自分磨き

「子供が欲しい」と思わない女が、自分そっくりの赤ちゃんの世話をした結果【連載】なんで子供が欲しいの?最終回

なんで子供が欲しいの?

「子供が欲しいと思ったことはない」と言ったとき、大抵の友人は一瞬戸惑ったような表情を見せます。


「私も!」と同意を得られることは、これまでほとんどありませんでした。


そんな私は、「なんで皆、子供が欲しいって思うんだろう…」と中学生のころから疑問に感じていました。中学のときは、のほほんと「私は子供いらないなあ」と考えていたのですが、30を越え、彼氏と結婚の話をするようになってから、はたと気が付きました。


「あれ…結婚するってことは、私って子供産むの?」と。


結婚と出産はイコールではありませんが、

初回の連載でお伝えしたように、男女共に90%以上は結婚後に子供を持つことを望んでいるのです。


もし私が本当に子供を不要だと考えているならば、結婚前にパートナーに伝えておく必要があります。そういった切羽詰まった状況になって初めて、私は子供が欲しいのかどうかを、真剣に考えるようになりました。


そこで始まったのが、本連載です。今回は最終回ということで、これまでの連載を振り返りながら、子供を産むこと・育てること・家族のあり方について改めて考えてみたいと思います。


なんで子供が欲しいの?

なんで子供が欲しいの?

連載第二回第三回では、子育てしている女性や、子供が欲しいと考えている女性へのインタビューを通して、「なぜ多くの女性たちは子供が欲しいと思うのか」を明らかにしようとしました。


彼女たちは

「身近にいる人に子供が出来て幸せそうだったから」

「子供を育てることが新しい生きがいになると思うから」

「一人での生活に飽きたから。人生の次のステージに行きたいから」

「社会的なプレッシャーがあるから」

など様々な理由を語ってくれました。


予定外の妊娠でも子供は幸せに育つ?

予定外の妊娠

子供が欲しい!と思う女性がいる一方で、子育てをしている女性の中には、意図せずに子供を授かったケースも存在します。


連載第四回目でお話しを窺った櫻井茉莉菜さんもその一人です。彼女は17歳で出産をし、現在は2歳になった愛美ちゃんの子育てをしています。


「17歳でシングルマザー」。それだけを聞くととても大変そうですが、実際の彼女は飄々としていて、愛美ちゃんと遊んでいる姿は幸せそのもの。彼女に会えたことで、「幸せの形は人それぞれ」だし、「子供を幸せに育てられるかどうかは、『子供が欲しい』という想いに比例するものではない」ということを再認識させられました。


2人の子供を育てている友人は、こうも語ってくれました。

「私は積極的に今の生活を選んだわけじゃなくて、気が付いたらこんなことになっててんよ。でも子供を産んだら、あとはもう責任をまっとうするしかないやん。だってこの子らが存在してるのは私と夫の責任やもん。だから子育て大変やけど、トータルで考えたら楽しいと思ってやらなくちゃしょうがない」


彼女の言葉からは、子供を産んだからにはその選択を正解にしてみせる、という親としての覚悟が感じられました。


「子供を欲しい」と思わない女が、自分そっくりの赤ちゃんの世話をした結果

赤ちゃんの世話

「子供を産んだあとに、その選択を正解だと思える覚悟」が私にはまだありません。「もしかして後悔するのでは?」という不安があります。と同時に「子供を産まなかったことを後悔するのでは?」という想いも存在します。


ただ、友だちの赤ちゃんを見て、可愛い!欲しい!と思ったことはこれまで一度もありませんでした。そんな私ですが、去年姉に子供が生まれることになり、「さすがに身内の子供は可愛いのでは?」という期待が高まりました。


姉が出産したのは女の子。

しかも、なぜか姉よりも私に激似だったのです。


私は自分の顔をそんなに好きだとは思っていなかったのですが、やっぱり人間って深層心理では自分の顔が好きなのでしょうか?私そっくりの姪はとても可愛く見えました。


先週、そんな姪のお世話を2日間するようにと依頼されました。姉夫婦が沖縄旅行に行くためです。「2日ぐらいならお安いごよう」と里帰りついでに神戸に帰ったのですが…。

完全に子育てなめてましたね。


10ヵ月の赤子は、高速でハイハイをするし、つかまり立ちをしたと思ったら仰向けに一人でひっくりかえりギャン泣きしたり、夜中に何度も泣き声で起こされたり、しまいにはおむつ替えの時にうんこを付けられたり…。

ゆっくり小守りしながら原稿でも書こうと思っていたのですが、2日間ほとんど仕事ができませんでした。姉夫婦からは、ニコニコ顔でお土産の紅芋スイートポテトを手渡され「またよろしく♪」と言われましたが、私はできればもう小守りは引き受けたくないなあ…と思ったのでした。


