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「同性カップルによる子育ては危険」の根拠【同性カップルと里親②】【連載】なんで子供が欲しいの?#7

なんで子供が欲しいの?

前回、LGBTと子供の関わり方、および里親制度の現状と課題について、一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事の藤めぐみさんにお話しをおうかがいしました。

今回は、インタビュー第二弾をお届けします。

同性カップルが里親になる社会的意義とは…?


藤めぐみさん

一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事。法務博士(専門職)。1974年豪州・シドニー生まれ。大阪府育ち。 大阪大学文学部卒業、関西大学法科大学院修了。衆議院議員公設秘書、自治体職員などを経験。2013年、LGBTと社会的養護の問題について考える団体「レインボーフォスターケア」を設立。


一般社団法人レインボーフォスターケアとは?

「LGBT×社会的養護」をキーワードに、LGBTが里親として子供を養育できることを目指し、調査や講演活動を行っている。


同性カップルが里親になる社会的意義

同姓カップルが里親になる

―里親制度を広める意義、また同性カップルの里親を広める意義とはなんでしょうか?


児童養護施設がバツで里親がマル、というような単純な話ではないと思っています。


ただ、赤ちゃんの時期に、施設で育てられると一人の大人との愛着関係が築きにくいですよね。乳児院などで人が入れ替わり立ち代わり面倒を見るのはそういった意味で、国際的にも問題視されています。


同性カップルの里親についてですが、LGBTの問題は、これまでいじめや自殺などネガティブな状況をどう改善するか、という話が多かったですよね。でもLGBTについて、シアトルでは「活躍できる人材」としてポジティブにとらえていたんです。保守系の人たちの中には、LGBTは子供を作れないから自然の摂理に反している、という人がいたりするんですよね。

これからはLGBTも里親として子供を育てることができる、家庭で育つことのできない子供を養育できる存在にもなる、という意味でも社会的意義があることだともいます。


ただ、同性カップルの里親については、まだハードルがあると感じています。

ある自治体では、「LGBTの方の家庭が安全だと証明されてから、里親として認定されればいいですね」と言われたこともあります。まだ「同性カップルによる子育ては危険だ」と考えている人もいるようなんですね。


その方には「安全だという証明はどうやってするんですか?これまでも家庭ごとに上手くいったケース、ダメなケースは分析されていましたか?安全の基準は?」ということを聞いたんですが、詳しい分析はしていないということでした。危険だと考える根拠はないんです。ですが、身近にいないために不安視されているんだと思います。


同性カップルの里親

―身の回りにいないので、不安、という方が多いんですね。


そうですね。


実際はゲイのカップルもたくさんいるんですがオープンにしていない人も多いですからね。その部分は里親でも似ている問題があると思います。


里親や養親には大きく分けて2パターンあって、周囲に里親・養親ということをほぼ公表せずに養育するパターン。もう一つは、うちは里親・養親をしています、と公表して養育するパターン。

前者の場合は、赤ちゃんのうちから引き取るケースが多いので、その子供が里子・養子である、ということをオープンにしていないことも多いんです。ですから、実際に当事者がたくさんいる問題ではあるんですが、周りの人は気がつきにくい、という現状があります。


里親制度はひとつの選択肢

里親制度

―社会的にはオープンにしていった方が、制度の改正の後押しにもなりそうですよね。


そうですね。


パートナーシップ条例(同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、お互いを「パートナー」とする証明書を発行することなどを定めた東京都渋谷区の条例)のときも、当事者の方が顔を出してメディアに出たことで、社会的な認知が広がるきっかけになったと思います。

ですが、里親の場合は、お子さんのプライバシーなどがありますから、素敵な家族がいても、なかなか公表はできないという問題もありますね。


情報が少ないなかで、「里親は結婚していないとなれない」「同性カップルではなれない」と思い込んでいた方が多いと思うんです。

今回、同性カップルが里親と認められたという報道は、ほぼすべてのテレビ局、新聞社が報道してくれました。そのときに里親制度の説明も一緒にしてくれていたんですよね。里親単体の報道だと、ここまで大きなニュースになることはなかったと思います。このニュースをきっかけに、これから同性カップルの里親申請は増えるんじゃないかな、と思っています。


また、同性カップルだけではなく、異性カップルの方にも里親についての理解が広まったのではないかと思っています。子供が欲しいと考え、不妊治療をしているご夫婦の中には「血のつながり」についてこだわらないカップルもいますよね。そういう夫婦にも、ひとつの選択肢として里親制度があることも知ってほしいですね。


次回は、「同性カップルに育てられた子供はかわいそう」という批判に対するご意見をお伺いします。



■一般社団法人レインボーフォスターケアのHPはコチラ


《バックナンバー》なんで子供が欲しいの?

・#1:「子供が欲しい」と積極的に思えない私はおかしい?


・#2:2人の子持ちが語る、子供を育てるメリット・デメリットとは?


・#3:「あんなふうになりたくない」29歳バレリーナが子供を望む4つの理由


・#4:「トイレで出産した17才未婚の母」は不幸だと思いますか?前編


・#5:「トイレで出産した17才未婚の母」は不幸だと思いますか?後編


・#6:同性カップルも子育てできる?【同性カップルと里親①】



  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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