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内縁と事実婚〜普通の結婚とどう違うの?子どもが出来たときは?【弁護士に聞いてみた】

弁護士に聞いてみた

ときどき、長年一緒に住んでいるけど籍を入れていないカップルの話題や、「内縁」「事実婚」といった言葉を耳にすることってありませんか?

内縁・事実婚の関係にあるカップルと、法律上結婚したカップルとでは、法律上、どのような違いがあるのでしょうか?

今回は、内縁と事実婚について解説します。


そもそも「内縁」、「事実婚」ってなに?

内縁、事実婚とは

「内縁」 とは、結婚の意思があって、実際に夫婦生活を営んでおり、社会的にも夫婦として認められているけれど、婚姻届を出していないために、法律上は夫婦として認められない事実上の夫婦関係のことをいいます。


「内縁」 は「事実婚」 とも呼ばれ、「事実婚」は「法律婚」(婚姻届を提出し、法律上も夫婦として認められている夫婦関係)と区別するために使われる言葉です。


つまり、内縁・事実婚の関係にあるカップルと、法律上結婚したカップルとの違いは、形式的には「婚姻届を提出したか否か」ということになります。


内縁・事実婚って法律婚とどう違うの?

内縁・事実婚と法律婚では、具体的に以下のような違いがあります。


①公的なサービスの違い

公的なサービス

内縁・事実婚でも、健康保険や年金関係、子どもの児童手当などについては、法律婚と同じような公的サービスを受けることが可能です(内縁・事実婚にあることを証明する必要があります)。しかし、税法上の配偶者控除や配偶者特別控除を受けられないなど、法律婚では受けられる公的サービスを受けられないという違いもあります。


②戸籍の違い

戸籍

法律婚の場合は、婚姻届を提出しているので夫婦が同じ戸籍に入りますが、内縁・事実婚の場合は、婚姻届を提出していないので、夫婦は別々の戸籍となります。そのため、内縁の夫も妻も苗字が変わりません。


③子どもの扱いの違い

子どもの扱い

法律婚の夫婦の間に生まれた子どもの親権は、夫婦の共同親権となり、子どもは夫婦の戸籍に入ります。しかし、内縁・事実婚の夫婦の間に生まれた子どもの親権は、原則として母親の単独親権となり、子どもは母親の戸籍に入って父親の戸籍とは別になります。


また、事実婚の夫婦の間に子どもが生まれた場合、子どもの父親が法的に父親として扱われるためには、認知をする必要があります。子どもに父親の苗字を名乗らせるためには、父親が認知をして、子どもを父親の戸籍に入れることを家庭裁判所に届け出る必要があります。


④養育費の違い

養育費

法律婚の夫婦の間に子どもが生まれたら、父親も母親も当然に子どもを扶養する義務が生じるので、子どもに養育費を支払う義務が生じます。

しかし、内縁・事実婚の夫婦の間に子どもが生まれても、父親が認知をしなければ、法的に父親と扱われないので、子どもを扶養する義務がなく、養育費を支払う必要もないことになります。


もっとも、父親が認知をすれ、子どもが生まれたときまでさかのぼって養育費を支払う義務が生じます。


⑤相続の違い

相続

法律婚の場合、夫婦はお互いに法定相続人(法律で定められた相続人)となるので、どちらかが亡くなっても他方が相続できますが、内縁・事実婚の場合、互いに相続人と扱われません(遺言で財産を他方に遺すことは可能です)。


また、法律婚で子どもがいる場合には、その子どもは、どちらかが亡くなっても当然に法定相続人となりますが,内縁・事実婚で子どもがいる場合には、父親が認知をしなければ、父親が亡くなっても、子どもは父親の相続人と扱われません(遺言で財産を子どもに遺すことは可能です)。


内縁・事実婚と法律婚で同じところはないの?

事実婚と法律婚で同じところ

このように、内縁・事実婚と法律婚ではいろいろな違いがありますのが、内縁・事実婚も、婚姻届を提出していないだけで、実際は夫婦として一緒に生活しているわけですから、違う点ばかりだと困りますよね。

内縁・事実婚は、法律婚に準ずるものとして、以下の点では法律婚と同じように扱われます。


①内縁・事実婚の夫婦の義務

内縁・事実婚の夫婦にも、法律婚の夫婦と同様に、同居義務、協力義務、扶助義務、貞操義務が課されます(民法752条)。

貞操義務も課されているので、浮気したら慰謝料が発生する場合もあるのです。


②内縁・事実婚解消の場合の財産分与,慰謝料請求

法律婚の解消、つまり離婚の場合には、夫婦で協力して築いた財産を分ける財産分与の手続がなされることが多いですが(民法768条)、内縁・事実婚の解消の場合も、同じように財産分与をして財産を公平に分配することができます。


また、法律婚の場合に浮気などが原因で離婚したときには、浮気された側が、浮気した側に対して、慰謝料を請求することができますが、内縁・事実婚を不当に破棄した場合にも、破棄された側は、破棄した側に対して慰謝料を請求することが認められています。


夫婦のかたち

最近は、日本でも女性の自立や社会進出が進んだこともあり、苗字を変えずに男女の対等な関係をそのままにしたいという女性も増えて、内縁・事実婚を選択するカップルも増えているようです。


もっとも、上記のように、内縁・事実婚と法律婚とは、同じ点もあれば、いろいろと違う点もありますので、内縁・事実婚には,メリットもあればデメリットもあることが分かると思います。将来を決める大事な選択ですから、二人でよく話し合って決めたいですね。



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  • 田中雅大(弁護士/第二東京弁護士会所属)

    1975年生まれ。埼玉県出身。証券会社に勤務した後、2010年に弁護士登録。中小企業の法務や不動産案件を中心に扱いつつ離婚や不倫などに関する数々の男女トラブルを解決。趣味はサーフィン、草野球。

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