姪はとても可愛かったです。ほかほかしていて、ほっぺも太もももパツパツでハリがあって、抱っこすると暖かくて、ニコニコ笑っている姿もとても愛らしい…でも、だからといって、あの可愛い生き物のお世話を何日も、何年もするかと思うと…気分が盛り上がりません。


子供が欲しいかどうか

この連載を通して、「子供が欲しいかどうか」について考えてきましたが、様々な人の話を聞くなかで、一定の答えにたどり着きました。それは現時点では私は子供を欲していない、という事実です。


少なくともあと2年は、子供はいりません。結論を先延ばしにした格好です。2年後に私は34歳です。高齢出産と言われる年齢であり、自然妊娠しにくくなるでしょうし、障害などの危険性も高まります。その事実を知っていてもなお、私は今産みたいとは思わないのです。

「現時点では子供を欲していない。数年後には考えが変わるかもしれない」と、婚約者である彼氏には、一通りの説明をしておきました。彼氏は、将来生まれてくる娘の名前をすでに考えているほど、「結婚≒子供」と考えているタイプだったので、がっかりするかと思ったのですが、私の気持ちを否定することなく受け入れてくれ、結婚後少なくとも2年間は子供を作らない、その後再び話し合いをする、という案で合意に至りました。

2年後にお互いどのような気持ちになっているかは不透明なので、その時点で争いが発生する可能性はありますが、少なくとも現時点の想いは共有できているので、今後は、二人でベストな選択を話し合っていきたいと考えています。


様々な家族の形・生き方を受け入れる社会実現のために

様々な家族の形

今回の連載では、男女の子育てだけではなく、同性愛カップルの子育てにも迫りました。また、血の繋がらない家族の形として、養子縁組制度同性カップルの里親制度についてもインタビューを行いました。


世の中には、数えられないほどの家族の形、子育ての形があり、それらは時代と共に移り変わっていきます。どんな生き方をしていても「この選択が正解だった」と言えるように、せめて自分の意志と責任で家族の形、幸せの形を選んでいきたい、と思いました。


そして、世の中全体も、もっと多様な生き方を暖かく受け入れられるようになっていくことを願ってやみません。そのためには、まずは私自身が、「他人の生き方を否定しない」と意識しておく必要があると思います。意識していないと、否定してしまうことがよくあるので…。


人は自分の生き方に自信がないときほど、他人の生活を貶めて安心しようとしてしまう傾向があると思います。夫に不倫されているセレブ妻が、「いい年して独身なんて○○ちゃん可哀想」と「結婚していることが幸せなんだから自分は幸せである」と言い聞かせようとしたり、バリバリのエリートサラリーマン(でも実は仕事が辛くて辞めたい)が「主婦なんて生産性がなくて誰にでもできる仕事」だとさげすみ、「稼げる奴がエライ」と主張したりするのは、自分の生き方に自信がないからでしょう。


自分の生き方に自信を持つのは、難しいことでしょうか?そう思います。私は自分の生き方にときどき自信が持てなくなります。今が最高!と思うときもあれば、「あのときああしていれば…」と後悔で悶絶することもあり、まだまだ自信が安定しないのです。けれど、少なくとも、自信を持ちたいという意志はあります。


他人の生き方を否定したり、見下したりしてしまわないためには、「私はこれでいいんだ」と、完全に自分の人生を受け入れる必要があると思うのです。

「私はこれでいいんだ」と心底理解できている人のみが、「あの人もあれでいいんだ」と他人の選択を尊重することができるのではないでしょうか。


子育て・子供を産むことについても同じことです。

プレッシャーに感じたり、「こうあるべき」と自分をしばり、理想から外れること恐れたりする必要はありません。「こうあるべき」規範が強いと、その規範から外れている自分も他人も許せなくなってしまうでしょう。


「こうあるべき」という考え方ではなく、各々が選んだ家族の形・ライフスタイルは「それぞれ、それでいいんだ」と考えることで、皆がより生きやすい社会になるのではないでしょうか。



《バックナンバー》なんで子供が欲しいの?

・#11:LGBTやステップファミリーでも「普通に子育てできる」ために必要なこと【同性カップルの子育て③】


・#12:「血のつながりのない子ども」はかわいそう?【特別養子縁組①】


・#13:独身男性が養子縁組支援団体を立ち上げたワケ【特別養子縁組②】


・#14:「子どもを育てられない親」はいます。【特別養子縁組③】


・#15:家族の形・幸せの形はひとつじゃない【特別養子縁組④】



  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

女子力アップ

編集部ピックアップ

女子カレとは?

今週のお悩みQ&A

広告掲載について

Facebook

Twitter

ページTOPへ