自分磨き

家族の形・幸せの形はひとつじゃない【特別養子縁組④】

なんで子供が欲しいの?

前回は、子どもを養父母にたくす実親の葛藤や、孤立しない子育てについて、一般社団法人ベビーライフ代表、篠塚様に語っていただきました。

今回は、真実告知(養父母が子どもに養子であることを伝える)の方法や、子どもたちが笑顔で暮らせる社会になるには何が必要か、についておうかがいしました。


ベビーライフとは

赤ちゃんを産んでも育てられない事情のある方への相談事業、および特別養子縁組の支援を行っている一般社団法人。民間団体である強みを活かし、養子を受け入れた後のケアにも力を入れている。


特別養子縁組とは

実父母の養育が困難な6歳未満の子どもを、養父母が引き取り、法的に親子関係になる制度のこと。その際、実父母との法的な親子関係は解消される。


成長の段階に合わせて、産みの親の存在を伝える

産みの親の存在

―養子ならではの子育ての悩みはありますか?


養子を迎えた家族の場合、子どもが成長する段階に合わせて、産みの親のことを伝える必要がでてきます。

戸籍を確認すれば養子縁組だということはすぐに分かりますから、なんの説明もなく「書面から知る」という事態は避けた方がいいですよね。


ですから、子どもの成長段階に合わせて伝えていく必要がありますが、伝えるというのはチャレンジなんです。血の繋がった両親と、育ての両親、最大で4人の親がいるとなると、子どもは「自分ってなんなんだろう」という悩みが出てきます。養父母は、その悩みに寄り添い、向き合っていかなければなりません。


こういった悩みに関しては、一般のコミュニティで出てくる話ではないので、ベビーライフとしても支援を充実させていく必要があると感じています。


真実告知を見据えた、実親との交流

実親との交流

―産みの親について伝えるという課題があるということですが、特別養子縁組の場合、実親との法的関係はすでに切れていますよね。実親との実質的な交流はあるのでしょうか?


児童相談所などの行政機関ですと、個人情報保護の観点から実親との交流を持つことはできませんが、私達は民間団体の強みを活かし、交流を支援しています。


例えば、子どもの成長記録を収めたアルバムを実親にお見せしたり、手紙を転送したり。海外の方だと、産みの親と養父母と子どもで、一緒に写真を撮ることも多いです。


ただ、面会は緊張する場面でもあることは確かです。子どもをたくす時に実の親と養父母が同席する場合は、「育てたかったけれど苦渋の決断でたくす」という辛い場面を目の当たりにすることも覚悟しなくてはなりません。


ですが、そういった写真が一枚でもあれば、それは子どもにとっての財産になります。「決して捨てられたわけではなくて、こうやってたくされたんだよ」と伝える材料にもなりますよね。養父母がこういったストーリーを伝えられるのはとても良いことだと思います。

>実親との交流は子どものアイデンティティの確立や成長に役立つものだと思うんです。


ベビーライフでは、将来的に子どもが大人になって、自分のルーツを探せるように、記録を永久保存し、子どもからの問い合わせに対応できる体制を整えています。


子どもたちが笑顔で暮らせる社会を作る

子どもたちが笑顔で暮らせる社会

―やはり成長していく中で、自分のルーツについては知りたいと思う方が多いですよね。最後に、今後の活動についてお聞かせください。


養子縁組の法律に関しては、施行されたあとも、バージョンアップしていく必要があると考えています。時代に合った制度に変えていく必要がありますので、終わりなき改良を追求していければと思っています。


私達が目指しているのは、子どもたちが笑顔で幸せに暮らせる社会ですから、養子縁組だけが解決策ではない、と考えているんです。

養子縁組の問題を深く掘り下げていくと、貧困であったり、DV、障がいなど様々な原因が浮き彫りになってきます。養子縁組に目を向けたときに浮かび上がる、解決すべき社会問題の一つひとつに向き合っていく必要があります。


そのためには、ベビーライフの活動の幅も広げていかなければならないと感じています。


ベビーライフでは、養子縁組支援を行っていますが、養子縁組がベストな選択だから選びましょう、ということではなく、ひとつの選択肢を提供しているに過ぎません。


また、「養子縁組を終わり」でもありません。

子育てで悩んだときは相談に乗り、子どもが大きくなったときにルーツとなる情報を提供できる、そんな永続的に寄り添える支援を提供できるようにしていきたいと考えています。


養子縁組に関しては、今は法律的にも文化的にも過渡期の真っ最中です。今後日本人も、色んな家族の形があり、色んな幸せがあることを受け入れていけるように変わっていくといいですよね。


当たり前と考えている家族の形以外のものを「異質なもの」「不幸なもの」として排除する社会は息苦しいですし、もったいないと思います。

多様性を受け入れることで、子どもたちにとっても、大人にとっても、より生きやすい社会になるのではないでしょうか。


―ありがとうございました。



▼ベビーライフHP



《バックナンバー》なんで子供が欲しいの?

・#10:同性カップルと異性カップルの違いとは?【同性カップルの子育て②】


・#11:LGBTやステップファミリーでも「普通に子育てできる」ために必要なこと【同性カップルの子育て③】


・#12:「血のつながりのない子ども」はかわいそう?【特別養子縁組①】


・#13:独身男性が養子縁組支援団体を立ち上げたワケ【特別養子縁組②】


・#14:「子どもを育てられない親」はいます。【特別養子縁組③】



  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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