ります。



次回、『南氷洋のペンギン』から学ぶ愛着障害。最終回です。


「実は、多くの人がもつ【愛着障害】とは?」バックナンバー

#1 ツライ恋愛から離れられないホントの理由とは?


#2 超えられない壁を感じる彼との恋愛、その壁の正体は?


#3 恋人も友だちもいるのに感じる『孤独』の原因は?



参考資料

*日本子ども虐待防止学会学術集会大阪大会(2016.11.26)

*日本子ども虐待防止学会学術雑誌2016 No.3 Vol17特集レジリエンス再考


photo by 櫻井理惠



  • いしづかみほ(学習・療育のじゃ塾塾長/日本子ども虐待防止学会会員/イラストレーター)

    「子どもたちが本来持っている才能を存分に発揮できるよう双方向で作る授業」と「彼らのありのままを理解する教育カウンセリング」を軸とした療育を実践しています。

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